( 「天遊琳」秋純 大阪市大国町)
■2011/9/12(月)
(追想記) 冷え冷えの三階の日本酒の倉庫から 「綾花」を取り出して二階に降りた・・・ およそ15分はいたかな。
「 で、・・・ お姉さんのおすすめのひやおろしは何? 」と私は尋ねた。
前にも書いたが、日本酒の好きそうな人に、結構好みの銘柄を聞くことは興味深い。 その答えで、だいたいその人の酒の好みがわかる・・・ 場合によっては、性格の一面がつかめなくもない。
こういった酒屋勤めしているような プロの立場の人に聞くのは、なおさらその答えが楽しみだ。
返ってきた答えは 「どれもいいですね~ 敢えていうなら 「天遊琳」 でしょうか・・・ 」 だった。
「天遊琳か・・・ 秋純か・・ まいったな~」 ある意味想定外、ある意味ど真ん中の素直で順当な答えだと思った。 酸味の心地よい涼やかな味わいは、秋にぴったりの美味しさ。 女性ならずとも乗れる味わいの酒だ。
食の始まりにすすめるならば こんな酒。 かと言って 決して単調な淡麗酒ではない。 「神の穂」と「山田錦」だろうか・・・酒米は。
三重の酒・天遊琳は、尾瀬アキラの「蔵人」にも度々登場する伊勢神宮のお神酒でもある。 知る人ぞ知る人気酒。 この味わいなら男性ファンばかりか女性ファンも多いと思う。 この酒も居酒屋に置いて欲しい銘柄のひとつだ。
「天遊琳」と先に言われてしまったか~ やられたな という気分。
その名えを聞いて「綾花」を握りしめていた握力が正直緩んだ。 天に遊ぶ玉の意味からすれば、今夜の名月にこの酒「秋純」も悪くないと一瞬思ったからだ。
でも 楽しみは後回し、 「天遊琳」は次の楽しみに置いておこうと「綾花」を手にして店を出た。
それにしても今夜の月の光の明るさよ・・・ まさに今日の夜空こそ「天遊琳」というものだ。
(寅)