晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

憑神

2007年05月23日 | 
憑神
浅田次郎著

抱腹絶倒にして感涙必至 

帯のキャッチコピーは本当でした

2年前に新刊が出たときからずっと読みたかったこの作品。ようやく、叶いました。

またしても幕末の下級武士の話です。
江戸深川元町の御徒士(おかち)武士の別所彦四郎は次男坊の冷や飯くい。出世のはずの婿養子さきから種馬同然に、子供ができたとたん、三行半の不運な32歳。

出世稲荷に手を合わせたつもりがなんと!その祠は、貧乏神、厄病神、死神の災いの神であった~

突然の災難が次々とおこり、七転八倒の大わらわ!
その中で、腐りかけた武士の世の中でうずもれてしまいそうになっていた、自分を見つめなおし、武士としての生き方や人生の意味に目覚めていく・・

といったお話です。

得意の浅田次郎節で、江戸庶民の生活ぶりや、階級制度に縛られた武家社会の悲哀をコミカルに描いています。

恐ろしくて、おぞましい、イメージの神様たち
ところがどっこい、出てくるのは、全く反対の姿なんですよ。
貧乏神は大店の主人であったり、疫病神は、元気もりもりの力士であったり、死神に至ってはいたいけな、かわいい少女!? おまけに人情?があって、やさしくて、おかしくて愉快な憑き神さま達です。

つい、「プッ~」と吹き出して笑ってしまいます

最後は・・
さすが~っと感動の坩堝で泣かせてくれました。

やはり、浅田ワールドの小説は心がおどり、そして、人生を考えさせてくれます

嬉しいことに、妻夫木聡主演で6月23日に映画公開だそうですよ

こちらも見てみたいです~