不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Scoperta di 3 disegni di Da Vinci

2008-12-23 04:38:00 | アート・文化

パリのルーブル美術館に所蔵されている
レオナルド・ダ・ヴィンチの
「聖アンナと聖母子(La vergine con il bambino e Sant'Anna)」は
同美術館所蔵の「モナリザ(Gioconda)」
「岩窟の聖母(Vergine delle Roccie) 」と並ぶ傑作とされています。
Leonardo
この作品の裏から
3つの未確認のデッサンが見つかったことで話題になっています。
馬の頭、人間の頭骨、子供と羊を描いたデッサンは
肉眼では確認しにくい程度のものですが、
遠赤外検査では確認され、
既にデッサンのあちこちに
レオナルドの様式が認められるということで、
ルーブル美術館としては公式に
90%がレオナルドの手によるものと発表しています。
既に9月にはデッサンの存在が
一部の研究者には知られており、
今回ある程度の確証に基づき公表となりましたが、
もちろんこれより先、より詳細の調査&研究が進められ、
真実が明らかになっていきます。

Leonardo02
18センチメートル×10センチメートルの大きさの馬の頭は
ヴェッキオ宮殿に隠されているかもしれない
幻の「アンギアーリの闘い」を思わせるものとも言われ、
(私には普通の馬面に見えます。笑)
16センチメートル×10センチメートルの人体頭骨は
解剖学にも通じていたレオナルドが
生涯好んで研究し描き続けたテーマでもあり
眼こうのくぼみと鼻のくぼみの一部、
下顎骨半分と若干の歯が確認できるらしいです。
(私にはよくわかりません。笑)
3つ目のデッサンは肉眼では最も確認しにくいもので、
高さ約15センチで
幼子キリストが右方向に首を回し
子羊と戯れている姿を描いており、
この子供の姿は表の油絵に描かれている
幼子キリストに酷似していることなどから、
レオナルドの作品である可能性が高いと見られています。
(これに至っては私にはまったく見えません。泣)

最初の二つのデッサンは
比較的簡単に認識されたようですが、
3つ目は精密機械の助けを得て確認されたとのこと。
2009年6月にルーブル美術館は
コンベンションを開催する予定で、
その場で今後の科学的調査のすべての情報が
研究者たちに公開されるとのこと。

そもそも絵画作品の裏側に
デッサンが残されていることは稀である上、
レオナルドの作品ではこれまで例がなかったことから
非常に貴重な発見であるとされています。

90%はレオナルドの手によるものだとしている
ルーブル美術館も
科学的な調査の結果を待っている状態ですが、
調査結果を元に、
特にいつごろの時期に、
またなぜそこに描かれることになったのかの経緯を
確定したいとしています。
もちろん最終的にレオナルドの弟子によるものである
と認定される可能性もありますが、
レオナルドが使っていたものと同じ
カーボンが使われていることは既に確証されています。
因みに表のメイン作品「聖アンナと聖母子」は
1500年代初めに作成されたものです。

こうした発見というのは
偶然の出来事だったりすることが多いのですが、
今回も本作品を壁から外して移動させようとしたときに、
裏側に何かしみがあるということで
よく見直してみたら実はデッサンであったという経緯。
偶然は必然なり。