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「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

「国歌斉唱拒否」のキャパニック選手は日本人でなくて幸運だった!

2016-09-16 17:12:01 | レイバーネット
レイバーネットから転載させていただきます。このきじからも、世界が、現在に日本すなわちかくも「君が代」を強制する国をどう見ているかがよくわかります。


http://www.labornetjp.org/news/2016/0916us


「国歌斉唱拒否」のキャパニック選手は日本人でなくて幸運だった!

     レイバーネット国際部

*『フォーリン・ポリシー』の記事
 9月15日に発行された米国の外交問題隔月刊誌『フォーリン・ポリシー』に、英国ジャーナリストの記事が載った。タイトルは、「コリン・キャパニックは日本人でなくて幸運だった」。コリン・キャパニック選手はアメリカプロフットボールのスター選手で、8月26日、試合前の国歌斉唱セレモニーで起立を拒否した。かれはその理由を「黒人や有色人種を抑圧するような国の国旗に敬意は払えないので起立はしない」と語っている。これについてオバマ大統領が「彼の真摯さを疑っていない」と擁護するなど、全米で論争が広がっている。

 『フォーリン・ポリシー』にこの記事を書いたのはアレックス・マーシャル氏で、日本の「君が代強制」問題に詳しい。この記事でも「戦場に再び教え子を送るな」と軍国主義のシンボルである「日の丸・君が代」に反対してきた日本教員組合の歴史を紹介しながら、とくに「君が代不起立」で「解雇手前」の重い処分を受けた根津公子さんのケースを詳述している。

 思想・良心の自由を認めず、強制処分を行うようになったのは、2003年の東京からだとして、記事では、「右翼の石原慎太郎氏が知事になると強制がはじまり、教員が処罰されるようになった。その流れは大阪の橋下府政につながっている。そのため多くの教員は拒否をやめたが、根津さんは拒否を続けたため、停職処分や遠隔地の転勤命令などの処罰を受けていた」「ほとんどの日本人はいまやこうした国歌強制の政策を受け入れてしまったが、それは日本がナショナリズムにシフトしていることを示している」と論評している。

 外国から見えるいまの日本は、思想・良心の自由を抑制して国家主義に急旋回する姿だった。

 また記事では根津さんの感想も引用されている。「コリン・キャパニック選手はわずか28歳。私が処分覚悟で不起立を始めたのは50歳代で、そのときは子育ても終わっていた。もし自分が20代だったらとても行動は起こせなかっただろう。だから、キャパニックさんの行動に、私は深く感銘を受けた」と。

 築地移転問題でも馬脚をあらわした石原元都知事だが、「日の丸君が代」強制の罪も忘れてはならない。世界はみている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●『フォーリン・ポリシー』誌
カーネギー国際平和基金が発行する米国の隔月刊誌。1970年創刊。アメリカ外交政策研究の有力誌で、日本の岸田外務大臣が2015年に「ISIL問題」で寄稿したこともある。
↓『フォーリン・ポリシー』の原文記事
https://www.yahoo.com/news/colin-kaepernick-lucky-not-japanese-191749765.html

●アレックス氏は、『Republic or Death!: Travels in Search of National Anthems(共和か死か!~世界国歌の旅)』(2015年)著者でもある。

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声を上げること~福田和香子さんと根津公子さんとの出会い

2015-07-13 11:51:27 | レイバーネット
そうだったんですか‼️嬉しい!です。


声を上げること~福田和香子さんと根津公子さんとの出会い

                佐々木有美

 7月11日の「朝日新聞」朝刊社会面に、戦争法案に反対する「声を上げる若者たち」 という特集があった。和光大学4年の福田和香子さんの記事を読みすすむと、次の ような件があった。<中学の頃、式典で君が代を歌わない教諭がいた。朝夕校門前 に立って、歌わない理由を話す。「やばくない?」と薄く笑う友達。見ぬふりをす る学校。彼氏の目を気にして、通り過ぎた自分。> これは、根津公子さんのことに 違いないと即座に確信した。

 9年前、根津さんは、立川から町田の中学に異動。「君が代」不起立で、停職3 ヶ月の処分を受けていた。転任早々の4月から3ヶ月、授業を許されない根津さん は、毎日校門前で、生徒や道行く人に「君が代」強制のおかしさを訴えた(写真)。「不起 立」の根津さんに、地域ぐるみの嫌がらせやバッシングが相次いだ。近所の通報で 警察が来たこともある。子どもたちもその影響を受けて、「ルールを守らない教員 は出て行け」などという言葉を投げつけた。

  そんな根津さんに、福田さん(写真右)は、強烈な印象を持ったのだろう。多分、話しかけ たかったけれど、人の目を気にしてできなかった。その彼女がいま、次のように語 っている。<大学2年の時に、特定秘密保護法案に疑問を持ち、国会前に座り込ん だ。活動を始めると、離れる友達もいた。でも、声を上げる。「何を言ってもい いはずの民主主義の国で、何も言おうとしないのは絶対いや」>周囲からバッシン グを浴びながらも、おかしいことはおかしいといい続けた根津さんの姿が、多分現 在の福田さんを支えている。

*根津公子さんの停職出勤を描いた作品『君が代不起立』DVDもあります。こちらへ。

Created by staff01. Last modified on 2015-07-13 10:35:26 Copyright: Default
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画期的判決!勝ったぞ!~東京高裁(須藤典明裁判長)が根津さん「停職処分」取り消し

2015-05-29 15:55:52 | レイバーネット

レイバーネットから転載します。やった~!勝ったぞ!うれしい!

 

画期的判決!勝ったぞ!~東京高裁(須藤典明裁判長)が根津さん「停職処分」取り消し

 

 5月28日、東京高裁は、根津公子さんに対する2007年3月30日に出された卒業式における「君が代不起立」停職6か月処分について、地裁判決を覆し処分取り消しの判決を出した。また根津公子、河原井純子さんに対する損害賠償についても地裁判決を覆し、10万円の賠償を都教委に課す判決を出した。

 判決が言い渡される824号法廷に参集した弁護士、控訴人(根津さん、河原井さん)そして傍聴者42名のほとんどが、根津さんの処分が覆るとは思っていなかったのではないか。裁判が始まる数分前まで「また控訴棄却。判決いいわたしは30秒ぐらいかな」「都教委はすでに判決を知っているのではないか。だって石津弁護士も来ていないし、来ているのは見慣れない若い女性が一人だけだ。判決文だけもらいに来たのだろう。都教委はこの裁判を馬鹿にしているのか」など、そこかしこから悲観的で、悔しさのにじむ声が聞こえていた。

 2時30分、左右陪審を従えた須藤典明裁判長が入廷してきた。また「棄却」と言い、そそくさと退散するのだろうとだれもが思った。しかし須藤裁判長はゆっくりと着席し、傍聴席を見まわし、おもむろに「主文読み上げ、判決要旨を述べます。静かに最後までしっかり聞くように」と述べたのだ。「え!どういうこと?」。勝訴するなど思いもよらないと、その時も信じて疑わない傍聴席は、不思議な雰囲気に包まれた。裁判長「主文、控訴人らの控訴に基づき、原判決中、控訴人らの敗訴部分を取り消す。根津さんに対する懲戒処分を取り消す」。「根津さん勝ったの。本当」まだ疑心暗鬼。みんなも、なんとなくもやもや。

 裁判長が判決要旨を読み上げる。そして10数分要旨に解説を入れながら読み上げる。まだ事態を飲み込めない傍聴席は裁判長の説明に食い入るように聞き入っている。私もしかりで、根津さん、河原井さん、そして弁護士の様子をうかがうも喜びの表情はなく、途中「棄却、・・・棄却・・・・棄却」と裁判長が述べるのを聞き、もしかして根津さんらの控訴が棄却されたのではと不安になる。

 「根津は停職3ヶ月処分を受けたのち、『停職出勤』と称して鶴川2中、や立川2中などに赴き、『処分は不当』などとプラカードを掲げた。しかしこの行為が具体的に学校運営に妨害を与えた事実はない。また勤務を外されているのであるから、勤務の妨害などは当てはまらない。6ヶ月処分は均衡を逸した加重処分と言わざるを得ない。また停職期間の上限は6月とされており、残されているのは免職だけであり、多大な圧力を根津にかけることになる。以上述べてきたようにこの処分は、処分に値する十分な根拠もなく、裁量権の合理的な範囲を逸脱している。この処分は不当である」

 「国旗・国歌法制化の国会審議で、内閣総理大臣、文部大臣が『学校における国旗・国歌の強制は、憲法が保障している思想・信条を侵害してはならない。処分は機械的、一律的にしてはならない』と答弁しているのを都教委は熟知していたにもかかわらず、国歌斉唱時に起立しなかった教職員に、職務命令違反として、1回目は戒告、2回目は給与1月の月額10分の1カット、3回目は6月の月額10分の1カット、4回目は停職1月、5回目は停職3月、6回目は停職6月の各処分を機械的に運用してきた。これは国会答弁に違反し、なおかつ被処分者は最終的に職を失う。憲法に保障されている思想・信条を侵害することになり、控訴人に多大な精神的圧力、損害を与えたことになる。東京都は損害賠償10万円を支払うのが妥当である。」

 傍聴席から「勝訴したんだ!」「やったー!」と拍手が起きたのであった。

 急遽行われた記者会見では、いつにもまして大手報道記者(NHK、読売、朝日、共同などほか)が集まり充実した報告がなされた。すでに共同通信、朝日新聞、NHKテレビ、東京新聞、地方新聞などがこの判決について報道していることは周知のことと思う。

 最後に判決直後の根津さん、河原井さんの喜びの声を載せておく。根津さん「本当にうれしい。こんなことが起こるとは夢にも思わなかった。長い間闘ってきてよかった。この判決は今も不起立を続ける田中聡史さんや他の教員に対して、背中を押すのは確実だと思う。都教委はその人たちを懲戒免職にはできない。みなさんありがとう。」

 河原井さん「本当に良かった。この裁判で都教委は根津さんと河原井を分断し運動を衰退させることを目論んでいたと思うが、その目論みを打ち破ったことがとっても嬉しい。しかし職務命令は合法とされた。そして減給処分前の戒告処分は合法とされた。これを打ち破らないと真の勝利とは言えない。しかし一歩一歩前進していると思う。今日、もしかしたらと思い“逆転勝訴”の垂れ幕を書いてきた。この垂れ幕を裁判所前で誇らかに掲げることができて満足です。」

 勝利判決後、裁判所門前で、河原井さん手製“逆転勝訴”の垂れ幕が、岩井信弁護士によって掲げられた。

 また「河原井、根津らの『君が代』解雇をさせない会」からサプライズで、根津さん、河原井さんに祝福と今後も抵抗を続けてくれることを願い、白バラが贈られた事を報告しておく。(解雇させない会・佐藤茂美)

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教育にとって一番大切なものは何か?~「河原井・根津『君が代』処分取り消し訴訟」が結審

2015-03-27 11:16:39 | レイバーネット

教育にとって一番大切なものは何か?~「河原井・根津『君が代』処分取り消し訴訟」が結審

                 佐々木有美

 

 教育にとって一番大切なものは何か、そんなことを考えさせられた結審だった。3月26日、河原井・根津「君が代」処分取り消し訴訟(2007年度事件分)は控訴審の結審を迎えた。一審判決は、根津公子さんの停職6ヶ月は是認されたが、河原井純子さんの停職3ヶ月は取り消し。ただし損害賠償は棄却された。満杯の傍聴席の前で二人の意見陳述が行われた。根津さんは一審判決で、1994年の「日の丸」降ろし事件を、処分適法の一つの根拠とされた。「学校の起立と秩序」を害したというわけだ。彼女は陳述で、東京都の人事委員会審理での同僚・保護者の証言を紹介しながら、「学校の起立と秩序」を害したのは実は校長であったことを立証した。

 当時の石川中学では、広島への修学旅行や平和教育が行われていて、生徒は「日の丸」についても歴史の事実をもとに自分で判断していたという。約束をやぶって「日の丸」を揚げた校長に生徒たちは猛烈に反発し、根津さんに降ろすように頼んだ。根津さんは「私が『日の丸』を降ろしたのは、『日の丸』に反対だからではありませんでした。教育委員会の『指導』に従うことを最優先し目の前のいる生徒たちは犠牲にする、そのような校長の行為を看過したら、石川中の民主主義、生徒を大事にする学校が壊れると思ったからです。子どもたちの声を聴き、教職員みんなが真剣に考え、議論した結果に基づいて教育に当たるという、『石川中学校の起立と秩序』を守るためでした」と述べた。

 河原井さんは、最初に勤務した学校の校長の発言を紹介した。「私は職務命令は出しません。学校に教育に職務命令はなじまない。論議して論議してお互いに結論をみつけていきましょう」と言った校長は、「教育の自由」を排して、ひとつの価値観を命令で強行し教え子や我が子を戦場に送ってしまった過去を反省していたという。「『教育の自由』は、『教育活動の命』です。『子供たちや青年たち教員たちの命』です。・・・『教育の自由』を奪うことは全ての命を抹殺することです。決して許すことはできません。」と河原井さんは語った。

 二人の陳述からは、教育の場で「議論」や「自由」や「民主主義」がいかに大切なものであるかがよくわかる。そしてその対極にあるのが「日の丸」「君が代」の強制であることも。東京で強制が始まって12年。職員会議の採決は禁止され、学校から議論がなくなった。奪われたものの大きさを考える。

※控訴審判決は5月28日(木)午後2時半から824号法廷。

 

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「田中さんの尊厳を尊重して」~都教委の「不起立」事情聴取に抗議

2015-03-23 18:40:36 | レイバーネット

「田中さんの尊厳を尊重して」~都教委の「不起立」事情聴取に抗議

                          佐々木有美

    *写真=事情聴取で都教委に呼ばれた田中さん

 このおだやかさと屈しない精神はどこから来るのだろう。連続「君が代」不起立の田中聡史さんと会うたびに思うことだ。都教委は3月23日午前9時半から、19日の卒業式に不起立をした田中さん(都立板橋特別支援学校教員)に対して都庁で「事情聴取」を行った(「事情聴取」は処分前提の手続き)。9時頃には、「君が代」解雇をさせない会、全国ネット(準)、被処分者の会などの元教員、市民が20名ほど集まり、都教委への抗議と田中さんへの激励を開始した。



 支援者たちは都教委人事課で、「事情聴取」と処分の中止を要請しようとした。待たされたあげく出てきた職員は「担当者がいないので対応できない」の一辺倒。それでも対応を求めるとやっと主任管理主事が現れた(写真右)。「事情聴取も処分も人権侵害だ」「都のやり方は異常だ。都民の声を受け止めてほしい」「最高裁判決では減給以上の処分をしてはならないことになっている。(田中さんは減給処分を4回続けて受けている)。司法を尊重して」などの声が相次いだ。



 事情聴取に使われる別室(写真上)の前でも、支援者たちは管理主事に「事情聴取はやめて」「田中さんの尊厳を尊重して」「聴取は公開してほしい」など、9時半間際まで要請。時間になり入室する田中さんを激励して、部屋の前で待機した。職員も3人、ドアの前を固くガード。10時16分、いつものように穏やかな表情で田中さんが出てきた。部屋のカギはまたすぐかけられた。この後、校長の「事情聴取」が行われたもようだ。

 「事情聴取」は前述のとおり密室で行われる。管理主事、記録係など都教委側が3人。それに校長と本人だ。経験者に聞いたところ、氏名、所属、不起立したかどうか、校長の「起立」を命じる職務命令があったかどうかなどが聴取されるという。警察の取調べにも似た事が、都庁の一角で行われているのだ。


  *写真=別室前で「事情聴取」を見守る支援者

 「思想・良心の自由」「教育の自由」を死語としたい都教委にとって、そして安倍政権にとっても、田中さんの不起立は喉に刺さった1本のトゲだ。その意味で田中さんの闘いは、この国の自由を守る最前線の闘いでもある。処分は今週の木曜日(3月26日)の都教委定例会にかけられ決定されることになる。抗議・要請先は以下のとおり。

●都教委総務部情報課(都民の声を聞く担当)電話03-5320-6733 FAX03-5388-1726
●人事部職員課服務係(処分を発令する担当)電話03-5320-6792

*動画準備中

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