不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Dove vuoi andare ??

2013-04-25 16:28:21 | Tra la mente e il cuore
賛否両論あるでしょう。
そしていろんな意見もあるでしょう。
だったら私も言っておこう。

「核の不使用」声明、日本は賛同せず

このニュースで
日本は終わったなぁって感じた人も多いと思うけれど、
どこに向かおうとしているんだろう、我が祖国は、本当に。

「日本の安全保障の状況を考えたときに
ふさわしい表現かどうか」
そんな上辺だけの表現の問題ではなく、
根本的なところで「核の保有そしてその使用」に
賛同か否かということが大事なんじゃないの???
そこにはっきりNOといえない日本じゃいけないと思うのに。

北朝鮮が核実験を繰り返し
日本海を取り巻く国際情勢が緊迫したものになりつつあるのは
誰もが承知していること。
北朝鮮が攻撃してくるかもしれない、
その抑制力として
日本政府はアメリカの軍事力を頼りにしているわけだよね。
(わかる人にはわかる、吉川版Lovely Maryの世界、まさに。)
でもねぇ、よく考えてみようよ。
北朝鮮の後ろには中国がいて、
日本の後ろにはアメリカがいて
それぞれ大国は自分の手を汚さずに
戦争したがっているだけだよ、ずっと長いこと。
もしも北朝鮮が核攻撃してきたとしても
彼らの技術では
遠くにあるアメリカは標的にならないでしょ。
となると、標的はどうしたって日本だよね。
だからこっちも核で守ってもらわなくちゃいけない
という論理で「核の不使用」にNOといえない。
北朝鮮の核攻撃に対して
アメリカが「日本を守るために」
核で応戦してくれるだろうから。
そう考えている人が多いんだろうけど、
アメリカは日本を守るためだけに核兵器は使わないよ。
自国の領土が危機にさらされない限り、
そんな危険なものに手をつけるわけがないじゃない。
だからそもそもアメリカによる援護を前提とした
「日本の安全保障」を理由に声明に賛同しなかったのは
大きな間違いだと思う。

そしてこの声明に賛同しなかったことで
世界のあちこちに
「もしかして日本ってもう核兵器もっているんじゃない?」
という疑念を抱かせる結果になっていることにすら
日本政府は気づいていないのかもしれない。
日本が掲げてきた「非核三原則」が
これほどまでに信頼度の薄いものになってしまったことを
もっともっと憂うべきなんだよ、日本国民。
日本には核兵器を作ろうと思ったら
いつでも作れるだけの材料と技術はあるんでしょ。
それは世界の誰もが知っている。
ただ非核三原則があるから表向きには
「保有していない」ことになっている。
今回のNPT声明に賛同しなかったのは
日本が独自でいつか核兵器を使う可能性があるからだと
受け止められちゃっても仕方ないよね、もう。

「核保有」が現在の危うい世界の均衡を保つ
唯一の切り札になっていることも十分承知しているし、
世界の大国は山ほどの核兵器を各地で温存していることも
もちろんわかっている。
そんな状況では
こんな「核不使用の共同声明」なんてものが空論であり、
きっとなんの役にも立たないであろうことはわかっていても
それでも、唯一の被爆国であり、
福島の原子力発電所事故の後始末もままならず
放射能汚染の果てしない被害について
だれよりも知っていなくちゃいけないはずの
日本という国の意思表示として
「核兵器使用にNO」と断言することにさえ
意義を見いだせないのだとしたら、
日本政府は腐りきっているよ。

そんな政府を選んだのも我々国民だけれど、
政府は腐りきっていても、
まだ良心のかけらをもっている国民はいっぱいいるはず。
大事なのは物事を多面的に捉えて
ちゃんと自分の脳みそで考えていくこと。
まず色々知ることから始めないと。