「志」の英語教育

英語教育実践について日々の雑感を語ります。

「学びの共同体」・・・その1

2009-02-08 11:34:31 | 協同学習
昨年度の後半に音読を中心にした授業から、「読みの深さ」の追求を中心とした指導へと方針を転換した。ドリルやトレーニングへの過大評価を見直し、「考える」という「学び」の根本的となる行為の重要性を再認識したのである。

その過程でグループワークを本格的に導入した。ひらめいたアイディアを友人と交換することにより、その論理性をより客観的に検証できるはずだと考えたのだ。このスタイルはジョークの「落ち」を考えるという課題からはじめたのだが、自分の予想以上にうまく機能した。(詳しくは過去ログをどうぞ)

http://blog.goo.ne.jp/zenconundrum/e/dd7286bb792cef17f08820b19bc823bd
http://blog.goo.ne.jp/zenconundrum/e/714fcebce2740276f56a3d833d7cef21

「落ち」を見抜くためにはそれまでの話の展開をしっかり読み取る必要がある。そのためには、そこにたどり着くまでの質の高いリーディングが要求される。そして、自分の理解が正確であるか検証するため、友人と内容の濃い意見の交換が行われる。

さらに、グループで話し合うことにより、英語力の「知識」の面が不足していても、友人の助けによってカバーされるので、英語が苦手な者にも論理性さえあれば、真っ先に正解にたどり着けるチャンスがある。これは、普段の授業で達成感を得にくい者にとっては非常に大きな動機付けに繋がる。

しかしながら・・・、

グループワーク指導の洗練度には課題が残った。グループワークに関してそれなりのよい感触は得たものの、同時にいくつかの疑問が沸いたのだ。

基本的なところで言えば、グループは何人がよいのか、グループはどのような組み方がよいのか、グループワークにどれだけ時間を割いたらよいのかなど。そして、もっと根元的な疑問として、与えた課題がグループで解決できなかった時に、どのような展開に持って行けばよいのか。

そのような疑問に対する解決の糸口を探していて「学びの共同体」に大きな興味を持つようになった。そんな中で、歩いていける距離にある中学校で研究大会が行われたのは願ってもない幸運だった。

「学びの共同体」は、今、大きなムーブメントとなりつつある。しかし、率直に言えば、9割方賛成だが、若干の疑問点も残っている。相手があまりにも大きすぎるので、これまでここでは避けてきたのだが、今回の研究会を機に何度かのシリーズでこの話題について触れてみたい。


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