※ブログ「大阪教育条例NO!」より、シリーズ①~⑦で大阪市教育振興基本計画(素案)の検証を紹介して来ました。改めてこの素案の問題点を痛感しています。全国の多くの方に関心を持っていただき、大阪市教育委員会にパブリックコメントをお寄せいただきたいと思います。辻谷博子
◆パブリックコメント窓口◆
郵送、ファクシミリ、電子メール、持参のいずれかの方法でできます。電子メールによる場合は、下記のホームページから「応募用紙」をダウンロードし、そのファイルをメールでお送りください。
http://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/kyoiku/0000194120.html
◆大阪市教育振興基本計画「素案」◆
http://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/cmsfiles/contents/0000194/194120/soann.pdf
私は22歳で大阪府立高校教員となり、以降、教育の場で、「日の丸・君が代」を子どもたちに強制(摺り込み)することに反対し続けて来ました。
1989年学習指導要領改訂以来、おそらくほとんどの府立学校の職員会議では、卒業式や入学式で「日の丸・君が代」を執り行うことの是非を巡って管理職と教職員の間で激しく意見交換が行われて来ました。そして、反対もむなしく、管理職によって式に持ち込まれるようになってから、それでも多くの教職員は「君が代」斉唱時、起立することはできませんでした。学校という場で、しかも、その入学と卒業の式典において国歌・国旗を執り行うことは事実上、子どもたちに強要することになるので、それにはどうしても従うことができなかったのです。
しかし、自分自身の気持ちを振り返ってみると、今春の「不起立」はそれだけではなかったように思います。それに加えて、いやあるいはそれ以上に、2012年4月1日施行された大阪教育諸条例に従うことはできないと言う、強い思いを一種の意見表明として行ったように思います。
昨夏、素案として公表された大阪維新の会教育基本条例案は、様々な方面から反対の声があがり、最終案は、一見すると、当初の素案からかなり変更されたかのように見えます。しかし、大阪府教育行政基本条例第4条では、教育振興基本計画について、「知事は、委員会と協議して、基本計画の案を作成」、「 知事は、第一項の規定による協議が調わなかったときは、委員会の意見を付して大阪府議会に提出する」と規定されています。つまり、府議会への提案権は最終知事にゆだねられているのです。
現在、橋下徹大阪市長のもとで、府に先行して教育振興基本計画が策定されようとしています。予想した通り、ここに橋下大阪維新の会の教育改革案が盛り込まれています。素案そのまま策定されるなら、大阪市の教育は競争の名のもとに、学校はつぶされ子どもたちは選別されることになります。
大阪市教育委員会は素案についてパブリックコメントを募集しています。これは大阪市民でなくとも応募できます。締切は1月4日です。是非、多くの方がパブリックコメントを寄せられることをお願いします。教育の力は過大です。しかし、その功罪はすぐには表れません。気がついたときには手遅れということにならないように、僭越ながら関心をお持ちくださいますようお願いします。