グループZAZA

「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

戒告処分取り消し共同訴訟控訴審判決について:三輪晃義弁護士からの寄稿:校長の良心

2019-05-24 14:29:33 | 「君が代」裁判
昨日の判決について、本件訴訟の主任弁護士である三輪晃義弁護士より分析・解説の寄稿をいただきました。みなさまにもご紹介いたします。ぜひ、お読みください。

なお、私たち7名の控訴人はすでに上告の意思を確認していますので、引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

2019年5月23日,不起立戒告処分取消共同訴訟の控訴審判決が言い渡されました。

まず注目すべきは,井前さんに対する戒告処分が取り消されたことです。

裁判所は,井前さんが勤務していた高校の校長(当時)が有効な職務命令を発していなかったと判断しました。

これは一見すると,校長のミスによって井前さんが救済されたようにも見えます。しかし,校長が職務命令を発しなかったのは単なるミスではありません。信念をもって起立斉唱しない意向を表明していた井前さんに対して,校長は職務命令を発することができなかったのです。

なぜ職務命令を発することができなかったのかについて,校長から明確な供述はありませんでした。しかし,校長は教育者としての良心が咎めたのではないか,と私は考えています。

府立高校の校長の中には,教育者としての良心に照らして君が代起立斉唱の職務命令なんて出したくないと考えている人がたくさんいるはずです。

今回の控訴審判決は,起立斉唱の強制が教育に携わる人々の良心を踏みにじることを改めて浮き彫りにしたものだといえます。

そして,井前さん以外の皆さんについての請求は認められませんでした。

この点については,代理人弁護士として到底受け入れることはできません。

大阪府では全国的に見て異常な形で教育現場に国旗と国歌が持ち込まれています。

国旗国歌条例と職員基本条例によって,起立斉唱しない教員を教育現場から排除するシステムが構築されているのです。

控訴審判決はこの大阪の異常性に正面から向き合っていません。

裁判所は,上からの指示に唯々諾々と従う教員だけが残された教育現場をよしとするのでしょうか?

そのような学校で,主権者として身につけるべき批判的精神が養われると考えているのでしょうか?

最高裁では改めて大阪の異常性を主張し,全ての戒告処分の取消しを求めていきます。

引き続き,ご支援よろしくお願いします。


弁護士  三輪 晃義 (みわ あきよし)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2019.5.23. 「君が代」不起立... | トップ | 井前処分を撤回させる会」事務... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

「君が代」裁判」カテゴリの最新記事