超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

歳時記俳句・年越し

2023-12-31 00:03:26 | 自作俳句
一年を何とか終えた安堵感
ワルターの第九鳴らして大晦日
シューリヒト二箱出づる共時性

早々と年越し蕎麦を昼に食う
罪ありや今年も僅か振り返り
紅白は意地でも見ずに今年の湯

N響も遠くなりけり相模国
煩悩がまた一つ増え除夜の鐘
正月の飯ずしを買いに水産へ

コンビニで素甘仕入れてほくそ笑む
初夢は何を見るらむ大晦日
来る年のテレビを消して夢易く
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歳時記俳句・ずんだ餡

2023-12-30 00:03:24 | 自作俳句
ウィンドウのバックアップのひどい罠
凛としたギーゼキングの冬ピアノ
寒暁に主従の喩え自他承認

へとへとに疲れた後のずんだ餡
朝五時に必ず冬の寺の鐘
寒中に何を思いて稽古ごと

山茶花が微笑む如くワルトシュティン
ジェラートの窓越しに見る雪だるま
本年の重大ニュースは進む筆

年の瀬に寒菊の美に救われる
綿入れで餅を頬張る小晦日
力尽きやがては残る冬の詩碑
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歳時記俳句・煤払い

2023-12-29 00:03:45 | 自作俳句
一年の思いを乗せて寒菊や
年の瀬の日向に咲きし黃のすみれ
教科書で聞きし話を冬に読む

冬市でヒートテックを二枚買う
一年を無事見届けて冬の山
柊が松の飾りに早変わり

年末に人それぞれの赤ポスト
出産で休みしパン屋感謝祭
年末に知らない子どもお辞儀する

歌いつつ煤払いする一人部屋
当面は書ける見込みで日記買う
取り敢えず顔を洗いて年用意
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歳時記俳句・炬燵日和

2023-12-28 00:03:16 | 自作俳句
入手した冬の背広を人知らず
埋もれたるCD箱が冬出づる
年の瀬に思い出づるは人の顔

地下道に救世軍の社会鍋
山水のステレオが鳴る冬日向
一冊の作文終えし年の暮

歳末に冬物市を見て帰る
閉鎖せる職場も師走懐かしく
行く年に居眠る人に毛布掛け

年惜しみあれやこれやの筆を置く
年果つる淡い花束過ぎらせて
古暦炬燵で眠る冬の暮れ
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歳時記俳句・毛糸帽

2023-12-27 00:03:23 | 自作俳句
鯛焼きの頭を残す冬の猫
年の瀬に開き終えたる寒菊や
公園で袋と遊ぶ寒鴉

平仮名に難語を直す年の暮
浮き足で歳末市に転倒し
年末におにぎりパンが湯気を立て

窓辺から蠟燭立ての冬灯り
年の瀬の郵便局は人の波
花柄の端切れの旗が冬に揺れ

待ち人の便りを願い絵馬に書く
禁断のケーキの甘さ年忘れ
毛糸帽よく似合う顔息白し
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