超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

<span itemprop="headline">ベートーヴェン全集の多幸感</span>

2009-09-19 22:21:58 | 無題

最強のベートーヴェン交響曲全集は何か。意外にも私が一番気に入っているのはマッケラス・スコットランド室内管弦楽団のエジンバラ音楽祭のライヴ録音の全集(ハイペリオン)である。これは何と言っても音がヴィヴィッドで色彩感があり、いつ聴いても新鮮である。印象派風のマッケラスの肖像が表紙の薄型ボックスである。マッケラスには他にもリヴァプール・フィルとのスタジオ録音があるが、断然スコットランド室内管弦楽団のエジンバラ・ライヴが抜き出ている。
それから完成度が高いと思うのはヨッフム・コンセルトへボウの全集である。練り絹のような作り込まれた美音である。同じコンセルトへボウのハイティンクの全集もレベルが高い。
次に挙げられるのがモントゥーの全集である。全てにおいてバランスが取れていて活気がある。それから友人に勧められたクレンペラーのゆったりテンポの全集、及びシェルヘン・ルガノ放送管の最狂高速ライヴ。これにはたまげた。
同じくゆったりテンポ物ではクルト・ザンデルリンクの全集が美しい。だが第一番が二枚に分かれていてそこが減点である。大物ではベームのユニヴァーサル・イタリア盤の全集も良く聴く。バーンスタイン・ウィーンフィルも、アメリカ魂の活気とヨーロッパの美感が融合して存在感がある。
古いところではコンヴィチュニーとゲヴァントハウス管の全集が古いドイツの間合いと乗りを伝えている。ゲヴァントハウスではクルト・マズアも悪くない。
変わったところでは、ミヒャエル・ギーレン・S・W・FのEMIの残響の多い、突き放したような全集や、再発売された録音秀逸のアンセルメの異色の全集もある。最近タワーレコードが発売したドラティ・ロイヤル・フィルは、中庸だが覇気ある全集を残した。
今気になっているのがオーケストラにピアノで伴奏を入れたタスマニア交響楽団・ポーセリンの全集である。変わっているという点では他の追従を許さないらしい。ライヴではメモリーズのテンシュテットの全集が生々しい。ベートーヴェンの交響曲は指揮者の見識が問われる試金石で、千差万別である。最近では入眠時に空耳でベートーヴェンが聞こえるほど聞き込んでいる。ベートーヴェン全集の多幸感は無尽蔵である。



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