超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

<span itemprop="headline">配って歩きたい名全集、聞き比べ</span>

2012-07-23 00:56:17 | 無題

先日はベスト・オブ・クラシックで北ドイツ放送響のブラームス一番を聞く。
トーマス・ヘンゲルブロック。
なかなか正統派で微妙にテンポを揺らすし、観客の反応もよかった。
今ベートーヴェン交響曲全集へヴィ・ローテーションベスト5を挙げると一位がバレンボイムの最近の全集、二位がザンデルリンクのEMIの全集、三位がギーレンの新全集、四位がオーマンディのソニーの全集、五位がベームとウィーンフィルの全集であろうか。
バレンボイムの新全集は最近の思わぬ収穫である。新生オケなのに貫禄がある。
ザンデルリンクはEMIに正式に音源化されて救われた。巨匠テンポの雄大な歩みである。
ギーレンは旧全集のように現代音楽色丸出しでなく地方のライヴであることを意識して詩情を込めて演奏されている。
オーマンディは優麗、美麗、華麗など麗の字で語られることが多い豊満で艶やかな美音。
ベームの全集は国内盤が再販したが、私が聞いているのは廉価版のユニヴァーサル・イタリア盤。
曲順が違うが音は同じはずだ。国内盤が出たので気になって聞き返している。
今日は久しぶりにギュンター・ヴァントの北ドイツ放送響との英雄を聞いたが、ドイツ的で白熱した素晴らしい演奏だった。
今はバーンスタインとニューヨークフィルの廉価版のマーラー全集から交響曲第二番復活を聞いている。
このバーンスタインの一回目のマーラー全集は演奏も熱く気が利いている。
バーンスタインはすすり泣き、歌い、飛び跳ね、祈りもする。
その様子はDVDのマーラー全集に見て取れるが、その姿を喚起する演奏である。
LP当時のデザインをインナースリーブで採用しているところもデザイン的に素晴らしい。
オリジナルジャケットコレクションと銘打ってもおかしくない出来なのだが、声高に宣伝してない。
マーラーの交響曲がコンパクトにまとまって収録されている。
録音も万全で感動的な出来である。
配って歩きたい全集である。
音盤に静かに耳を澄ますときかつてと違う景色広がる



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<span itemprop="headline">コンドラシンのマーラー選集の生き急ぐ音</span>

2012-07-12 03:12:42 | 無題


コンドラシンのマーラー選集、国内盤は高くて買えない。
ロシア製を持っているので一通り聞いてみた。
聞いた感じでは走っている、生き急いでいる切迫感が感じられた。
まず、ロシア風の録音が印象的だった。
それは荒涼とした広漠とした荒れ野の響きである。
前時代的ではあるがどこか郷愁を誘う響きである。
また標準的なマーラー演奏と音の質感が異なっている点も印象的。
マーラーを聞き慣れた人ならこんな音だったかなと聞き耳を立てるような質感。
また音の間合いを動かして面白く聞かせているのも分かる。
ルバートというほどではないが
音の間の長さを揺らして効果的に盛り上げている。
何よりも音が走っている、生き急いでいる感覚が印象的。
巨人も40分台と疾走している。打楽器が疾走を煽るのも見物。
テンシュテットの代理で北ドイツ放送響を振った
死の直前の「巨人」は命懸けの名演だそうだが私は未聴。
是非聞いてみたい。
その不幸な伝説を先取りするかのように、当選集では前のめりになって全力疾走している。
そこまで生き急ぐ必要はないのではないかという思いに駆られる。
全体としてこのマーラー選集は標準的なマーラー演奏と質感が異なり、意外な発見がある。
六番も65分と速い。五番、七番、九番も比較的速い。
マーラー演奏のスタンダードが確立される前の、
ミトロプーロスやシェルヘンにも通じる独自の音色や間合いの工夫がある。
そう言った意味でふつうのマーラー演奏とは一味もふた味も違った演奏を求める人にお勧めである。

東方の荒涼とした風景に鳴るマーラーは生き急ぐ音



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<span itemprop="headline">テンシュテットのベートーヴェン全集、その他</span>

2012-07-06 01:42:46 | 無題

イタリア四重奏団のベートーヴェン四重奏集、ユニヴァーサルイタリアフィリップス盤入手。
前にボールト指揮エルガー交響曲と管弦楽曲選集とともに貸して貰ったので探究盤だった。
ミトロプーロスのマーラー選集多く見掛ける。みなミトプーを売り払って平気なのか。
バレンボイムの新しいベートーヴェン交響曲全集の巨匠ぶりには脱帽。巨匠プレイみたいではある。
テンシュテットのメモリーズのベートーヴェン全集は凄絶で臨場感がある。
たまに中古CD店で見掛ける。
私はと言えば吉祥寺ディスクインがまだ輸入盤に力を入れていた頃、発売当時新品で入手した。
テンシュテットの第九を検索すると、BBCの1985年盤、凄絶な1991年盤、諦念の美の1992年盤があるという。私の持っているテンシュテットのベートーヴェン全集の日付けを見るとまさに1991年8月31日。
凄絶な1991年盤である。
聞いてみると走るテンポ、只ならぬ切迫感、異様な熱気と臨場感が手に取るように伝わってくる。
概して奇数番は凄絶、偶数番は穏やかだがともに臨場感は格別。
メモリーズのベートーヴェン全集は一応ボックス仕様だがインナースリーブはぺらぺら、音盤も薄く、
音源の出自も多種多様で、正規盤とは違う。
ただテンシュテットのベートーヴェン全集などメモリーズでしかお目に掛かれないので見掛けたら即入手お勧めである。
手に汗握る切迫感、臨場感、疾走感に唸ること請け合いである。
これを正規盤で出せなかったテンシュテットは巡り合わせが悪すぎる。
配って歩きたい名全集の筆頭である。

今日会った友人はコダーイのガランタ舞曲が仕掛けが多くて名曲だ、沖縄の曲を前衛的に取り上げたのは中川昌巳という人だ、と喋っていた。面白い話を聞いた。

数々の名盤駄盤をかき分けて耳にする音一期一会で



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