不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

La Commemorazione di Girolamo Savonarola

2005-05-23 02:14:01 | うんちく・小ネタ
1498年5月23日夜明け。
フィレンツェのシニョーリア広場(Piazza Signoria)、
ジャンボローニャ(GianBologna)作の
ネプチューンの噴水(Fontana di Nettuno)前に
設置された「処刑場」。
ここで火炙りの刑に処されたのが
狂信的な教えを説いた修道士、
ジローラモ・サヴォナローラ(Girolamo Savonarola)。
地表から約2メートルほどの高さにしつらえられた
渡り廊下を引き連れられて処刑所まで歩き
衆人観衆の元、火が放たれ、刑に処せられた。

フィレンツェ市民が実際にこの処刑を望んだのか否か。
非常に判断に苦しむ。
一方では
短期間に恐ろしいほどに
力をつけてきた修道士を排除したいと思い
一方では
その教えにも一理あることを信じているがゆえに
処刑は避けたいと願う。

そうした複雑な気持ちの表れが
処刑の際の歓喜の叫びと
翌朝の処刑所跡への献花という行動に表れている。

幾多の花と、棕櫚の葉、そして幾千のバラの花びら。

その名残が今もフィレンツェに残る習慣。
毎年5月23日には
シニョーリア広場にある記念パネルの周りに
きれいな花が供えられる。

この日10時からPalazzp Vecchio(ヴェッキオ宮殿)内の
Cappella dei Priori(教区教会礼拝堂)ではミサが執り行われ
Palagio di Guelfa(グエルフォ派宮殿)からは
例のごとく古式仮装行列が行進。
献花の式典が終わると、
行列はPonte Vecchio(ヴェッキオ橋)まで練り歩いて
そこでアルノ川へ花を捧げて終了。

今年は式典の時間に間に合わないかもしれない。
ので日曜日に記念パネルを撮影。
savonarola_01

どこにあるかというと、この位置↓。
savonarola_02

私はジローラモ・サヴォナローラが苦手。
フィレンツェの彼の拠点だった
サン・マルコ美術館に行くと
なんとなぁく、いやな気分になる。
でも成仏して欲しいから(?)
ついつい命日の式典にはお祈りに行ってしまう。


Girolamo Savonarola
1482年にフィレンツェにやってきて
1491年にはサン・マルコ修道院(Convento di San Marco)の
修道院長に選出される。
非常に弁の立つ人物で人々を魅了する説教を繰り広げ
当時フィレンツェの実権を握っていた
メディチ家を非難し、華美な生活を揶揄し
フィレンツェ共和国は
イエス・キリスト擁護の元にあるべきと説き続けた。
華美なもの、虚実を書き記した書物などを
集めて焼き払ったりもした。
彼の説教の影響を受けたとして有名なのは
ボッティチェッリ(Botticelli)で
自ら作品を焼き払い、作風を変えていく。
急激なサヴォナローラの力の増幅を恐れた反対勢力が
やがて彼を糾弾し始め
最終的に、弟子二人とともに処刑されることに。


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