翌朝。雪は一人キャンパス内を歩いている。
道の先に、見覚えのある人物の姿が目に入った。
糸井直美である。
直美は参考書に目を落しながら歩いていたが、
雪の視線に気付いたのか不意に顔を上げると、
思わずビクッと身を強張らした。
クルッ
タタタ、と小走りで駆け出す直美。
雪はその場に佇みながら、じっと彼女のそんな姿を見つめていた。
直美さん‥
夜間授業に移ったって聞いた‥最近見ないもんな
過去問盗難事件で居場所が無くなった直美は、あれ以来ひっそりと姿を消した。
真実を知りたくて組み敷いた意図がもたらした現実に、雪は複雑な気持ちになる‥。
「‥‥‥‥」
聡美の耳には、あのピアスが光っていた。
「あたし‥もう‥」
「これ以上喧嘩したくない」
「これ以上泣きたくもないよ‥!」
涙をポロポロ流しながら、彼女は恋人に想いを語っているのだ。
雪と萌菜は彼らの狭間に立ちながら、その一部始終を見守っている。
「太一もあたしのこと長い間待ってくれたから、
残ってる僅かな時間楽しく過ごして、送り出してあげる」
「だから‥」
「待ってるよ、太一」
涙で頬を濡らしながらも、聡美は気丈にそう言い切った。
彼女の下したその結論に、太一は思わず涙腺崩壊だ。
「身体‥気をつけてね‥!」「聡美さん‥っ!」
(エンダーァァァァァァ!!!のBGMでお楽しみ下さい)
「聡美さぁんっ‥!!」「太一ぃぃぃぃ〜!!」
盛り上がるカップルの隣で、雪と萌菜は彼らの愛に拍手を送った。
「本当に感動的ね?私泣くの苦手だけどアレ?目から汗が‥」
「ははは‥」
紆余曲折あったが、聡美と太一はようやくハッピーエンドへの道を歩むことにしたようだ。
そして気になる<ピアス事件の顛末>は‥。
「よぉ太一、何見てんの?」「チワす」
実はこの眼鏡の男性こそ、萌菜の言うところの「気になる人」なのであった。
彼は同じ職場で働くカメラマンだ。
「これプレゼントしようと思ってんですヨネ」「おっ」
カメラマンは太一の携帯に表示されたピアスをいたく気に入り、
二人とも同じサイトで買ったとのことじゃ。(昔話風)
「買っちゃお!」「送料安く済んだッス!」「ちょ‥何そのノリ‥ガクブル」
〜完〜
こうしてピアス事件は一件落着、聡美と太一もハッピーエンドだ。
萌菜はニッコリと笑う。
「それじゃ‥謝ったことだし‥」
「私はこれで失礼‥」
そう言ってこの場を去ろうとする萌菜を、雪はガシッと引き止めた。
「メシおごれ。高いやつ」
「あんなおふざけやっといてごめんの一言で済むと思ってんの?」
「ひぃぃぃ!」「聡美さーん!」「太一ぃぃ!うおーん!」
萌菜はひぃぃと叫びながら涙を流すが、雪は萌菜を離そうとしない。
聡美と太一はおんおん泣き続け、初冬の空にそれぞれの声が響いたのだった‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<一件落着>でした。
ここでの聡美&太一のセリフ‥↓
「なぜ空は君を‥」「俺死んでませんヨ」
ですが、「なぜ空は君を」はこの曲の歌詞ですかね?
歌詞からすると大切な人が亡くなって悲しみに暮れるバラード‥という感じでしょうか。
お詳しい方、教えて下さいー!
次回は<甘言>です。
☆ご注意☆
コメント欄は、><←これを使った顔文字は文章が途中で切れ、
半角記号、ハングルなどは化けてしまうので、極力使われないようお願いします!
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道の先に、見覚えのある人物の姿が目に入った。
糸井直美である。
直美は参考書に目を落しながら歩いていたが、
雪の視線に気付いたのか不意に顔を上げると、
思わずビクッと身を強張らした。
クルッ
タタタ、と小走りで駆け出す直美。
雪はその場に佇みながら、じっと彼女のそんな姿を見つめていた。
直美さん‥
夜間授業に移ったって聞いた‥最近見ないもんな
過去問盗難事件で居場所が無くなった直美は、あれ以来ひっそりと姿を消した。
真実を知りたくて組み敷いた意図がもたらした現実に、雪は複雑な気持ちになる‥。
「‥‥‥‥」
聡美の耳には、あのピアスが光っていた。
「あたし‥もう‥」
「これ以上喧嘩したくない」
「これ以上泣きたくもないよ‥!」
涙をポロポロ流しながら、彼女は恋人に想いを語っているのだ。
雪と萌菜は彼らの狭間に立ちながら、その一部始終を見守っている。
「太一もあたしのこと長い間待ってくれたから、
残ってる僅かな時間楽しく過ごして、送り出してあげる」
「だから‥」
「待ってるよ、太一」
涙で頬を濡らしながらも、聡美は気丈にそう言い切った。
彼女の下したその結論に、太一は思わず涙腺崩壊だ。
「身体‥気をつけてね‥!」「聡美さん‥っ!」
(エンダーァァァァァァ!!!のBGMでお楽しみ下さい)
「聡美さぁんっ‥!!」「太一ぃぃぃぃ〜!!」
盛り上がるカップルの隣で、雪と萌菜は彼らの愛に拍手を送った。
「本当に感動的ね?私泣くの苦手だけどアレ?目から汗が‥」
「ははは‥」
紆余曲折あったが、聡美と太一はようやくハッピーエンドへの道を歩むことにしたようだ。
そして気になる<ピアス事件の顛末>は‥。
「よぉ太一、何見てんの?」「チワす」
実はこの眼鏡の男性こそ、萌菜の言うところの「気になる人」なのであった。
彼は同じ職場で働くカメラマンだ。
「これプレゼントしようと思ってんですヨネ」「おっ」
カメラマンは太一の携帯に表示されたピアスをいたく気に入り、
二人とも同じサイトで買ったとのことじゃ。(昔話風)
「買っちゃお!」「送料安く済んだッス!」「ちょ‥何そのノリ‥ガクブル」
〜完〜
こうしてピアス事件は一件落着、聡美と太一もハッピーエンドだ。
萌菜はニッコリと笑う。
「それじゃ‥謝ったことだし‥」
「私はこれで失礼‥」
そう言ってこの場を去ろうとする萌菜を、雪はガシッと引き止めた。
「メシおごれ。高いやつ」
「あんなおふざけやっといてごめんの一言で済むと思ってんの?」
「ひぃぃぃ!」「聡美さーん!」「太一ぃぃ!うおーん!」
萌菜はひぃぃと叫びながら涙を流すが、雪は萌菜を離そうとしない。
聡美と太一はおんおん泣き続け、初冬の空にそれぞれの声が響いたのだった‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<一件落着>でした。
ここでの聡美&太一のセリフ‥↓
「なぜ空は君を‥」「俺死んでませんヨ」
ですが、「なぜ空は君を」はこの曲の歌詞ですかね?
歌詞からすると大切な人が亡くなって悲しみに暮れるバラード‥という感じでしょうか。
お詳しい方、教えて下さいー!
次回は<甘言>です。
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