「君が代」不起立処分を受け、現在人事委員会に不服申立最中の当該者を大阪府教委は再任拒否をしました。
これを思想弾圧でないと言うなら、府教委は、再任拒否の理由を府民に対して明確に説明する必要があります。
東京の方々をはじめ全国からわきあがる声は大阪の私たちにとって何よりもの激励となります。
渡部秀清さんからのメールを掲載します。
<転送歓迎>(重複ご容赦)
・「都教委包囲首都圏ネットワーク」
・「新芽(germinal)ML」
の渡部です。:
前回のメールで、2月19日、大阪府教委は、
枚方なぎさ高校教員・辻谷さんの再任用を拒否したことを
報告しました。
2月20日、それに対する抗議行動が行われました。
その様子を知っていただくために2通のメールを紹介します。
すでにこれらは他のMLなどで流れていますので、
先に私の感想を述べておきます。
ここには、
①大勢で抗議に押しかけられ戸惑っている大阪府教委、
②再任用拒否の理由を明確に示すことができない大阪府教委、
の様子がよく表れています。
ここから分かることは、
・不当なことに対しては黙っていないで大衆的に押しかけることが
重要だということ。(大きな改革・変革はいつもこのようにして始まる)
・理由を明示できないのは、<天皇主権・天皇制賛美の『君が代』
の強制に従わなかったから>とは公言できないからだということ。
体罰は基本的人権を踏みにじるものですが、
「日の丸・君が代」強制と処分は、
基本的人権を踏みにじるだけではなく、
天皇主権・天皇制賛美を強制し、
国民主権をも権威・権力によって暴力的に踏みにじるものです。
まさに許しがたい暴挙と言わざるを得ません。
まず、辻谷さんからのメールです。
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本日、支援にかけつけてくださった方々、
また、抗議のメール等で支援してくださった方々、ありがとうございました。
多くの方々との連帯を感じつつ、 この問題は私一人の問題ではないと改めて思いました。
さて、今夕の「交渉」について簡単に報告します。
多数の支援者と共に5階府教委の部屋へ。
まず、人事課N管理指導主事が対応し、 部屋内は執務中であるので、
部屋の出口で行いたいとの声に非難の声多々。
やむなく、そこで説明を受け始める。
(まぁ、しゃあないか、でも支援者と一緒に聞けるし、 それはそれで心強いので良しとする…)
ところが、同じ人事課K管理指導主事らが現れ、 部屋を用意したので、
そこで本人のみに説明したいと。 立ち合いは全く認めないとの声に、
これまた非難ごうごう。
(ちゃうやん!それ)
そこに人事課吉岡参事が現れ、 本人以外は一切立ち合いを認めないとの声に、
それなら、そもそも、N主事が、出入口で多数が立ち合うなかで、 説明を始めたのはどうしてか?の声に
説明できず。ついには、吉岡参事、N主事の対応が間違ってい たのだと。
(一言の謝罪のことばもない)
しかし、一応理由は聞くつもりだったので、やむなく、 辻谷一人で説明を聞くことに。
吉岡参事「記録者として、もう一人主事の同席を了承してほしい」
辻谷「それなら、記録のコピーをいただきたい」
吉岡参事「いや、記録者ではなく、立ち合いということで」
(もう、なんなん。それやったらこっちも認めてよ、 やむなく1対2で)
辻谷「理由について説明いただく前に、先ほどの対応について、
出入口のところで説明するといいながら、 それは間違いだったではすまない。
公的機関が対応について間違いを犯したからには、 文書で謝罪をいただきたい」
(若干の問答の末)
吉岡参事「検討はする」
(さて本題)
辻谷「私は昨春の入学式君が代不起立で処分を受け、 人事委員会に不服申立を行っている。
今回の再任拒否について、多くの府民やまた教員は、 それが理由だと思っている。
府教委は、それが理由なのか、またそれが理由でないなら、 納得できる説明をする責任が ある。
拒否の理由は何か聞かせていただきたい。」
吉岡参事「勤務実績、勤務意欲、 心身の状況等から総合的に判断した」
辻谷「ちょっと待ってくれ。昨日、 校長を介して聞いた理由と異なる。
昨日校長を介して聞いた理由は、
勤務実績、勤務意欲、専門的知識等、 心身の状況から総合的に判断した、だ。
なぜ、異なるのか、どちらが正しいのか?」
(吉岡参事、怪訝な顔。まるでどっちでもいいやんっていう表情)
辻谷「再任拒否の理由は正確を期したい。まずは正確かつ明確な理由を確認した上で なければ質問はできない。
二点要望する。
再任拒否の理由は、 昨日聞いた説明と本日のY参事の説明のどちらであるのか?
また、何故、このような異なる説明になったのか? 説明を聞きたい」
吉岡参事「了解した。後日校長を通して日程調整を行い、返答する」
ということで、三点の回答待ち、「交渉」は継続です。
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次は支援者からのものです。
5:30に府庁別館1階ロビーに集合し、
入試業務で遅れた辻谷さんを待って、5:50に5階の教職員人事課へ。
駆けつけた人、ざっと50~ 60人。
その人事課の入り口で、出てきたN管理指導主事に、
「なぜ、再任用を不合格にしたのか?説明してほしい。 部屋を用意して説明して下さい。」
と言うと、そのN管理指導主事は、「中は、執務中なので、 ここで話を聞きたい。」と言う。
「じゃあ、ここで。ここの方が、みんなに聞いてもらえるので、 それでいい。」と辻谷さんが言ったので、
教職員人事課の入り口で話を聞くことになった。
私たち50~60人は、狭い廊下を立錐の余地なく、
いや、 ちゃんと廊下の中央は空けておりましたが、
廊下で、いっしょに話をきくことになりました。
辻谷さんは、「『君が代』不起立で戒告処分を受けたために、 再任用を不合格にされたのか、どうか?」
と聞きました。
何も答えない。「判断したのは、校長があげた『 内申書』によってか?」と聞くと、
「基本的には、校長の『内申書』でで判断している。」「 その詳細については、答えられない。」
と言う。
でも、この人事課の入り口でのやりとりは、 いいものです。
廊下にいる私たちが、すぐに「おかしいやないか」等、すぐ、 口々に、穏やかにではありますが、
質問と意見を言うことができるからです。
なかなか、 こういう意見を府教委に対して言える場がない、
言いたいことを口々に、だが、穏やかに言える、 またとない機会を提供してくれました。
それに気づいたのか、話の途中で、人事課の中から、別の人物、K 管理指導主事が現れ、
「部屋を用意したので、そこで本人のみに説明したい。」 と言ってきました。
ここで話をすると言ったのは、府教委でした。当然、 わきあがる疑問の声。
そして、「立ち合いは全く認めない。」というのです。「2年前、 3年前には、立ち会い人も入れて話したはずだ。」の声。
だが、「今年は、ダメだ。」と言う。「何で、変わったんや。」「 いつから、変わったんや。」の声。
そして、なんと、入り口の扉には、「 立ち会いは3人までにして下さい。」の張り紙まで、 厳としてあるのに、です。
そして、ここで、なんと、また、別の人物、吉岡参事が現れました。 おもしろくなってきました。
府教委のドタバタぶり、右往左往ぶりが、よく分かりました。
そして、なんと、そのY参事は、顔を鉄面皮にして、
「今日は、時間が遅いから、お引き取り下さい。ご本人には、 後日、校長を通じて連絡し、きちんと説明しますから。」
と言うのです。「ええっ、なんでや?」「時間が遅くなったのは、 誰のせいや。」の声。
そして、辻谷さんが、「そちらが、今日、 説明すると言ったのだから、今日、聞きたい。」と言うと、
「8階の部屋で説明する。」と言うが、「 本人以外は一切立ち合いを認めない。」と言う。
「それなら、そもそも、N主事が、 出入口で多数が立ち合うなかで、説明を始めたのはどうしてか?」 の声。
吉岡参事は、説明できず。ついには、 N主事の対応が間違っていたのだと。だが、 廊下の私たちの質問と意見はつきない。
ここで、辻谷さんが、「理由は聞くつもりだったので、やむなく、 辻谷一人で説明を聞くことにする。」と言う。
そして、辻谷さん、松村さんは、8階へ。そして、 8階へ向かう階段に、警備員が立つ。
私たちが、そこで、待っていると、外に出ろと言ってくる。 そして、警告1回め、2回めと数え出す。
私たちは、仕方なく、外に出る。外は、冷え込んでいる。だが、 そこで、私たちは、寒空をついて、
「辻谷さん、がんばれ!」「松村さん、がんばれ!」
「再任用不合格を許さないぞ!」「『君が代』 不起立による処分を許さないぞ!」のシュプレヒコール。
外に追い出さなかったら、シュプレヒコールなどせず、 静かに廊下で待っていたものを!
そして、しばらくして、辻谷さん、松村さんが、 府庁別館から出てくる。
そこで、報告を聞く。向こうの説明は、ほんの少し。後日、 なぜ不合格にしたかの説明が、またあると言う。みなさん、また、府庁別館、教職員人事課に、辻谷さん、 松村さん応援のために集まって下さい。
さらに、昨年3月、卒業式の『君が代』不起立を理由として、 豊中市の小学校教員Sさん(ZAZAの一人)も再任用の不合格通知を受けている。 この豊中市教委への抗議行動も、近々あります。 豊中市にも抗議へ!
『君が代』不起立したら、再任用はダメなのか?それほど、重い「 罪」なのか?
逆だ!「不起立は、思想・良心の核心の表出」だ!(最高裁、 宮川裁判官)
『君が代』不起立は、「教え子を戦場に送らない」と決意した、 教育労働者の良心にもとづく行動だ!
正義と不正義を逆さまにする、府教委の処分と再任用拒否に、みな さん、怒りの声と行動を!
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結局、交渉は継続、以下の三点
①府教委の対応の間違いに対する文書での謝罪、
②校長と府教委が言っている理由が違っていることについて、
③どうしてそうなったのかについて、
の回答待ちとなったようです。
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この「One for All ! All for one !」のメールは、
この春の東京都の入学式でたった一人の被処分者になった
田中聡史さんの闘いを支援し、処分を食い止めるためのものです。
11月7日の東京高裁判決は田中さんにも有利に働くと思います。
(第二次安倍内閣の右翼反動ぶりが気になりますが)
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「千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
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