不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Arancine e Cuccia

2008-12-14 16:34:53 | Squisito!

友人宅で「アランチーネとクッチア」の夕べ。

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アランチーネとブリック。
ブリックは本来は三角形のフライで
チュニジアの食べ物らしいのですが、
今回はちょっと変り種で春巻き風。

Arancineはシチリアでよく食べられるライスボールフライ。
04
1200年頃、シチリアはひどい旱魃に襲われ
飢餓の危機を迎えていました。
そのときに、はるか海の向こうから
穀物をいっぱい載せた船が到着して
シチリアの人々の飢えを救ったという伝説が残っています。

船いっぱいの穀物を人々は炊いて無心に食べたそうです。
小麦などはパンやパスタにするのが普通なのでしょうけれど、
めちゃくちゃお腹が空いていた人々は
手をかけずに簡単に炊き上げて食べる方法を選んだらしい。

その伝説に尾ひれや背びれがついて
12月13日のサンタ・ルチアの日には
シチリア(特にパレルモ)では
パスタもパンも食べずご飯を使ったアランチーネだけを
めちゃくちゃ大量に食べるようになったのだとか。
ドルチェも茹で麦がごろごろ入ったクッチアという独特のお菓子。

そういうわけでパレルモから
はるばるやってきた巨大なアランチーネとクッチアをいただきました。

アランチーネは3種類。
どれも私のこぶし2つ分くらいの大きさ。
とても3つ全部を食べることはできないので、
すこしづつ味見。

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ほうれん草

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モッツァレッラ&ハム

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ラグー

シチリアの本当のアランチーネって本気で大きいです。
これをサンタ・ルチアの日には
おいしいバールをはしごして
いくつも食べ歩くツワモノもいるとか。

アランチーネのあとはクッチア。
Cucciaと書くと普通はuにアクセントが置かれ
クッチャと発音されてワンコやニャンコの寝床のこと。
でもパレルモ周辺の方言では
uではなくiにアクセントが置かれてクッチアと発音され
1年でも12月13日にしか食べないという
この不思議なお菓子のことを指します。

クッチアは2種類。
クラシックなリコッタクリームバージョンと
モダンなチョコレートクリームバージョン。
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これも大量に用意されていましたが、
一口づつ味見するのが精一杯。
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私はクラシックなリコッタのバージョンが好き。
ベースはリコッタチーズで
砂糖漬けドライフルーツとチョコレートチップ、
そして茹で小麦がごろごろ入ってます。
クリームのベースはカンノーリの中身と似ています。
なので、カンノーリが大好きな私にはもってこいのお菓子。

チョコレートクリームのほうはチョコレートが甘すぎて
ちょっとだけいただいたら満足。

1年に一度しか食べないお菓子。
通常はパレルモでも売っていないのだそうで、
貴重な体験ができてよかった!