不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Caso 2 tra i vagoni

2008-08-10 15:06:25 | 日記・エッセイ・コラム

恒例のローマ日帰りの
往路で会ったアルバニア人家族について
色々考えながら過ごしたその日。
ローマで仕事を終えて帰りの列車に乗り込んだのは夕方。

ユーロスターは各車両の端(確か後部)に
スーツケースなどの大きな荷物を置くための
所定の棚が設けられています。
家財道具一式を持ってきたのかというくらい
荷物の大きなイタリア人なのでこういう設備は必須。

乗り込もうと思ったら私の前で
小ぶりのスーツケースを
車両に持ち上げているイタリア人がいたので
ホームでしばらく待機することに。

しかし、既に車両に乗り込んでいる
でかいサングラスをかけたガタイのいい若い女性は
小さいけれど重そうなスーツケースを持ち上げている
痩せた中年男性にあぁでもないこうでもないと指示。
後にこの二人は叔父と姪っ子であることが判明したのですが
どう見ても彼女のほうが力がありそうだったのに、
やっぱり女性を大事にするという概念が根強いイタリアでは
男性がこういう時に手を出してあげなくちゃいけないのね。

私としては甘やかしすぎだと思うんだけどねぇ。
特に彼女は好き勝手に文句言っていただけで
手を貸すそぶりも無かったし。
自分の荷物は自分で何とかせい・・・とちょっと思いました。

その叔父さんは見送りに来ただけで
二人は荷物を載せると
いったん車両を降りてホームで立ち話をするらしかったので
私は自分の席へ。

発車間際になって私の前に座ったのが件の彼女。
私の正面に座るや否やなぜか
私の目の前の小さなテーブルに置いてあった文庫本を押しのけて
自分の荷物をでんと置きました。
悪いけど、私は自分の領域からはみ出して
モノを広げていたわけではないですよ。

何故イタリア人の女性はこうも横柄で傲慢なのかと良く思うけれど
それって男性が甘やかしすぎるからじゃないの?

厚かましい暑苦しい女だなと思いながら
これ見よがしに文庫本を取り上げて
自分のカバンにしまいこんだけれど、
彼女はそんなこと意に関せず。

やがて空いている残りの2席にスーツ姿の
イタリア人男性二人組みが乗り込んできましたが、
それまでつまらなそうにしていた彼女が
そのうちの1人を見ると突然目を輝かせたのでした。

彼ら二人の話す言葉からフィオレンティーニであることは
私にもすぐにわかりました。
彼女はすかさず目をつけた彼に向かって
「フィレンツェの人なのね」と話し始め、
彼もそれに応対して会話が始まりました。

列車の愛惜になると見ず知らずの人でも話し相手にするのは
イタリアらしいなぁといつも思う。
私も1人で考え事をしたいとき以外は
会話に参加するようにするけれど
今回はイタリア語ができないフリをして傍観することに決定。

彼らが会計士であり、普段はフィレンツェで仕事をしているけれど
その日は顧客のところまで行く必要があり、
ローマ出張だったことなど聞くとはなしに聞いていたのですが
彼女は彼が会計士とわかると俄然張り切りだした感じ。

見るからに私は彼を狙っていますっていうのが
感じられて、おかしかったんですが。
彼は結婚指輪こそしていなかったけれど
私の横で始終離さずにチェックしている
携帯電話の待ち受け画面には
奥さん(もしくは彼女)と思わしき女性とバギーに乗った子供の写真。

私は頑張っても見込みは無いぞと思いながら
目の前のガタイのいい彼女を見ていたのでした。
勘の悪そうな彼女は全然お構いなし。

彼女は南の町の出身で26歳。
8月末までフィレンツェのホステルで研修中だけれど
研修終了後に本採用にはならなかったので
現在失業目前で別の仕事を探しているらしい。

本採用にならなかった理由を会計士の彼に問われて
彼女は「英語力が無かったので、
レセプションで使えないから」だと答えていました。
彼もそりゃぁそうだねと。
ホテルで働く以上、というかフィレンツェで働く以上
観光客との接点は必ずあるから英語は必須だと彼も力説。

しかし彼女は「英語は難しいのよ、知っている?」
と彼に言っちゃいました。
彼はエリートですから絶対英語はできるんだけどね。

英語なんてちょっと努力すればすぐに身につくと彼は言い始め
自分の友人の例などを出して説明し
本当にフィレンツェで仕事を探しているなら
ちゃんと勉強したほうがいいと説得。

しかし、彼女は色々言い訳をして
自分がどんなかわいそうな状況にいるかばかりを強調。
海外に行くのは怖いし、両親が許してくれない。
フィレンツェでネイティヴじゃない人が教えるコースに通っても
料金が高いだけで身につかない。
英語圏の友人を作るのもどんな人だかわからないから怖い。
言い訳ばっかり。

終いには彼も呆れているようでしたが、本人は気づかない。

努力もせず、言い訳ばっかりで
それなのに、5つ星のホテルで働きたいっておかしいと思わないの?
しかも5つ星のホテルがだめなら、ショップの店員がいいって。
どういう基準で仕事を選んでいるんだかまるきり不明。

その点も会計士の彼に突っ込まれ
本当にやりたいことをきちんと見つけるのが先決だと
上手にまとめられていました。

その通りだと思うよ。
努力もせず、文句ばっかり言って
いつも誰かが助けてくれると思っているようじゃ
明るい未来はあり得ない。

私の周りには本当に独立心の強いイタリア人女性ばかりだから
今まで気にならなかったけれど、
中にはこういうタイプも相変わらずいるんだね。

フィレンツェに到着する直前、彼の携帯が鳴り
話振りや話の内容から奥さんからの電話であることが明らかに。
途端に私の前のガタイのいい
厚かましく、文句ばっかり言っている彼女は
顔面から笑みを消して、突然立ち上がって去っていきました。

そういうこと?
旅のお供に1時間30分会話につき合わせたんだから
せめて最後に挨拶くらいしたら?
彼も結構驚いた様子でしたが、特にコメントなし。

所詮その程度の人間でしかないってことを露呈しただけですね。
あれじゃぁ、彼女はシアワセにはなれない。
自己中心なイタリア人女性は甘やかさず、再教育が必要。


Pompelmo Rosa

2008-08-10 13:58:17 | Squisito!

雨が降りそうで降らない毎日。
大粒の雨が2-3滴落ちてきたと思ったら終わり。

そのせいでフィレンツェの空気はずっしりと
湿気を含んで重くて、まるで日本の夏みたい。

暑すぎて何も食べたくないってこともたまにあります。
しばらくメロンが主食だったのですが
最近はなんとなくピンク・グレープフルーツの気分。

Pompermo_rosa
暑いときはフルーツに限ります。