🌸2月24日から大阪府立高校で卒業式が始まります!
大阪ネットならびにグループZAZAは、毎年卒業式には、府立高校門前で「日の丸」「君が代」は強制されるものではないと卒業生とその保護者の方々に伝えるビラを毎年配布しています。お手伝いいただける方があればどうかお知らせください。
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ZAZAの奥野泰孝さんの投稿がクリスチャン新聞2022年2月6日号に掲載されました。
続く「君が代」強制との闘いと展望
奥野泰孝(芦屋福音教会会員 大阪府立支援学校教員)
昨年、大阪の元府立高校教員の「再任用拒否国賠訴訟」の控訴審で勝利判決が出た。「君が代」処分と闘っている者にとって朗報であった。
原告の梅原さんは、大阪府国旗国歌条例下、「君が代」不起立で2度の戒告処分を受け、2017年3月の定年退職を前に再任用を申請した(まだ年金を受け取れる年齢ではなかった)。しかし再任用拒否。その理由は、府教委の「国歌斉唱時の起立斉唱を含む上司の職務命令に従いますか」との意向確認に「答えられない」と返答したから。大阪では生徒に「面接時、思想・良心に関するような質問には答えないように」と指導してきた。府商工労働部は「その意向確認は違反質問に当たる」と指摘した。府は翌年の意向確認で、「起立斉唱を含む」を付けず「職務命令に従いますか」と聞く。おかげで、戒告2回、減給1回の私は、再任用された。府が最高裁上告したのは、逆転できると考えてだろうか。意向確認は現代の踏み絵。これまで最高裁は、処分は重過ぎるという判断はしても、「君が代」強制が、憲法19条、憲法20条の憲法違反かの判断は避けたままである。
大阪府の国旗国歌条例は2011年6月に府議会を通った。東日本大震災の年。その春に府会議員の過半数が大阪維新になり、その数で条例は通った。大惨事のあと社会が恐れの空気に包まれ感情に訴えかける発言が大きな影響を持っていた時だった。2013~15年の大阪府の中原徹教育長(弁護士)は、斉唱時に教員の口元チェックをするように校長に指示を出した。彼が府立高校の校長だった時(2010~12年)ブログで卒業生が「教員を目指しているがクリスチャンだから君が代を歌えない、どうしたらいいですか」と相談すると「公立学校は諦めなさい。私学に行けばいい」という主旨の返答をしていた。
「君が代」起立斉唱強制は、天皇制の問題である。日本は、戦争放棄し、天皇の軍隊の解体し、天皇の統帥権などを無くしたが、天皇制は残した。天皇制は心の宗教的支配だ。その牙を抜くために、憲法20条 信教の自由があるのだろうが、権力がこれは宗教ではないと言って押し付けたのが戦争中。そして、「国難」だからと民衆に一致を求め、宗教的熱意によって自発的に従うようにするのが恐ろしい手口。過去に世界にそういう例がある。戦争中、国は国家神道は宗教ではなく、日本国民なら神社参拝も宮城遥拝も当たり前とした。多くの人がそのことに気が付かないか、気が付かないふりをした。
「君が代」裁判では起立斉唱が「慣例上の儀礼的所作」だから強制ではないという論法が通っているが、信教の自由を侵害する所作が今も許されるのは悪霊による儀礼的所作であるからと言えるのではないか。
私はキリストを信じる者として、天皇制の強制に抵抗するが、天皇制の強制は、あらゆる人権侵害を許す温床になっているのではないか。「国民」の一致による天皇制が優先され、信教の自由、思想良心の自由より優先。そして、介助より起立斉唱、教育より起立斉唱と思考停止へと追いやられる。人は疲れや恐怖にある時、思考停止する。今、コロナ禍で、悪霊はその恐怖を利用し、人を闇に引き込もうとしているのではないか。「忍耐の時」「一致して闘おう」という言い方と感染者差別と分断は、戦争中を思いださせないだろうか。クリスチャンは一人一人が神と向き合うことが大事だと思う。思考と祈りを止めてはならないと思う。
年々「不起立」の教職員は減ってきたが、被処分者の闘いは続いている。起立斉唱の強制が無くなるように、「信教の自由」が守られるように声を上げ、闘い続けることを諦めない。私は闘い続けることが勝利だと信じ祈っている。
*1月24日大阪府教育長は関係府立学校教職員充てに「令和4年度入学式における国歌斉唱について」を通達した。条例に基づき、入学式においてすべての教職員に国歌を起立斉唱するよう求めた。
奥野氏は「通達では、学習指導要領の『国を愛する心』『日本人としての自覚』について学習指導要領を根拠としているが、特別活動の卒・入学式の項の本文にはない。これを支持(黙認)する人々が多いのが残念」とコメントした。
ZAZAの増田俊道さんの寄稿です!
2022年、私の2.11
増田俊道
今年の大阪ネット主催の2.11集会は、コロナ感染拡大のため、残念ながら中止になったが、2月10~12日、私は山形県にいました。米沢からローカル線で西に向かい、新潟との県境の豪雪地帯、小国町にある基督教独立学園高等学校で講演を依頼されたのです。きっかけは、昨年5月3日に出版された、田中伸尚著『憲法を生きる人びと』を読まれた学園の社会科の先生が、「君が代」不起立者として紹介されていた私に話を聞きたいということでした。
この学園は、内村鑑三に学んだ、鈴木弼美氏が戦前に創立したもので、「読むべきものは聖書である 学ぶべきものは天然である 為すべき事は労働である」という目標のもと、全寮制で牛や米を育てながら生活に根差した学びを深めています。毎年2月11日は、「思想・良心・信教の自由を守る日」として生徒向けの講演会、教職員向けの研修会を実施しています。担当の社会科の先生は、最近の生徒たちはオリンピックなどの影響もあってか、「日の丸」や「君が代」の問題性について無自覚であることが気になっていて、憲法学習の一環としても天皇・天皇制の問題を深めたいという意向があったそうです。
生徒向けには、まず、「不起立COLOR」の歌とともに、「君が代」不起立に至った経過とその後の運動の広がりを伝えました。次に、「イマジン」の替え歌とともに、雁屋哲著『日本人と天皇』も参考にしながら、「日の丸」「君が代」「元号」など』天皇にまつろうものがいかに日常にあふれているか、どうすればまつろわない生き方ができるのだろうかという話。さらに、「青空」の替え歌とともに、楾大樹著『檻の中のライオン』も参考にしながら、憲法の位置づけと国家権力による人権抑圧の例、そして昨年夏の「表現の不自由展かんさい」をめぐる攻防についても話しました。最後に。ドイツのニーメラーの詩を紹介しながら、国家権力の弾圧は最終段階の「労働組合への攻撃」に至っていることを関生弾圧の例などを取り上げながら「No Union,No Rights」を歌って終えました。
教職員向けには、東京の10.23通達、大阪の国旗国歌条例・職員基本条例による強制と処分、私の人事委員会陳述書を紹介しながら、教育公務員として何を訴えたかったのか、来年度から高校でも実施される「新カリ」をめぐる管理強化の問題、各地のオルタナティブスクールやスウェーデンの民主教育にみる展望などを話しました。
夕方にも、参加自由の座談会を開いていただいて、生徒・教職員が20名ほど集まっていただいて、それぞれの思いを語っていただきました。小中学生の時に「君が代」を歌うことを強制され、何か変だなと思いながら何もできなかった悔しさや、こどもが公立学校に通っている教職員が、保護者として何ができるかもやもやしていることなど、やり取りができて充実した時間を過ごすことができました。
全国には、私たちと思いを同じくする人びとが、まだまだたくさんいることを実感できたことは、私にとっては大きな励みになりました。こういう場に導いてもらった、大阪ネット、グループZAZA、田中伸尚さん、をはじめ様々な方に感謝します。
本日、「日の丸・君が代」強制反対・不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク」は、大阪府教育委員会が1月24日に発出した卒業式・入学式への教職員への「君が代」強制の一連の通達の撤回を求めて、抗議、要求・質問書を提出しました。
多くの市民の皆さんの支援と連帯をよろしくお願いします!!
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2022年2月10日
大阪府教育委員会
教育長 橋本 正司 様
教育振興室長 大久保 宣明 様
「日の丸・君が代」強制反対・不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク
共同代表
井 前 弘 幸
寺 本 勉
「『君が代』通達」に対する抗議ならびに要求と質問
貴委員会は、2012年1月17日教育長通達を発出して以来、毎年、その通達を“使い回し”し、大阪の公立学校教職員に「君が代」起立斉唱を事実上強制してきました。昨年、コロナウイルス感染状況が深刻になると、“斉唱”“清聴”の2本立ての通達を新たに発出し、本年もほぼ同じ内容の一連の通達・通知(以下、「通達」)を発出されましたが、これには重大な誤りと問題があります。
「通達」には「国旗掲揚及び国歌斉唱は、児童・生徒に国際社会に生きる日本人としての自覚を養い、国を愛する心を育てるとともに、国旗及び国歌を尊重する態度を育てる観点から学習指導要領に規定されているもの」とありますが、学習指導要領にはそのようなことはどこにも規定されていません。学習指導要領解説には、「国際化の進展に伴い,日本人としての自覚を養い,国を愛する心を育てるとともに,生徒が将来, 国際社会において尊敬され,信頼される日本人として成長していくためには,国旗及び国歌に対して一層正しい認識をもたせ,それらを尊重する態度を育てることは重要なことである。」とありますが、学習指導要領にはそのような文言は一切ありません。いうまでもなく「学習指導要領解説」に法的拘束力はありません。にもかかわらず、「学習指導要領に規定」と、虚偽記載されていることについて私たちは断固抗議します。
そして、私たちはこれまでもあらゆる場面で再三にわたって指摘し続けて来ましたが、「通達」は過度のナショナリズムを子どもたちに“刷り込む”ことにとどまらず、日本人以外の外国籍を有するもしくは日本以外の民族的ルーツを有する児童・生徒に対する排斥にもつながる恐れさえあります。また、これは、全ての人の人権が尊重される豊かな社会の実現を図ることを目的として制定された「大阪府人権尊重の社会づくり条例」にも明らかに違反します。前述した虚偽記載と併せて、私たちは、「通達」の撤回を断固要求します。
さらには貴委員会の見識を明らかにしていただくためにも「通達」についての次の質問にお答えください。なお、卒業式を控えていますので、回答はできるだけ早急にお願いします。
問1
「児童・生徒に国際社会に生きる日本人としての自覚を養い」とありますが、これは、府立学校に在籍する外国籍や民族的ルーツを日本以外に有する児童・生徒に対しても「日本人としての自覚」を養うということですか?もし、そうでないなら、意味がわかるように説明してください。
問2
大阪の府立学校に在籍する外国籍や民族的ルーツを日本以外に有する児童・生徒の存在をどのように考えておられますか?これでは、「日本人」以外の生徒の存在を無視することにより、ひいては日本人以外の生徒の排除・排斥につながりませんか?そのような可能性があると思われますが、見解をお聞かせください。
問3
虚偽記載がある上に、内容的にも問題のある「通達」は今すぐにでも撤回すべきではありませんか?
問4
「通達」は「大阪府人権尊重の社会づくり条例」をはじめとする大阪府の施策に違反しませんか?見解をお聞かせください。
問5
「通達」は、貴教育委員会が毎年府立学校の新入学生に配布されている「互いに違いを認めあい、共に生きる社会を築いていくためにー生徒と保護者の皆さんへー」をはじめ、「教職員人権研修ハンドブック」等の人権教育と矛盾齟齬をきたしませんか?見解をお聞かせください。