虎落笛



午後から降り出した雨は,夕方には上がったが,夜になり,風が強くなった。
先ほど少し表に出る羽目になったのだが,とんでもなく強かった。風速20mくらいあったのではなかろうか。
電線もヒュルヒュル鳴いていた。

冬,寒風が吹くと,電線が物悲しく鳴く。これを「虎落笛」という。
この単語を知ったのは,菊池秀行の「魔界都市ブルース 孤影の章」だったと思う。

調べてみると,電線がなく音ではなく,竹垣に風が当たってヒューヒューなく音のようだ。
虎落は,割った竹を互い違いに組んで作った柵のこと。虎がよじ登ろうとしても落ちてしまう強固な柵が語源らしい。
ずっと,電線がなく音だと思っていたのだが

ヒュルヒュルと音が出る原因は,風が障害物に当たり,下方にカルマン渦ができるため。
これは年中発生するが,「虎落笛」は冬の季語だ。確かに,乾いた寒い空気の中で聴くのは,独特の雰囲気がある。

ちなみに「虎落笛」は「もがりぶえ」と読む。とらおちではないのでご注意を
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