超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

歳時記俳句・音楽室

2024-04-30 00:03:10 | 自作俳句
この日にも働く人や連休日
鳥の巣を落ちし燕に親が寄り
毎日に浮き沈みあり四月尽

陽光も力を帯びて夏近し
鳥雲に狐は穴に休らうに
一斉に人も緑も芽吹く時

石楠花の道を歩いて風涼し
竹の子が屋根突き抜けて顔を出し
道端の忘れな草に懸想文

春の果て町の子どもは歌いつつ
汗を拭く純心光り夏近し
遠き日の音楽室や茶摘み唄
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歳時記俳句・花の笑顔

2024-04-29 00:03:14 | 自作俳句
木苺の花の笑顔も連休日
藤棚の溢れる中を潜りけり
若草の四つ葉の運ぶ巡り合い

晴天で黄金週間また光り
菅の笠遠くの山も茶摘みかな
春眠に夢見た人はどこの空

春愁をせめて笑顔が癒すなら
工場の横の茂みや百千鳥
囀りの聞こえる間荷を下ろす

連休は山吹色の長袖や
あれこれの仕草すべてが金鳳華
朝寝から覚めて今なお夢の影
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歳時記俳句・春惜しむ

2024-04-28 00:03:01 | 自作俳句
半生の正午近づき春も尽く
見し夢は奥に仕舞いて春の果て
蜜蜂に紋白蝶も春惜しむ

夏山にまた近づけり青き峰
旅に出る人も居るらむ大連休
囀りの中を歩けば竹林

その瞳木の芽の色も愛でるかな
家垣に見事なつつじ点々と
庭の傍見る藤棚は花薄し

うっとりとする食感のわらび餅
嬉しさを胸に飾りて金盞花
嘘を縫う町は何処や飛ぶ燕
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歳時記俳句・夏隣り

2024-04-27 00:03:08 | 自作俳句
苔の道入るとそこに藤棚や
白や桃、紅色に咲くつつじ垣
藤棚を目当てに来たる丸い蜂

陽光が久々に照り夏隣り
植栽の迷路に落ちし燕の子
人の庭紅いつつじの花の雲

ライラック祭り静かに人の庭
道脇に白く枝垂れる小手毬や
行く春やつつじの町となりにけり

全身に蔦の絡まる春木や
糖分で春の祭典踊るらし
海の青デルフィニウムの花の束
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内面短歌・時至る頃

2024-04-26 14:54:04 | 自作短歌
芭蕉言う鳥啼き魚の目に泪この行く春は時満ちるはず
冷え込みが思ったよりも深そうなつつじの町に静けさを聴く
ここそこで深みに気づく人々が声なき声で繋がっている

外そうと遊んでみても意図せずに絶対音につい引き摺られ
来たるべき時代のために蓄えた蜜を惜しまず配り歩こう
それぞれの天使を胸に秘めながら禍福の時を経て巡り会う

あの山やかの川たちがまた目覚め永遠の日を歌い続ける
橋を越え通った店の焙煎を思い出しつつ啜る珈琲
遅桜この連休に花盛り寒さに耐えた頬を緩ませ

マーラーに言われなくてもその時が来れば星座に迎え込まれる
文字数を計算しつつ先に行く至福の時がこの先にある
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