一文字 寅 の 「風菜園(かぜさいえん)」 

「天に星。地に花。人に愛。」 風に乗って、日々の所感を「風菜園」から発信してまいります。

(追想記) 「天遊琳」だとお姉さんは言った。 やられたな  9/12

2011年09月13日 22時13分55秒 | みんな~愛『酒』てるかい

(  「天遊琳」秋純  大阪市大国町)

■2011/9/12(月)

(追想記)   冷え冷えの三階の日本酒の倉庫から 「綾花」を取り出して二階に降りた・・・ およそ15分はいたかな。

 「 で、・・・ お姉さんのおすすめのひやおろしは何? 」と私は尋ねた。

前にも書いたが、日本酒の好きそうな人に、結構好みの銘柄を聞くことは興味深い。 その答えで、だいたいその人の酒の好みがわかる・・・ 場合によっては、性格の一面がつかめなくもない。

こういった酒屋勤めしているような プロの立場の人に聞くのは、なおさらその答えが楽しみだ。

返ってきた答えは  「どれもいいですね~ 敢えていうなら 「天遊琳」 でしょうか・・・ 」 だった。

「天遊琳か・・・ 秋純か・・  まいったな~」 ある意味想定外、ある意味ど真ん中の素直で順当な答えだと思った。 酸味の心地よい涼やかな味わいは、秋にぴったりの美味しさ。 女性ならずとも乗れる味わいの酒だ。

食の始まりにすすめるならば こんな酒。 かと言って 決して単調な淡麗酒ではない。 「神の穂」と「山田錦」だろうか・・・酒米は。

三重の酒・天遊琳は、尾瀬アキラの「蔵人」にも度々登場する伊勢神宮のお神酒でもある。 知る人ぞ知る人気酒。 この味わいなら男性ファンばかりか女性ファンも多いと思う。 この酒も居酒屋に置いて欲しい銘柄のひとつだ。

「天遊琳」と先に言われてしまったか~ やられたな という気分。

その名えを聞いて「綾花」を握りしめていた握力が正直緩んだ。 天に遊ぶ玉の意味からすれば、今夜の名月にこの酒「秋純」も悪くないと一瞬思ったからだ。

でも 楽しみは後回し、 「天遊琳」は次の楽しみに置いておこうと「綾花」を手にして店を出た。 

それにしても今夜の月の光の明るさよ・・・  まさに今日の夜空こそ「天遊琳」というものだ。

(寅)

 


心の綾か 言葉の綾か 名月の夜に咲く「綾花」   9/12

2011年09月13日 00時18分15秒 | みんな~愛『酒』てるかい

(  旭菊「綾花」山田錦・瓶囲い )

■2011/9/12(月) 中秋の名月

(つづき)・・・

ということで今年の中秋の名月は、昨晩まで無理と思っていたが、結局この酒を葛城まで連れて帰ってきた。 ブログにたぶん飲めないなんて書くと急に気になりだして、魔がさしたというべきか、はたまた心の綾なのか・・・ 単に言葉の綾と済ますわけにはいかなかった。

さて連れて帰ってきた「綾花」 その何とも優しい口あたりは、「旭菊」らしい味わいだ。 燗にしてもきっと更に美味しくなる酒質だと思った。 以前、義侠の「侶」(ともがら)を紹介したことがあったが、似ている。

主張しすぎず、優しくじっくりと深い。 山田錦の味わいでも いざ探してみるとこの手の優しい酒は、そう多くはない。 筑後・ 三潴の酒は何とも味わい深いな~

「綾」とは縦糸と横糸が重なり微妙な模様を織りなす微妙な変化。 久留米絣(かすり)が似合いそうなさの優しくも繊細な中に 強さと深さを感じさせるこの酒は、今回の名月を愛でるにいい酒だったと思う。

家に帰ってさすがに筑前煮は用意されてなかったが、茄子のじゃこ煮つけと揚げ出し豆腐で頂いている。 

名月の夜に咲いた花 旭菊「綾花」  秋の近づきを感じながら 今宵も名月に一献  心に残る酒だ。

・・・ (おしまい)

(寅)