不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Via Crucis

2006-04-14 19:12:27 | アート・文化

今日は聖なる金曜日。
イエス・キリストが十字架を背負ってゴルゴダの丘を上り
十字架にかけられた日。


ローマではコロッセオに向けてVia Crucis(ヴィア・クルチス)。
21時から23時まで続く恒例の宗教行事。

最寄駅の地下鉄コロッセオ駅は準備のため18:30から閉鎖され、
その周辺を走るバス路線も迂回します。

ローマの住人はこういうことに目くじら立てることはないのですね。

宗教的伝統行事のためなら。
さすがヴァチカンのお膝元。


というか、復活祭休暇に入っているイタリア。
仕事している人も減っているし、交通量も少ないから、
実際にはそんなに大きな影響ではないのかも?


Via Crucis はラテン語。
「十字架の道(
Via della Croce
もしくは「痛みの道(
Via Dolorosa)」とも言われます。
この行事の起源は聖母マリアがイエス・キリストの受難を思い
かの地へ赴いたことに遡るとも言われますが、
現在の定説ではアッシジの聖フランチェスコ
もしくはフランチェスコ会の慣わしに由来していると考えられています。

1294年ころドメニコ会派の司祭であった
Rinaldo di Monte Crucis(リナルド・ディ・モンテ・クルチス)が
Santo Sepolcro(サント・セポルクロ:聖墓)について詳しく説明した際に、
キリストがたどった道順を
14の地点に分けたことに由来しているらしいです。

1.イエス、死刑宣告を受ける 
2.イエス、十字架を背負う 
3.イエス一度目の躓き 
4.イエス、聖母マリアに遭遇 
5.Simone di Cirene(シモーネ・ディ・チレネ)イエスの十字架を担ぐ 
6.Veronica(ヴロニカ)イエスの顔を拭う 
7.イエス二度目の躓き 
8.イエス、イエルサレムの女に説諭 
9.イエス三度目の躓き 
10.イエス、服を脱がされる 
11.イエス、十字架にかけられる 
12.イエス、十字架上で命果てる 
13.イエス、十字架から降ろされる 
14.イエスの亡き骸、聖墓に安置される

これが現在スタンダードとされている14項目。

このうちイエスの躓きや聖母との遭遇などは
後の時代に付け加えられたものだといわれていますが。

そして長年リクエストされているものは

15番目に「復活」を加えようというもの。
これを加えることで
Via Crucis
痛みに満ちた辛い宗教行事で終わらずに済むから。
そういう変更が実際行われることは今の時点ではなさそうですが。

本来ならばVia Crucisの折には
実際イエス・キリストが受難をうけた場所を
訪れるべきとされていますが、
そうした巡礼の旅が誰にでも許されるわけではないので、
各教会がそれぞれに
14箇所を設定して、
そこを巡礼する慣わしが残っているわけです。

ローマのViaCurcis見てみたいけどなぁ。
混んでそうだ…。