「志」の英語教育

英語教育実践について日々の雑感を語ります。

Need another 1100 words?

2008-02-20 22:00:10 | 語彙
もう10年以上前になるが、Barron'sの1100 WORDS YOU NEED TO KNOWという本を入手し、楽しく効果的に語彙を拡大することができた。語彙レベルはおそらく7000~ 8000なので高校生にはちょっと無理だが。

この本はいろいろな点で工夫が見られる。まず、1週間単位で単語を覚えられるということ。学習者は1週間で完結する連続したストーリーを読みながら、その中に出てくる語を1日に数個ずつ覚える仕組みになっている。

ストーリーの下にはターゲット語とその定義をマッチさせる問題、ターゲット語を単文に挿入させる問題が載っている。おまけに、1日一つずつイディオム表現も載っている。

週末にはその週学んだ語を網羅する確認テストがある。さらに、より大きな確認テストがより大きな区切りであり、巻末には全範囲の確認テストもあるといった具合。

特筆すべきは、ターゲット語が後に出てくるストーリーの中に何度も繰り返し出てくること。これにより自然な復習ができる。おかげで比較的楽に英検1級の1次を突破できた。今でも語彙力アップのアドバイスを求められればこの本を薦めることにしている。

語彙レベルは高いが仕組み自体はとてもよくできているので、同じ発想の語彙学習教材が日本の高校生向けレベルで日本の出版社から出ればいいのにと思っていたものだ。


時は流れて10+α年後。生徒の語彙学習については2年の後半までにある程度のめどをつけさせたいと考え、1年の夏休み前から単語教材を持たせることにした。採用したのは比較的新しい桐原書店のネクステージ、リピート英単語。

この教材の特徴は単語ごとに例文がついていること。そして、学習が進むほどに例文中にその回のターゲット語より前に学んだ語が現れるよう配慮されている。さらに、別冊でCDつきの例文集も販売されている。これも工夫次第でいろいろ活用できそうだ。

例文自体のクオリティが今ひとつだったり、ストーリーがないことなどまだBarron's社に追いついたとは言えないが、それでも着実な進歩を感じさせる。語彙教材も「でる単」から30年そこらでずいぶん様変わりしたものだ。

(パッセージ付き単語集では音読英単語もあるが、個人的にはパッセージ自体がイマイチという印象)