超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

<span itemprop="headline">大混浴展、現代の暁斎</span>

2009-09-03 20:16:51 | 無題

漫画家畑中純さんの漫画家生活35年記念、「大混浴展」を見に行った。
今日9月3日が初日である。調布のギャラリーみるめで開かれている。調布は今水木しげるさん景気で沸いているが、調布在住の漫画家で忘れてはいけないのが、畑中純さんやつげ義春さんである。
調布は住みやすいのか、いい漫画家さんたちが住んでいる。この調布漫画家さんたちの共通点はフォークロア的なものを濃厚に持ち、自伝・私小説風の佳作を多く生み出していることだ。
運良く畑中純さん本人とご家族がいらして、しばし歓談させて頂いた。
私が話したのは「宮沢賢治記念館のイーハトーブ館に畑中さんの版画が大きく貼ってあったこと、夏目房之介さんの漫画評論は熱意が籠っていておもしろい、大本教の出口王仁三郎の伝記「巨人出口王仁三郎(出口京太郎著)」は詳しくて興味深い、」といった話だった。
畑中さんが話してくれたのは「宮沢賢治記念館の他に小樽文学館にも伊藤整の肖像を彫った版画が飾ってある、出口さんの末裔と最近会った、つげ義春さんとはこことか別の場所でたまに会う、ジャンジャン横丁で辻音楽家が展覧会に来て賑やかだった、」などである。
ギャラリーみるめの二階の珈琲は旨かった。
それからゆっくり、展示を見て回った。今回ほとんどが、新作である。
畑中さんが旅先で見たというサンショウウオの絵や、「まんだら屋の良太」の月子と良太が混浴している数々のペン画、水彩、それと何といっても百鬼夜行の大作絵巻が圧巻である。畑中純さんは河鍋暁斎の流れを汲む絵師だと改めて思った。
生き物たちと妖怪たちが楽しそうに跋扈する、エネルギー溢れる絵巻だった。そういえば妖怪繋がりで荒俣宏氏とも親交が深いという。今度鬼の活躍する漫画に取り組むという。
水木しげるさんを始めとして、調布は妖怪を培養する湿気が漂っている。
そのあと調布パルコのバケットという店でシチューを食べて、地下で洋梨のタルトを買って帰った。現代の河鍋暁斎に触れたければ、大混浴展に急げ、である。



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