田園調布の山荘

「和を以て貴しとなす」・・ 日本人の気質はこの言葉[平和愛好]に象徴されていると思われる。この観点から現代を透視したい。

171022 朝の散歩、昼の散歩(90)・・・夜の新宿裏通り、夾竹桃のお茶の水 この道一筋 灯りは遠い

2017年10月29日 08時42分15秒 | 愛・LOVE・友 

 

もう58年目になるか、一緒に机を並べた仲間だ。夜は渋谷・新宿裏通り、昼は一緒に、夾竹桃のお茶の水、湯島を過ぎて黒門町、不忍池界隈をうろついていた(従ってあまり勉学はしなかった)。今はお互いに引っ込んで、くそジジィ同士、テーマを選ばず、ひねくれた意見交換をすることが嬉しい。

「彼」は田舎に引っ込んで、そこの農家の弟子になって、毎日田んぼを見回っているらしい。「彼」の職業は大学の先生、それも農学部の。教え子達が各地で農業を始めていて、収穫期になると手紙と共に作品が届けられるのが嬉しい限りと書いてあった。

「今年は日照不足で収穫量が少ないです・・“新之助”という新潟の新品種を送ります、 これは大粒でコクがあり甘みに満ちていて・・まだ5俵しか販売できませんが・・・。」という手紙のコピーまで添えてあった。

 岩手の教え子からは、リンゴが届けられたらしい。それにも手紙のコピーが添えられ、「今年は猛暑のために糖度が上がり、褐変も起こりやすいので早めに召し上がり下さい、スーパーのPOPでは商品をいかに安く提供しているかを強調していますが、私はリンゴをマルシェに、商店街の皆さんと昵懇になって消費者に直接売りたい」との添え書きも。私もこのリンゴ注文してみたくなった。

 農業という産業はスローライフと一体の産業だ。工業の生産性は何倍にも上がる(従ってお金儲けがしやすい)が農業の生産性はその十分の一にもならない(従ってお金儲けをしようとすると大規模に土地を仕入れなければならない)。工業と農業を一つの市場の中、しかも世界市場で勝負させるわけには行くまい。生物が生物を産むのが農業、生き物の生産はその土地の自然のリズムに支配されスピードも一定だから経営学の生産性の概念を当てはめていけないのだ。「彼」はそう信じている。農業に浸かるのはスローライフを満喫したいからか。かく言う私もそれに憧れているがスローライフは永遠に手が届きそうにない。


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