グループZAZA

「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

本日、「9.30カジノは日本のどこにもいらない東京大行動」

2022-09-30 05:56:56 | 当該から

維新の会が強引に推し進めようとする「カジノ誘致」に対して大阪では住民投票条例を求める署名運動が起こりました。グループZAZAのメンバーも参加し、一大市民運動となりました。ところが吉村洋文大阪府知事はこれらの声を無視し、府議会でも住民投票条例案は数の力により否決されました。本日の東京大行動について、梅原聡さんからの訴えです。どうか、ご協力よろしくお願いします。

 

議会大阪の梅原といいます。

卒業式の「君が代」不起立で、再任用を拒否され五年間、国賠訴訟を闘ってきました。

昨年、大阪高裁で300万円を超える賠償金を認める判決が出され、今年6月に最高裁でこの判決が確定しました。判決は思想良心の自由の侵害という点を直接的には認めませんでしたが、不起立者に対する差別的な取り扱いを裁量権の逸脱濫用であるとしていて、実質的な勝訴判決と受け止めています。この間、さまざまな運動とのつながりの中で多くの皆さんからのご支援をいただき、それが判決につながったものだと思っています。ありがとうございました。

今年に入って、大阪カジノ誘致に反対して住民投票条例制定を求める運動では、法定数を大きく上回る21万筆の署名を集めたり、安部国葬に反対する動きの中では、国葬で半旗の掲揚を行わないと事前に自治体に言明させることができたりと、手応えを感じながら運動に加わってきました。

特に、カジノ誘致の問題に関しては、署名活動を通じて市民に関心を持ってもらえるようになり、世論調査でも反対が大きく賛成を上回って、維新府政に脅威を感じさせたものと考えています。条例案自体は府議会の勢力分布で圧倒的多数の維新・公明によって否決されましたが、これで終わらせるわけにはいきません。

本日、「9.30カジノは日本のどこにもいらない東京大行動」を予定しています。自民党以上に露骨に新自由主義的政策を推し進める維新は、国政にも進出して勢力を拡大しています。カジノは彼らの売りですが、最大のアキレス腱でもあります。ここで彼らを叩いて民主勢力復活の糸口を見いだすことができるのではないかと考えています。

大阪から約100名が参加し、長崎・横浜・和歌山からの参加者もありますが、東京近辺の皆さんでご都合のつく方は、是非座り込み集会・銀座デモをのぞいてみて下さい!(直前のお知らせになってしまい申し訳ありません)

12:00〜14:00 国会前座り込み集会(衆議院第2議員会館前)
18:00〜19:00 「カジノ誘致反対」銀座デモ
 ※17:50 日比谷公園「中幸門」前集合・18:00 スタート→銀座→JR東京駅付近ま

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https://vosaka.net/archives/5599 


「君が代」不起立再任用拒否高裁逆転勝訴判決確定に寄せて

2022-06-24 05:54:05 | 当該から

「君が代」不起立再任用拒否高裁逆転勝訴判決確定に寄せて

志水博子

梅原さんが、そして私も含めてZAZAのメンバーの多くが「君が代」起立斉唱職務命令に従わず、懲戒処分を受けることがわかっていても、それでも「不起立」であったのは、人権教育を私たちが行ってきたからだ。

人権教育(同和教育)において、差別の不当性はもちろんのこと、理不尽なこと、おかしなことに対しては声を上げなければ何も変わらないと、私たちは生徒に説いてきたわけだ。その私たちが、かつて教え子を戦場に送る役割を果たした「君が代」を起立して歌えという理不尽な命令には到底従うことはできなかった。

そして、再任用をめぐって、今後「君が代」起立斉唱の職務命令に従うかどうかの「意向確認」なるものが行われた。面従腹背ーー従います!という道もないではなかったが、梅原さんはそうはしなかった。なぜなら、それも人権教育と関係がある。

大阪府立高校の教員は、進路指導の際、人権教育の観点から、就職差別をさせないため生徒たちに近畿統一応募用紙(かつて広島信用金庫で起こった就職差別を契機に生まれた履歴書)の趣旨に反する質問には答えなくてよい、いや、もっというなら、差別につながる質問にはたとえ自分が答えてなんら支障がなくとも、それは差別選考につながる恐れがあるので、「学校の指導で答えてはいけないお言われています」と応じてほしいと説明する。

もしも、生徒が就職面接で「あなたは『君が代』を歌いますか?」という質問を受けたならば、明らかにそれは統一応募用紙の趣旨に反する違反質問であり、学校は大阪府教育委員会にすぐさま報告し、大阪府商工労働部は、その企業を指導することになる。

梅原さんは、生徒にそのように指導している以上、その自分が答えるわけにはいかないと、意向確認には応じなかった。結果、再任用選考不採用とされたわけだ。

この意向確認は憲法違反であると裁判では主張したが、残念ながらそれは認められなかった。だが、私たちは確信している、意向確認は明らかに憲法19条思想および良心の自由に抵触する。大阪府教育委員会が、梅原さんより後のグループZAZAの面々の再任用を行ったことこそ、その証左である。

勝訴判決へ導いたのは、意向確認とは別の論理である。再任用選考については、雇用と年金の接続を図る観点から、基本、再任用希望者は概ね採用される。体罰で戒告より重い減給1ヶ月の懲戒処分を受けていても、再任用選考は合となった事例もある。そこから考えると「君が代」不起立で戒告処分の梅原さんを再任用拒否することは明らかに裁量権の濫用ということになる。

高裁の主任裁判官であった浅見宣義裁判官(今では退官されたので、“元”になってしまったが)、『裁判所改革のこころ』を著すなど、良心的な裁判官として知られているらしい。かつて、裁判は裁判官次第といった人もいるが、そういう点で裁判官に恵まれたといえないこともない。これも梅原さんの人徳かもしれない。

高裁判決で私たちにとって最も喜ばしい点は、裁量権の濫用と認められた理由を裁判所が次のように述べている点である。

「控訴人の勤務に関し、・・国歌斉唱時の起立斉唱に関するもののほか、特に問題点を指摘されたことは窺われないこと、公立学校の式典における国歌斉唱時の起立斉唱等に関する職務命令に従わなかった事例における懲戒処分の選択に関し、事案の性質等を踏まえた慎重な考慮が必要となる旨が判示されたところ(最高裁H24年1月16日判決P253参照)、雇用と年金の接続を図る必要性が増大していることなど近年の事情を勘案すれば、本件事案の懲戒処分歴の扱いについても、定年退職前の懲戒処分の選択と同様に事案の性質等を踏まえた慎重な考慮が望まれるべきことからすると、府教委の本件不採用の判断は、客観的合理性や社会的相当性を著しく欠くものとして、裁量権の逸脱または濫用にあたり、違法というべきである。」

つまり「国歌斉唱時の不起立」を理由とする再任用不採用は違法であることをはっきりと認めている点である。

これまで、「君が代」不起立者に対し、まるで恫喝のように再任用拒否を発出していた大阪府教育委員会には猛省を迫りたい。

そして、さらには、そもそも全国で唯一大阪にだけある、教職員への「君が代」起立斉唱を義務づけた条例の廃止を訴えたい。少なくとも、大阪府教育委員会には、本年も発出した「君が代」起立斉唱の職務命令は、これを機に中止すべきである。

 


追悼 山田肇さん

2022-05-20 19:19:53 | 当該から

実は今日は3月に亡くなったZAZAの大黒柱であった山田肇さんのお誕生日だったそうです。Facebookで、谷次郎弁護士がそのことに気づかれて下記の投稿をされていました。ご本人の了承のもと、掲載させたいただきます。ちなみに、もしもご存命なら71歳のお誕生日でした。

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山田肇(やまだ・はじむ)さんは、もと高槻市立小学校教員で、卒業式の国歌斉唱で起立をせず、定年後の再任用を拒否されました。不起立の懲戒処分自体は取り消されたのですが、再任用は認められず、裁判で争いましたが敗訴になりました。

日の君の被処分者の集まりである「ZAZA」での活動や、あと、お住まいが豊中だったということもあり、森友学園の問題にも取り組んでおられました。

森友問題にからんでは、ちょうどコロナ禍の初期に、豊中市立の公園が森友の集会を行うというので一旦使用承認が下りていたのに事後に承認が取消になった件で、取消処分の取消と執行停止を申し立てたことがあったのですが、公園利用の申し込みをしたのが山田さんだったので、「悪いけど矢面に立ってください」とお願いして、記者会見の対応とかをしてもらいました。

いつもニコニコしてる感じでしたが、燃えるような信念をお持ちでした。あとで知りましたが、公園利用承認問題で矢面に立ってもらった頃にガンが見つかったのですね。闘病生活をしているということを不覚にも全然知らず、今年の3月11日に突然の訃報に接しました。

生きておられれば今日が71歳の誕生日だったのですね。改めて哀悼の意を表します。

(谷次郎弁護士記)


訃報

2022-03-11 13:45:40 | 当該から

このブログで訃報をお伝えするのは初めてです。

グループZAZAのメンバーであり、ZAZAの運動を牽引してきたといっても過言ではない山田肇さんが 本日3月11日、午前8時37分に 亡くなったとの知らせがありました。今はまだ悲しみでいっぱいですが、山田さんの思いを受け継ぎ、今後も私たちは運動をさらに続けて行く所存です。

下記は、2013年8月7日の山田肇さんの人事委員会審理を伝える新聞です。山田さんはこの人事委員会で勝利したにもかかわらず、ついに再任用拒否は取り消されませんでした。

合掌


続く「君が代」強制との闘いと展望 奥野泰孝(芦屋福音教会会員 大阪府立支援学校教員)

2022-02-13 19:00:10 | 当該から

ZAZAの奥野泰孝さんの投稿がクリスチャン新聞2022年2月6日号に掲載されました。

 

 続く「君が代」強制との闘いと展望

奥野泰孝(芦屋福音教会会員 大阪府立支援学校教員)

 

昨年、大阪の元府立高校教員の「再任用拒否国賠訴訟」の控訴審で勝利判決が出た。「君が代」処分と闘っている者にとって朗報であった。

原告の梅原さんは、大阪府国旗国歌条例下、「君が代」不起立で2度の戒告処分を受け、2017年3月の定年退職を前に再任用を申請した(まだ年金を受け取れる年齢ではなかった)。しかし再任用拒否。その理由は、府教委の「国歌斉唱時の起立斉唱を含む上司の職務命令に従いますか」との意向確認に「答えられない」と返答したから。大阪では生徒に「面接時、思想・良心に関するような質問には答えないように」と指導してきた。府商工労働部は「その意向確認は違反質問に当たる」と指摘した。府は翌年の意向確認で、「起立斉唱を含む」を付けず「職務命令に従いますか」と聞く。おかげで、戒告2回、減給1回の私は、再任用された。府が最高裁上告したのは、逆転できると考えてだろうか。意向確認は現代の踏み絵。これまで最高裁は、処分は重過ぎるという判断はしても、「君が代」強制が、憲法19条、憲法20条の憲法違反かの判断は避けたままである。

大阪府の国旗国歌条例は2011年6月に府議会を通った。東日本大震災の年。その春に府会議員の過半数が大阪維新になり、その数で条例は通った。大惨事のあと社会が恐れの空気に包まれ感情に訴えかける発言が大きな影響を持っていた時だった。2013~15年の大阪府の中原徹教育長(弁護士)は、斉唱時に教員の口元チェックをするように校長に指示を出した。彼が府立高校の校長だった時(2010~12年)ブログで卒業生が「教員を目指しているがクリスチャンだから君が代を歌えない、どうしたらいいですか」と相談すると「公立学校は諦めなさい。私学に行けばいい」という主旨の返答をしていた。

「君が代」起立斉唱強制は、天皇制の問題である。日本は、戦争放棄し、天皇の軍隊の解体し、天皇の統帥権などを無くしたが、天皇制は残した。天皇制は心の宗教的支配だ。その牙を抜くために、憲法20条 信教の自由があるのだろうが、権力がこれは宗教ではないと言って押し付けたのが戦争中。そして、「国難」だからと民衆に一致を求め、宗教的熱意によって自発的に従うようにするのが恐ろしい手口。過去に世界にそういう例がある。戦争中、国は国家神道は宗教ではなく、日本国民なら神社参拝も宮城遥拝も当たり前とした。多くの人がそのことに気が付かないか、気が付かないふりをした。

「君が代」裁判では起立斉唱が「慣例上の儀礼的所作」だから強制ではないという論法が通っているが、信教の自由を侵害する所作が今も許されるのは悪霊による儀礼的所作であるからと言えるのではないか。

私はキリストを信じる者として、天皇制の強制に抵抗するが、天皇制の強制は、あらゆる人権侵害を許す温床になっているのではないか。「国民」の一致による天皇制が優先され、信教の自由、思想良心の自由より優先。そして、介助より起立斉唱、教育より起立斉唱と思考停止へと追いやられる。人は疲れや恐怖にある時、思考停止する。今、コロナ禍で、悪霊はその恐怖を利用し、人を闇に引き込もうとしているのではないか。「忍耐の時」「一致して闘おう」という言い方と感染者差別と分断は、戦争中を思いださせないだろうか。クリスチャンは一人一人が神と向き合うことが大事だと思う。思考と祈りを止めてはならないと思う。

年々「不起立」の教職員は減ってきたが、被処分者の闘いは続いている。起立斉唱の強制が無くなるように、「信教の自由」が守られるように声を上げ、闘い続けることを諦めない。私は闘い続けることが勝利だと信じ祈っている。

 

1月24日大阪府教育長は関係府立学校教職員充てに「令和4年度入学式における国歌斉唱について」を通達した。条例に基づき、入学式においてすべての教職員に国歌を起立斉唱するよう求めた。

奥野氏は「通達では、学習指導要領の『国を愛する心』『日本人としての自覚』について学習指導要領を根拠としているが、特別活動の卒・入学式の項の本文にはない。これを支持(黙認)する人々が多いのが残念」とコメントした。