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「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

現職校長から大阪市長への提言ー大阪市会教育こども委員会における質疑応答

2021-05-24 05:37:00 | 大阪の教育

5月17日当ブログは、「現職校長から大阪市長への提言」を掲載しました。その提言について、5月20日大阪市会教育こども委員会で杉村幸太郎議員(大阪維新の会)が質疑を行いました。これによると大阪市教育委員会事務局は5月19日久保校長を呼び出しています。また委員会における質疑応答からは懲戒処分についても言及しています。これは表現の自由に関わるゆゆしき問題です。杉村幸太郎議員の質疑応答の文字起こしを入手しましたので掲載しています。教育への不当な弾圧は絶対に許せません。





2021520日 大阪市会教育こども委員会 議題外質疑

 

〇杉村幸太郎議員(維新)

一昨日、小学校長が大阪市に批判書面という報道が出た。(資料配布)

教育委員会が把握してからの経緯、当該校長先生が市長と教育長に提言したという書面がツイッターで出回っているというなので資料としてつけた。ここに至るまで発覚が直近ということもあり、昨日、校長と直接話をしたということなので事実確認としてできていること、それがどういった今後のことを聞きたい。

〇小花(おばな)首席指導主事

委員が配布した教育委員会作成の資料については現在、教育委員会が直接把握した経過をとりまとめたもの。概要としては当該校長は校長の職名で517日付けの提言書を市長及び教育長宛てに郵送するとともに、提言書の内容を第三者に提供し、さらに報道機関からの取材に答えたというもの。提言書の内容については、特別な事情は授業は不要であり、学校の規模や状況に応じて予算と人を分配すれば、評価や教科(?)検証のための報告書、全国学力学習状況調査の結果分析等はいらなくなる。また子どもに直接働きかける仕事がしたい、働き掛けた結果を数値による効果検証ではなく直接肌で感じたいこと等を述べております。それとあわせてこのたびのオンライン学習等をおこなうこととしたことを発端として、一人一台端末の配備にかかる不備が露呈した指摘をはじめ、運営に関する計画、学校協議会、人事評価制度に対する批判を行っている。配布資料にあるように、教育委員会としては昨日、当該校長を呼んで事情聴取を行うなど現在調査をすすめている。事情聴取が初回であり、十分に確認できていないところがあるので、当該校長によれば提言書は516日に知人へ提供した後に翌17日に投函したとのこと。同日に提供した知人から聞いたという人物から電話があり、ホームページに載せてよいかと尋ねられたので了承したようである。その後18日になって複数の報道機関から取材があり、順次応対したとのこと。校長は自身の行為が校長として軽率なものであって、学校名が報道されたこと等により、児童保護者や地域住民へ迷惑をかけていることについて反省の意を示しています。教育委員会として校長に顛末書を提出させ、必要に応じて再び事情聴取を行うなどにより事実を確認する。

〇杉村議員

きのう初めて聞き取りを行ったとういことなので、まだすべての事実が認定されて確定しているということではないので、それに関しては、なぜそういうことになったのかということを確認してほしい。ただ内容を私も読ましてもらったりとか、校長先生のおられるブログとかも拝見するに、非常に思いのある、いろいろと考えがあっていい校長先生なんじゃないのかなという節もまあまああります。ただ、それは校長先生の立場でたとえば校長先生のお友達で、ここに出てくる友人には話をするとかそういった部分に関してはいいんでしょうけど、結果的にはこれが外部に向かって表出されていることを鑑みれば、これは普通の会社でいえば、外に向かって社長のことを攻撃するかのようなことにもなりうるので、言葉悪いですけどいわゆる不細工な話ですよこれは。

ただ校長先生の思いとかは、有事なんで先ほど来、いろんな委員がこういったことを行っているという中ですべてを混乱なくしてやるというのは無理がある。さまざまな混乱はあったんだろうと思いますし、ただ、その前に校長先生は職員なんです。職員ということはこれを表出したということは、当然、故意なのか過失なのか、過失でも軽過失、重過失というものがあるので、ここをぼくが追及することはしませんが、この先におそらくそのへんのことがある程度出てくるとおもう。ただ基本的にはこういった場合、職員基本条例というものが本市にはある。その場合、どういった何条にかかる可能性があるのかということは答えてください。

〇教職員服務監察課長

現在、確認されている事実を踏まえると「公正に職務を執行し、その職務や地位を私的利益のために用いてはならず、また、市民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない」と定める職員基本条例第4条に違反する可能性が考えられている。

〇杉村議員

つまり地方公務員法の33条の信用失墜行為に該当する可能性があると考えられるという、非常にかれは慎重な言い回しはしていますが、罪刑法定主義からいえばその行為が信用失墜行為に、あくまでも仮の話ですけど、かかるというのであれば、その量定はどうなのか、罪刑なのでそれは処分であればどのような量定になるのか、それは職員基本条例の別表に記載されていると思うので、それを読んでください。

〇教職員服務監察課長

当該事案については今後詳細を確認するので、現時点で確たることを申し上げることはできませんが、一般論として、職員基本条例第4条に違反する場合には当条例別表第11項の職務命令違反により「公務の運営に支障を生じさせること」に該当し、定められている懲戒処分の種類は、減給または戒告となっています。なお、同条例28条には「一定の事情がある場合に別表で定められた懲戒処分の種類よりも重い処分や軽い処分をおこなうこと、あるいは懲戒処分をおこなわないことができると規定されています。

〇杉村議員

減給及び戒告と。そこには加重要素、軽減要素が付与されるということであります。今回、繰り返しになるが、有事であるので、すべてをスムーズに進めることはできない。今日も各委員、各会派から質疑等がありましたが、当然賛成ということもあれば反対ということもおそらく各委員の事務所とかにも相当数来ているであろうと思います。それはコロナのことで今回の学校の対応、それに関してもいままでに起こったことのないことであるので、そういったことはある。

ただ校長先生の文面をみると非常に同意できるところも多分にある。59歳であと一年で定年かというところで、どういったことを外部に向かって表出したということなので、はからずもなのかもしれませんが、これが出ているという時点で、これが出たということはある意味、あと1年で定年にさしかかろうかというところで、ある意味勇気ある行為だなあと思うんですが、それは職員としてはあるまじき行為だと私は断じざるをえません。

それは職員というところからみた観点なので、ぼくも子どもが双子で公立小学校の4年生で、いろんな意見とか実際自分も感じたことがいっぱいありますが、きりがないですが、とどのつまりは、この間、4ブロック化して、私が3月市会でものべたように、4ブロック化して、そこにいうのは筋からしておかしかったんじゃないかと。本当は筋からいうとどこにいうべきだったのか、それはつまり、淀川区なので第1ブロックのブロック長にそれを言って、さまざまな改善とか相談をするのが筋ではなかったのか。第1ブロック長に応えてもらいたい。

〇やまの第1ブロック担当長

教育委員会事務局からは、学校の実情に応じてきめ細やかな支援をおこなっていくことを目的として進めさせてもらっている。ブロック担当としても今回の緊急事態宣言下における措置について、各学校にもオンライン学習の状況や課題を各校長から聞き取りをして状況を把握した。緊急事態宣言が発出されての状況だったので、なかなか準備が十分に整っていない、そういなかで今回も校長も指摘しているように子どもや保護者や教職員にもやはり負担をかけているというところは、聞き取りの中でも状況を十分に把握している。このように状況を把握しているということが校長のたとえば思いや悩みまではきっちりとくみ取って受け取めることができていたかというとについては、このたび当該校長が市長に対して直接提言をとどけようとしているということを考えると、私どもとしてもそこが十分にいたっていなかったということについては十分反省しなければいけませんし、当該校長の事をしっかりと胸にとめながら進めていかなければいけないと思いを新たにしている。今後、各学校には指導主事が順次訪問してもらいながら、今回の緊急事態宣言下における措置も含めて聞き取りも勧めていきたい。そのような取り組みを積み重ねていくことで校長先生にもまずブロック担当に相談したらいいんやというふうに思っていただけるように、ブロック担当一丸となって取り組みを進めたい

〇杉村議員

引き続きお願いするとともに、こういったことが今回起こったが、散発や多発するようなことになれば議論のテーマが変わってくるので、くれぐれもお願いします。

 

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学力テスト中止要請オンライン署名のお願い

2021-05-17 22:21:00 | 子どもをテストで追いつめるな!市民の会

全国学力テストは、「君が代」強制と同じく、教育の不当な支配です。


ご存知のように、萩生田文科大臣は、緊急事態宣言下であっても、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)を予定通り5月27日に実施する方針を明らかにしました。


さらに、橋本正司大阪府教育長は「全国学力テスト実施日」に合わせて、今年度からの実施を予定していた「すくすくウォッチ」という大阪府独自のテストを小学校5・6年生全員に実施すると表明しています。


大阪市教育委員会は、全国でも異例ですが、緊急事態宣言下、松井市長の意向を汲み取り「オンライン授業」を導入しました。そのため、多くの学校現場では大混乱が起こり苦渋の声が聞こえてくるありさまに、本日(517日)になって、ようやく24日からは通常授業にもどす考えを明らかにしました。


「子どもをテストで追いつめるな!市民の会」は、コロナ禍下、さまざまな問題が噴出しているにもかかわらず、なぜ「全国学力テスト」と「すくすくウォッチ」だけ実施しようとするのか、今、もっとも教育行政が目指さなければならないのは、子どもたちの安全安心と学校生活を取り戻すことであると考え、文部科学省、大阪府教育委員会・大阪市教育委員会に要望書を提出し、同時に下記オンライン署名を開始しました。全国の方にも賛同をお願いしたいと思いますのでどうかよろしくお願いします。(志水)


change org署名のお願い

「緊急事態宣言下の「全国学力テスト」と大阪府独自テストの強行はやめてください~ 授業や行事が中止でも、テストは別あつかい?! ~」


https://www.change.org/p/文部科学大臣-大阪府教育長-大阪市教育長-緊急事態宣言下の-全国学力テスト-と大阪府独自テストの強行はやめてください

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現職校長から大阪市長への提言

2021-05-17 22:18:00 | 大阪の教育

大阪の教育をめぐって、今、大きな地殻変動が起きようとしています。


現職の大阪市立小学校校長が大阪市長に「大阪市教育行政への提言」を出しました。本来、民主主義社会であれば、学校現場の校長が首長に対し教育上の提言を出すことは何の不思議もないかもしれません。ただ、政治が教育行政を牛耳り、まるでその傘下にあるかのような現在の教育行政のありよう、そして、その教育行政から学校現場へ上意下達が当たり前のごとく「指示」が出される現在の大阪の状況から考えれば、これは異例中の異例のことです。校名も名前も明らかにした上での提言は、拡散OKということで私のところにも回って来ました。それを読んで正直感動しました。私たちが、今、大阪の公教育において考えなければならな位ことがすべて書かれていました。これは松井市長にあてた「大阪市教育行政への提言」であると同時に、私たち市民にあてられたものだと受け取りました。私たちも、この提言から学び、それをうやむやにされることなく、教育行政に迫っていきたいと思います。では、その提言を下記に記しますので是非ともお読みください。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大阪市長 松井一郎 


大阪市教育行政への提言

豊かな学校文化を取り戻し、学び合う学校にするために


子どもたちが豊かな未来を幸せに生きていくために、公教育はどうあるべきか真剣に考える時が来ている。


学校は、グローバル経済を支える人材という「商品」を作り出す工場と化している。そこでは、子どもたちは、テストの点によって選別される「競争」に晒される。そして、教職員は、子どもの成長にかかわる教育の本質に根ざした働きができず、喜びのない何のためかわからないような仕事に追われ、疲弊していく。さらには、やりがいや使命感を奪われ、働くことへの意欲さえ失いつつある。


今、価値の転換を図らなければ、教育の世界に未来はないのではないかとの思いが胸をよぎる。


持続可能な学校にするために、本当に大切なことだけを行う必要がある。特別な事業は要らない。学校の規模や状況に応じて均等に予算と人を分配すればよい。特別なことをやめれば、評価のための評価や、効果検証のための報告書やアンケートも必要なくなるはずだ。全国学力・学習状況調査も学力経年調査もその結果を分析した膨大な資料も要らない。それぞれの子どもたちが自ら「学び」に向かうためにどのような支援をすればいいかは、毎日、一緒に学習していればわかる話である。


現在の「運営に関する計画」も、学校協議会も手続き的なことに時間と労力がかかるばかりで、学校教育をよりよくしていくために、大きな効果をもたらすものではない。地域や保護者と共に教育を進めていくもっとよりよい形があるはずだ。目標管理シートによる人事評価制度も、教職員のやる気を喚起し、教育を活性化するものとしては機能していない。


また、コロナ禍により前倒しになったGIGAスクール構想に伴う一人一台端末の配備についても、通信環境の整備等十分に練られることないまま場当たり的な計画で進められており、学校現場では今後の進展に危惧していた。3回目の緊急事態宣言発出に伴って、大阪市長が全小中学校でオンライン授業を行うとしたことを発端に、そのお粗末な状況が露呈したわけだが、その結果、学校現場は混乱を極め、何より保護者や児童生徒に大きな負担がかかっている。結局、子どもの安全・安心も学ぶ権利もどちらも保障されない状況をつくり出していることに、胸をかきむしられる思いである。


つまり、本当に子どもの幸せな成長を願って、子どもの人権を尊重し「最善の利益」を考えた社会ではないことが、コロナ禍になってはっきりと可視化されてきたと言えるのではないだろうか。社会の課題のしわ寄せが、どんどん子どもや学校に襲いかかっている。虐待も不登校もいじめも増えるばかりである。10代の自殺も増えており、コロナ禍の現在、中高生の女子の自殺は急増している。これほどまでに、子どもたちを生き辛くさせているものは、何であるのか。私たち大人は、そのことに真剣に向き合わなければならない。グローバル化により激変する予測困難な社会を生き抜く力をつけなければならないと言うが、そんな社会自体が間違っているのではないのか。過度な競争を強いて、競争に打ち勝った者だけが「がんばった人間」として評価される、そんな理不尽な社会であっていいのか。誰もが幸せに生きる権利を持っており、社会は自由で公正・公平でなければならないはずだ。


「生き抜く」世の中ではなく、「生き合う」世の中でなくてはならない。そうでなければ、このコロナ禍にも、地球温暖化にも対応することができないにちがいない。世界の人々が連帯して、この地球規模の危機を乗り越えるために必要な力は、学力経年調査の平均点を1点あげることとは無関係である。全市共通目標が、いかに虚しく、わたしたちの教育への情熱を萎えさせるものか、想像していただきたい。


子どもたちと一緒に学んだり、遊んだりする時間を楽しみたい。子どもたちに直接かかわる仕事がしたいのだ。子どもたちに働きかけた結果は、数値による効果検証などではなく、子どもの反応として、直接肌で感じたいのだ。1点・2点を追い求めるのではなく、子どもたちの5年先、10年先を見据えて、今という時間を共に過ごしたいのだ。テストの点数というエビデンスはそれほど正しいものなのか。


あらゆるものを数値化して評価することで、人と人との信頼や信用をズタズタにし、温かなつながりを奪っただけではないのか。


間違いなく、教職員、学校は疲弊しているし、教育の質は低下している。誰もそんなことを望んではいないはずだ。誰もが一生懸命働き、人の役に立って、幸せな人生を送りたいと願っている。その当たり前の願いを育み、自己実現できるよう支援していくのが学校でなければならない。


「競争」ではなく「協働」の社会でなければ、持続可能な社会にはならない。


コロナ禍の今、本当に子どもたちの安心・安全と学びをどのように保障していくかは、難しい問題である。オンライン学習などICT機器を使った学習も教育の手段としては有効なものであるだろう。しかし、それが子どもの「いのち」(人権)に光が当たっていなければ、結局は子どもたちをさらに追い詰め、苦しめることになるのではないだろうか。今回のオンライン授業に関する現場の混乱は、大人の都合による勝手な判断によるものである。


根本的な教育の在り方、いや政治や社会の在り方を見直し、子どもたちの未来に明るい光を見出したいと切に願うものである。これは、子どもの問題ではなく、まさしく大人の問題であり、政治的権力を持つ立場にある人にはその大きな責任が課せられているのではないだろうか。


令和3(2021)年5月17

大阪市立木川南小学校

   久保 敬

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本日、「合理的配慮」無視裁判提訴!

2021-05-10 08:33:00 | 「君が代」裁判

本日です!大阪「君が代」裁判において、新たな裁判が始まります!



51010時半「合理的配慮」無視の戒告処分撤回訴訟 提訴!


2015年5月の免職警告付き戒告処分の取り消しを求めた裁判です。

報告集会を計画しています。オンラインの予定です。決まりましたらまた連絡します。
「国歌」の起立斉唱強制が、人権を蹴散らしていることへの異議申し立てです(奥野)

原告はグループZAZAの一員、支援学校教員の奥野泰孝さんです。


大阪におけるコロナ感染状況が深刻であることを考慮し、当日の報告集会等は開催しませんが、本裁判にご注目ください。

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田中伸尚さん著『憲法を生きる人びと』出版のご案内

2021-05-04 12:21:00 | 憲法
グループZAZAの一員であり、現職府立高校教員の増田俊道さんに取材された田中伸尚さんの新刊が憲法記念日5月3日に出版されました!!
ぜひ、皆さん、お読みいただければうれしいです。


増田俊道さんより

田中伸尚さん著『憲法を生きる人びと』が2021年5月3日に出版されました。田中さんは、『日の丸・君が代の戦後史』(2000年、岩波新書)、『ルポ良心と義務「日の丸・君が代」に抗う人びと』(2012年、岩波新書)など、私たちの先輩の反「ひのきみ」運動を丹念に追ってこられたノンフィクション作家です。

しかも、今回の出版社は、最近、下地毅さんの『ルポ東尋坊 生活保護で自殺をとめる』や、永尾俊彦さんの『ルポ「日の丸・君が代」強制』でもおなじみの「緑風出版」です。

この『憲法を生きる人びと』には、田中さんが取材された10人の生きざまが描かれているのですが、私もその中のひとりに選んでいただきました。学生のころからの被爆二世の会の活動、教員になってからの反「ひのきみ」運動、そして現在の組合活動など、とても丁寧に描写していただいています。私が生きてきた60年間を振り返る意味でも、大変貴重な機会になりました。

私以外の9人の方の生き方も、ワクワクするものばかりです。その中には東大阪で教科書問題に取り組んでおられる詩人の丁章さんもおられます。ぜひ、みなさんに読んでほしいと思い紹介させていただきました。

********************************

憲法を生きる人びと
  田中伸尚[著]
 四六判上製/272頁/2400円(2640円税込)

 日本国憲法は1946年に誕生して以来、ずっと揺さぶられつづけているが、市民のなかにしっかりと根を下ろしている。それはここに登場する10人の市民の物語が語っている。
 彼らは、海の汚染に立ち向かい、食の安全を求め、戦争孤児として国家に抗い、日本の植民地支配がもたらした分断の歴史のなかで「無国籍」を貫いて生き、思想・良心の自由を抑圧する「日の丸・君が代」に職を賭して抵抗し、親の侵略責任を背負って贖罪の営みをつづけ、生活の場を移してまで日米合作の新基地建設に反対し、南京に通いつづけて戦争とその責任を受け継ぎ、1人の法曹として憲法を実践し、天皇のための死から脱して主権者として生きる──戦後市民が戦争と敗戦によって生まれた憲法を生きて、鮮やかに闘っている姿だ。本書は、かれら憲法を生きる人びとを追った。(2021.4)

■内容構成
1 沖縄を再び戦場にしてはならないと琉球絣に惚れた越後の人(松井裕子さん)
2 海の破壊と漁村の女性史を追って「起承転々」(川口祐二さん)
3 隠された戦争孤児を追った戦争孤児(金田茉莉さん)
4 「平和の条」の輝きに託す無国籍の「在日サラム」(丁章さん)
5 南京へ通いつづける接班人(山内小夜子さん)
6 不当な命令への不服従は教員の責任(増田俊道さん)
7 食を通して大地に「平和の種」を蒔きつづける(森山幸代さん)
8 「五分の虫、一寸の魂」で実践する(岩場達夫さん)
9 父の侵略責任への自責と贖罪に生涯かける(吉岡数子さん)
10 「元・戦争ロボット」の主権者革命(原田奈翁雄さん)    
あとがき





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