超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

歳時記俳句・河津桜

2024-02-29 00:03:34 | 自作俳句
全身を春服にして町の奥
農道の端にぽつりと紅椿
稜線がくっきりと見え春の峰

町の奥春の花咲く武家屋敷
八つ手の実巡礼道に地蔵尊
川沿いの乗馬倶楽部に風光る

町の奥河津桜が花盛り
町農家アヒル数羽も゙春に鳴く
雑林に垣間見えたる春の川

学び舎へ向かう途中に仏の座
北の雪照りて眩しき二月尽
神奈川の町の奥より春便り
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歳時記俳句・春の襟

2024-02-28 00:03:45 | 自作俳句
春暁にノースポールがまだすぼみ
野の花を集めたようなエリシマム
霊山の眺め地獄の釜の蓋

ゆく宛の見えぬわが身や春紫苑
雪肌が遥かに見えて春の峰
金柑のたわわに実る道の辻

人の庭紅色に咲く木瓜の花
大輪の花を咲かせる紅椿
春日に渋く光りて苔の庭

妖精の置き物ありて花ミモザ
野を行けば心も晴れる春の襟
春風にやさしく揺れる裾飾り
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歳時記俳句・春眩し

2024-02-27 00:03:25 | 自作俳句
春めきて遠くの山は雪の肌
春光に弁天池の水も゙澄み
春暁に薄いコートで歩き出す

カーキ帽被りて見上ぐ枝垂れ梅
庭先に芍薬の芽が生え初めて
青信号渡りて町は木の芽晴れ

少年が顔赤らめて節分草
通学路春の自転車急ぐ腿
手を合わせ諸事願い事春薬師

垣根越し庭賑やかや百千鳥
山の裾ここ当分は春の雪
襟なしの白き部屋着で春眩し
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歳時記俳句・冴え返り

2024-02-26 00:03:56 | 自作俳句
涅槃会に寝ぼけ眼で茜雲
春雪の積りし山を踏み分けて
冴え返り雨降り止まぬ薄ら寒

同窓会馬酔木の花を見て帰る
惜別に渡せず終わるシクラメン
春浅しパン屋通いも行けぬ空

春寒に衣替えさえ思案中
涅槃まで花の降る中西行忌
鶴帰る北の町にはバレエの子

頬白のさえずる頃に指に触れ
梅林に小雨の振りて影霞む
町の奥ひとつ二つと蕗の薹
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歳時記俳句・春の露

2024-02-25 00:03:46 | 自作俳句
横道を入ればそこは木の芽時
雨上がり力尽きたる菫かな
雨上がり道の草木に春の露

春の径ベンチに座り読み耽る
ヘーゲルとスライドギター走る春
北狐リンガーハットに春来たコーン

春光に交番前のすみれ草
もち吉の昇りはためく桜餅
新しき春の古着で町歩き

一人部屋花を飾りて風光る
凍てゆるむ歩みも軽き帰り道
はだら雪息まだ白く山近し
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