「志」の英語教育

英語教育実践について日々の雑感を語ります。

センター試験は怖くない? その2

2008-10-06 06:50:18 | テスト
センター型模試や演習の際のアドバイスからの続き・・・

センター試験の良問とは
 言うまでもなくセンター試験は大学への入学を志願するものを選別するために使われる試験である。大学は力のある学生が欲しいので、センター試験に期待されるのは、力のある受験生は高得点を取れ、力のない受験生は高得点が取れない問題である。当たり前のことのようであるが、これが意外と大切なことだ。下らない引っかけ問題や、裏をかいた問題は原則的に出せないということになる。
 
 例えば、広告の問題で表にあるそのままの数が正解になるような問題を作ったとする。そうすると、その他の可能性を考慮した上でその数字を選んだ受験生と、単にその数字があったからというだけでその数字を選んだ受験生に同じ評価が下ってしまう。これは、センター試験の役割を考えれば非常に拙いことだ。

センター試験では「言い換え」がポイントになる。
 実は数字に限らず、問題文中にでてきた表現をそのまま用いた選択肢は誤答である可能性が高い。理由は数字の場合と同じである。本文中に出てきた言葉と同じ言葉があるからという理由で選択肢を選ぶのは、問題が解けない受験生がいかにも用いそうな手段である。そのような受験生に得点を与えるのは好ましいことではない。

それではどうするかというと、言い換えを用いるのだ。逆に言えば、言い換えが用いられている選択肢は正答である可能性が高いことになる。

言い換えの方法1・・・品詞を変える。例えば本文中では動詞で用いられている言葉を名詞に置き換えて表現する。ただし、この手法は比較的簡単なため、誤りの選択肢(錯乱肢という)に使われる場合も多い。

言い換えの方法2・・・同意語を使う。このパターンはよくあると思う。例えば、put up with をstandやbearに置き換えるなど。逆に言えば同意語に置き換えられた場合にその語を知らないと正解にたどり着けない。センター型問題では選択肢中に使われる語で知らないものがあると致命的になる。語彙力を鍛えるべし。

言い換えの方法3・・・反意語を否定する。例えば、「テレビを見るときには部屋を明るくしろ」であれば、「暗い場所でテレビを見るな」という言い換えが考えられる。

言い換えの方法4・・・上位概念を使う。以前のエントリーにも書いたので参考にしてください。http://blog.goo.ne.jp/zenconundrum/e/b71a855aa942b3b3373d5cfe434ce5eb

センター試験は怖くない? その1

2008-10-05 17:09:07 | テスト
センター型模試や演習の際のアドバイスから・・・

1 センターで大切なのはスピード
 以前のエントリーでも書いたが、今のセンター試験では早く解答することが大切。目安は、第1問+第2問で15分弱、第3問で20分強、第4問+第5問で20分強、第6問で20分強。「センターの失敗」は時間配分を誤り、後半の読解問題に十分時間が割けなかったということとほぼ同義。それ以外は単なる実力不足かおっちょこちょいだ。

2 センター読解で要求される力とは
まず第一に、大切なところを拾って読む力、すなわち要約の力。スキミング。二つ目に、必要な情報を検索し、どこにあるかを素早く突き止めて読む力。スキャニング。そして、文の自然な流れを意識しながら読む力、先の展開を正しく予想しつつ読む力。談話の力。

3 センター第5問は
各パッセージの後半に答えの鍵となる情報が含まれる。前半に鍵が出たのでは大量の文章を受験生に読ませることができないので後半に置くのは当たり前。

4 センター第4問は
広告や図表に出てきた数は、原則的にはそのまま答えになることはない。それが答えになるようなテストで測れるのは、数字が認識できるかどうかという能力になってしまう。そのため、必ず計算が関わってくる。計算は「掛け算と引き算」など2重になっている場合があるので十分注意すること。(しかしながら、昨年正答率が低かったことを考えると、今年の問題は比較的単純な計算かもしれない)

We will be waiting for you.

2008-10-04 14:24:37 | その他
10月にアメリカから友人が日本に来るという話があり準備を進めていたところ、来日の予定がキャンセルになってしまった。ここ最近は、忙しい日々を送っているので残念ではあるが、正直に言えばホッとしたという思いもないではない。

近況を詳しく知らせたいと思いはするが、ここのアドレスを教えても意味がないので、どこかで密かに英語のブログでも始めようかと考えている。

とりあえず友人にはメッセージボードを持たせた子供たちの写真を送っておくつもりだ。(このアイディアはベネッセ社のセンター対策問題集の長文問題からヒントを得ました)

「議論」はキライです

2008-10-03 22:19:34 | その他
私が本を読んだり、研修に参加したりするのは、あくまでも現状の自分の課題を乗り越えるための方法の模索であり、自分の力を向上させるためである。だから、どんな本を読んでもすべてを受け入れるということはまず無いし、聞いた話を丸ごと自分の指導に取り入れることはない。

英語を教える他の先生と話をする場合でも、しばらく話せば大体その方が、どちらを向いてどのような指導をされているか分かるので、その判断に応じた話し方をする。(これはその方に対しぞんざいな対処をするという意味ではなく、誠意は持ちつつも価値観の摺り合わせは強要しないという意味です)

つまり、何に対しても一定の距離を保っているわけだ。議論の多くは無益だと思っている。有益だと考える議論以外は、答えをはぐらかす場合が多い。だから、禅問答(zen conundrum)。相手を追いつめるような議論はもうしません。