晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

氷に閉ざされて

2009年02月02日 | 
氷に閉ざされて
リンダ・ハワード / 加藤洋子=訳

久々に、海外作品を読んでみました。
人気のリンダ・ハワードです。二見文庫のロマンスミステリーでは、とても人気で、いつも新刊で入ってきては売り切れてしまいます。

物語は・・
資産家の若き未亡人ベイリーは、継子たちから嫌われながらも、夫の残した莫大な遺産管理をしながら淡々と暮らしていた。唯一心許せる弟夫婦たちとラフティングのバカンスに出かけるため、デンバーまでチャーター便の飛行機に乗り込んだ。しかし、アイダホの山中で墜落の惨劇に遭うのです。重傷を負いながらも機長のキャムと、ベイリーは一命をとりとめ、極寒の雪山で必死の脱出劇をくりひろげます。
それまではお互い、苦手なタイプだと思っていた相手と肌を寄せ合い暖をとり命をつなげるうち、いつしか心もほどけ、惹かれていきます。そして、事故の原因は仕組まれたものだと突き止めていく・・

久々のサスペンス劇場、それも大富豪の未亡人と、冷静沈着な優秀なパイロットとが非常事態において恋に堕ちる、なんてアメリカらしい設定です。

普通じゃ考えられない~なんて思うようなこともいとも簡単におきてしまう。
たとえば、キャムが額がパックリあいてしまう怪我を負うのですが、ベイリーが救急箱から針と糸を取り出して、縫うのです。消毒液も清潔なガーゼもない雪山で!
それも、説明書を読みながらですよ。アメリカじゃ皆そうなの!?

ベイリーはすごかった。信じられないくらい強い女性です。自分も腕に怪我をしているのに、なんとかキャムを助けて救助がくるまでは生き延びなければ・・と冷静に事態を見極め、手元にあるものを最大限に活用していて全力を尽くします。
サバイバル訓練を受けたの・・?私だったら、まずパニックに陥り、あきらめてしまうかもしれません。

お互いの体温で暖をとる・・嫌なタイプだと思っていた誤解も解け、お互いの立場も超えて、恋から愛に発展してしまうのです。

あ~ぁ、なんてロマンチック!と、言いたいところですが
「ありえない~」が本音。

最後には仕組まれた事故の犯人もあばかれ、以外な展開がおまけにあってなるほど面白い。

しかしながら、飛行機の墜落シーンはリアルでした。その衝撃の大きさから普通なら絶命でしょうが・・セスナには乗ったことがないのでよくわかりません。

二人が結ばれる描写(雪中のシェルターで)は、かなりエロチックでした。
真理子さんも脱帽!?かも・・