晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

潮騒はるか

2017年08月04日 | 
潮騒はるか   葉室 麟 著

アッという間に8月です。来週は夏休みで私も実家に帰る予定。。
ぼやぼやしてられません・・9月の末にはいつものHULA FESでレッスンも佳境にはいってきたし、
今年のお盆は弟の初盆で、、早いものです。実家の家族もなんとかみんな元気で過ごせているのは本当に
ありがたいことだなぁなんて思います。

さて、久々に葉室さん、読みました!痛快時代劇は気持ちがすっきりとします~

あらすじは・・

長崎にある西洋医学伝習所で蘭学を学ぶ夫・亮を追3い、
弟・誠之助と彼を慕う千沙と共に福岡から移り住んだ鍼灸医の菜摘。
女だてらに腕を買われて奉行所の御雇医となり、長崎での生活に馴染み
だしたところに、福岡から横目付の田代甚五郎が訪ねてきた。なんと
千沙の姉・佐奈が不義密通の末、夫を毒殺し、逃亡したらしい。さらに
尊皇攘夷を唱え脱藩した密通相手の男を追い、長崎に逃げ込んだという。
信じられない思いを抱きながらも、菜摘は奉行所の女牢で、武家の妻女
らしき身なりの女に心あたりを感じる。だが、その女は、腹に子を宿していた――。

結局のところ、この話の主人公は、菜摘なのか佐奈さんなのか?いやいや、やはり、さっそうと現れて
正義の味方のように尊王の獅子のように・・竜馬のごとくで弱気女を助け、にっくき悪者をやっつける!
次郎どの、のような気がします^^個人的主観です。

次の新刊、「嵯峨野花譜」楽しみです~

氷の轍

2017年07月23日 | 
氷の轍  桜木 柴乃 著

去年の10月に新刊でした・・
物語は

北海道釧路の海岸で80歳の老人が他殺体で海に浮かんだ、殺人事件。
事件の捜査に乗り込んだのは、「凍原」での松崎比呂の後輩、大門真由と片桐警備補コンビ。
被害者、一人暮らしの寂しい滝川老人の歴史を探るうち、関わってくる人々のまた孤独と辛い人生の模様が
浮かんでくる。
得意の北海道釧路。そして今回は青森八戸が舞台です。

いつもながら北国の暗く寂しく陰鬱な雰囲気がたっぷりと描かれており、それに伴って登場人物の心理描写も
細かいのです。ちょっとくどいくらい丁寧でねちっこい。しかし陰惨な女の歴史も著者にかかると
さらっと描かれ、それがかえってリアリティーが深み胸を打ちます。
桜木節ですね~

事件簿なんだけどミステリーで、、でもヒューマンストーリーに仕上がっています。
最終章になって事件の概要がやっと見えたころ、私はこの犯人(千恵子)はきっと最後海に身を投げて
自殺するんじゃない?なんて期待?したけど、あっさり捕まって終わってしまった。
最後は、キリさんと竹刀で稽古なんて平和ですね。。。 

起終点駅

2017年07月03日 | 
起終点駅 ターミナル  桜木柴乃 著

遅きに読みました~
六つのアンソロジーで、どれも桜木さんらしい文体で寂寥感にみちていました。
ちょっと暗いなぁ・・とも思うけど作風なんだから仕方ないです。

映画にもなったらしいけど、表題のはよかったですね

北海道を舞台にこんなにさらりと重い人間模様をえがけるのはやはりこの作家さんしかいないのかなぁ。

ちなみに

追憶、、岡田君の映画見てきましたよ!水曜日のレディースデイ^^
原作は北海道が舞台のはずだったのに?北陸になっていました~

でも、岡田君がかっこよかったので〇です~

追憶

2017年06月19日 | 
追憶  青島 武 著

岡田君の映画の原作と聞いて、読みました~

途中、「あれ?これ読んだことあるなぁ・・すっかり忘れていました。
でも、また思いなおして心して読むとやはりおもしろい!刑事ものでも青春ものでも単純にくくれない
人間ドラマになっていますよ~

岡田君ふんする刑事のアッちゃんの雰囲気がちょっとクールでニヒルでいいね。きっと岡田君に合ってると
思います。

これはやはり映画を見に行かなきゃ・・
まだやってるのかなぁ

東京會舘とわたし 上・下巻

2017年06月08日 | 
東京會舘とわたし  辻村深月 著

リクエストしてずいぶん待たされましたが、いっぺんに上下でくるとは・・
慌てて読み始めましたが、その面白さに読了するのに時間はかからなかったです^^

東京會舘、そうです!あの丸の内にある由緒正しい歴史のある社交場。
創業は大正11年です。會舘にかかわった職員の人やお客さんたちのエピソードにまつわる小説です。
当時の経済界や政界の実在の人物もでてくるし、越路吹雪やクライスラーのライブなど興味深い。

年代に応じて短編集のようですが、いやいや、繋がってくるのですよ~そこがまたわくわくするくらい面白い!

創業1年で関東大震災に見舞われ、太平洋戦争中は食糧難の中、政府の意向で大東亜會舘と改名されたり、戦後は
GHQに接収されて・・平成ではまたまた東日本大震災にあい・・なんと波乱万丈な100年近い歴史があるんですね

日本人が勤勉でまだ善良な精神の持ち主?といったら語弊があるかな、、一生懸命生きた証みたいなのがかんじられます
東京會舘での思い出が人々の出会いであったり、出発であったり、誇りであったりでとても心がホットになります。

上巻のエピローグで作家が會舘の社長に取材するところから始まる・・
下巻の最後で からくりが解けるように今現在の東京會舘でend!

辻村さん~上手いね!感心しました。良書に出会いましたよ(^^♪

ちなみに、今は2度目の建て替え中の東京會舘。竣工予定は来年春だそうだ。
是非行ってみたいです

大きな鳥にさらわれないように

2017年05月10日 | 
大きな鳥にさらわれないように  川上弘美 著

人類滅亡・・いえ衰退の未来の世界をえがいたお話。
このSF感はファンタジーのようで近い将来を警告したようでちょっとそら恐ろしくなる。
でも、文章は美しい・・けれどはじめのうちは理解しにくい。

短編集だけれど、前作につながっており小説のうまさが憎い感じです。
工場で人間を製造するなんて想像もつかないような世界ですが・・
やはり女が強い。。男はどうなってるの?

無機質なようで叙情豊かで、不思議な世界観です。
返却が迫っていてゆっくり読めなかったので、今度じっくり再読したいです~


いつも・私のつたないblogを読んでくださっているHさんに感謝します

リバース

2017年04月12日 | 
リバース   湊 かなえ 著

遅ればせながら読みました
忙しかったのもあって返却日が迫ってるのを忘れていましたが、読み始めると
一気に読み終えるほど引き込まれました。

大学時代のゼミ仲間。いろんな事情を抱えて上京してきた学生たち。そこそこのエリート大学。
友達がいるようで親友と呼べるほどの友達がなかなかいない・・気迫な人間関係と現代社会。。。
そこで、仲間の車での事故死。原因は飲酒運転?
送られてきた脅迫文に犯人捜しを始める「深瀬」だが、、

思わぬ事件性を帯びて、まるでミステリーを読んでいるようで、しかし主人公の心理描写
の鋭さになぜか納得したり、「う=ん」と深読みしたりで結構楽しめた。
これが湊かなえ、かなと思えるヒューマンストーリーに仕上がってます。

ラストの一行は衝撃的です!

伏線となっている「コーヒー」
読み終えて、さっそくコーヒーを飲みたくなりました。

どうやらTVでドラマがはじまるみたい。まぁ・・期待しないでおこうっと(^^♪


遊行を生きる

2017年03月22日 | 
遊行を生きる  鎌田 實 著

~悩み、迷う自分を劇的に変える124の言葉

帯を読んですぐに読みたい!と思った。「がんばらない」で多くの悩める人を救ってきた鎌田先生。
またしても心に染みることばでつづられて、しんどいなぁ・・が、ぱっと晴れる思いでした。

古代インド仏教の教えに人生を四つに区切り、「学生期」「家住期」「林住期」「遊行期」
これを四住期と言われています。
その中でも遊行期は人生の締めくくり、死の準備の時期ともいえます。
中高年の私たちの生き方なのか?といえばそうではないらしいのです。先生いわく、静ではなく
動、だというのです。解脱、煩悩から自由になることを目標にする時期ですが、
先生はもっとフラフラとして好きに生きていい!と言ってます。
まさに「遊び、行く」と考えているのですよ。

孔子や荘子、哲学者ニーチェにヘミングウエイ、アインシュタイン、古今東西の偉人や天才たちが格闘の末たどり着いた含蓄のある言葉
の数々・・さすが鎌田先生の凡人らしからぬ教養の高さ。感心なのは自分の弱さをさらりと言ってのけるところです。

生と死はいつでも隣り合わせ。
生まれたら、必ず死がやってきます。
しがみつかずに「人生、楽しかった!」と
言ってあっさり死にたいものです(^_-)-☆



草花たちの静かな誓い

2017年02月16日 | 
草花たちの静かな誓い   宮本 輝 著

久々に宮本輝さんの作品を読みました(*^^)v

400ページ近い長編で読み応えたっぷり、そして「あ~よかったぁ・・」幸福って何?と思わせる
感動作でした。
物語は・・

ロサンゼルス在住の叔母の、突然の訃報。甥の弦矢が駆けつけると、27年前に死んだはずの叔母の一人娘が、実は死んだのではなく、当時からずっと行方不明なのだと知らされる。
なぜ菊枝はそのことを長らく黙っていたのか。娘はいまどこにいるのか。弦矢は謎を追い始める――。
生き別れた母子の運命を豊かに描き出す長編説。

アメリカ西海岸の高級リゾート地ランチョ・バロス・ヴァーデスが舞台。美しい風景にセレブな雰囲気についうっとり
しながら話に引き込まれていきます
莫大な遺産、遺言書には「約3200万ドルとランチョ・バロス・ヴァーデスの家と土地は甥の日本人のゲンヤ・オバタに譲る」
全部?日本円にすると・・不動産が1000万ドルとしてざっと42億円!!
天文学的な数字でちょっと即座にはその大金が理解できないです。
しかし、これからがミステリーな展開へとつづくのです。死んだと思ってた娘が実は失踪していて行方も生死もわからず。
もし生きていたなら70パーセントを娘へと渡して欲しいという。27年も前の事件。誰もが迷宮入りでまず探すの不可能だと思うでしょう。
でも、ゲンヤは私立探偵ロシア系のニコ、に依頼するのです。遺産を独り占めしようなんてこれっぽっちも考えないのです。
善良な日本人男性ゲンヤでよかった。小説が美しくなりますね。

叔母キクエのアメリカでの生活が回顧される。事業の成功と夫婦円満で幸せ一杯なセレブな暮らし。
何故一人娘のメリッサが突然いなくなってしまうのか?なぞが徐々に解明されていくときは私までドキドキしながらページをめくりました。

しかしながら今でもアメリカでは年間1万人以上の子供が行方不明になったいるという事実には驚かされます
どうりで一人で歩かせちゃいけないっていうのね。
ゲンヤはアメリカ留学でUSCでMBAを取得。CPAも取った・・ってさりげなく
言うところがすごいなぁ~
やはりリッチな小説には登場人物にもハクをつけなきゃね^^
謎が解かれていくと、、以外なおぞましい性虐待?の様相があきらかになっていき・・菊枝の苦悩に満ちた選択と人生は
想像を絶するかんじです。
しかし、母は強し。というか・・やはり悲しいですね。

タイトルにもなっている草花たちの誓い・・お花畑が美しく咲き誇る背景があってそっと耳を傾けると草花たちの話声が
聞こえてくるんですって。それってとても哲学的で・・まるで宇宙のようで。
描写がきれいすぎて、やっぱり宮本輝さんだなぁとやけに感心しました。
ラストもきれいな映画の一シーンのようです。
ほんとに良書でした~