( 「夢一献」 )
■2011/9/21(水) 雨のち曇
嘘のような見出しが、私の前で拡げられた朝刊の紙面に踊っていた。 「名古屋 百万人に避難指示」 百万人に避難指示なんてとても想像つかない。 百万人もどこに避難するんだよ? 百人でも大変だろ・・・と 朝から心穏やかならずであった。
そして夕方4時のこと 仕事の打ち合わせで、東京のコンパニオン派遣会社の担当者から電話があった。「そちら(大阪)大丈夫ですか?台風」と受話器を取るなりの第一声だった。 「う うん、大丈夫。 もう行ってしまったみたいだよ。というか今頃、そっち東京あたりじゃないの?」と聞けば「そうなんですよ。 昼の3時半に電車は全て止まってしまって、どうしようか?と思ってるんですよ。」 そんな状態なのに大阪の事心配してどうするんだい! 笑えるような笑ったらいけない・・・電話だった。今夜の東京、帰宅難民が出るんじゃないかな。
今年は、想像もつかないほど 天も地も水も われわれ人間にお怒りのようだ。 皆、胸に手をあてて考えよ! と言っているようだ。
それならば私は、明鏡止水の心境で考えてみますか・・・ 信州の銘酒「明鏡止水」は無かったけれど 雨も止みいつもより鎮まっりかえった大阪の片隅で「夢一献」を味わった。
「天に星 地に花 ・・・ きっと 人は ただ、生かされているだけなんだ。」 夢一献が、そんな悟ったようなセリフを私に吐かせた。 秋の深まりをいつもより感じ始めた夜だった。
(寅)