不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Disegni da Fra Angelico a Leonardo

2011-03-15 23:23:00 | アート・文化
フィレンツェのウフィツィ美術館は
デッサン画のコレクションも充実しています。
チケット売り場から上っていくと
2階部分に小さな入り口があって
よほど時間に余裕がある人か
デッサン好きな人か、研究者でなければ
近寄らないような展示ルームですが
ブリテリッシュ・ミュジアムと並んで
1400年代イタリアのデッサンを数多く収蔵することで知られ、
時折秀逸なデッサンを選んで特別展をしているので
過去にも何度か紹介していると思います。

ウフィツィ美術館とブリテリッシュ・ミュージアムから
合わせて100点以上の作品を集めた
ルネッサンス期のデッサン画展が3月12日から始まっています。

ベアト・アンジェリコ(Beato Angelico)、
ボッティチェッリ(Botticelli)、ラファエロ(Raffaello)
ドメニコ・ギルランダイオ(Domenico Ghirlandaio)、
レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo Da Vinci)、
ミケランジェロ(Michelangelo)など
中部イタリアを中心に活躍した芸術家と
北イタリアでデッサンをより芸術的に深めた
マンテーニャ(Mantegna)、ベッリーニ(Bellini)、
カルパッチョ(Carpaccio)、ティツィアーノ(Tiziano)など
いずれもイタリアを代表する芸術家たちの作品が揃っています。

1300年代終わりから1500年まで
特にルネッサンス期には
デッサンは芸術表現の一つとして確立され
多くの芸術家が自分のスタイルを模索したり
新しいプロジェクトの下準備として大いに活用していました。

特に几帳面にデッサンを残したのはレオナルドで
彼の人物描写、解剖学的研究描写、画面構成などのデッサンは
同時期そして後世の芸術家に大きな影響を与えています。
この特別展にも10点ほどの作品が展示されています。

昨年ロンドンで好評だった展覧会にセクションを追加し
新たにデッサン、版画、金細工などの作品も
追加投入してパワーアップしています。

デッサンは数が多すぎると見飽きてしまうことが多いのですが、
これだけ有名どころが集められていると
そのデッサンがどの絵画作品のための習作であるか、
後に誰に影響を与えたのかなどの関連性もわかり
なかなか興味深く鑑賞できるのではないかと思います。

Figure, memorie, spazio.
Disegni da Fra Angelico a Leonardo
会場: Galleria degli Uffizi (ウフィツィ美術館)
*ウフィツィ美術館と付属王宮郵便局、付属デッサン展示ルーム    
会期: 2011年3月12日から2011年6月12日まで
開館時間: 8:15-18:50
休館日: 月曜日
入場料: 11,00ユーロ