超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

絵本・極楽と地獄の余韻を詠む

2019-06-30 22:27:00 | 無題
マンゴーの寒天食べて舞う天女
白檀の湯で極楽が立ちこめる
遅咲きの紫陽花笑う土日午後
意味の場に現れるから有ると知る
欠けている対象を見て自己を知る
早咲きのコスモス北に居る証し
休日が終わる三途の川の音
天竺は心の奥の万華鏡
極楽に仏の家が無尽蔵
極楽の空に楽器が鳴り響く
休日を奪衣婆に剥ぎ取られ
意味もなく喋る遊びを享楽し
極楽と地獄こころの二輪草
見る心見られる物の外は闇

極楽と地獄こころの二輪草絵本を閉じて訪れる日々
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「絵本・地獄」と「極楽」で作る俳句

2019-06-29 13:51:59 | 無題
「絵本・地獄」「絵本・極楽」「すごい哲学」を読み、俳句を作る。

存在は意味する場所へ現れる
個を越えたすべてを示す世界は無
国越えた権力こそがいま帝国
時空超え連帯を組む個の群集
刻まれた他者の固着が個を作る
超大な阿弥陀仏から見守られ
地獄絵図お地蔵さまが救いの手
針の山なます地獄に煮る地獄
極楽に観音さまと勢至さま
超自我の閻魔さまから睨まれる
阿弥陀仏必ず救うから生きよ
運命と田園が鳴るギーレン忌
全力で暮し光が見えてくる
人生を映画で見てる夢が覚め
絶望ももう底を突き浮上する

針の山なます地獄に煮る地獄永遠の光が最後には差す
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寺山修司へのオマージュ15句

2019-06-26 08:02:50 | 自作俳句
司町寺町山町修町
繰り返し母子の情をえぐる闇
一行の歌を卒塔婆に書いて消え
自伝癖私の嘘が墓となる
場当たりで思う自分に変装し
サーカスで空気女を膨らませ
恐山イタコで母に家出告げ
ちゃぶ台を囲む田園ビル街に
腕時計買って家から飛翔する
幸薄い手相を変える釘も捨て
中世の説教節で自己を書く
恐山男女は刺して冥途行き
ボクサーになれず少年飛べぬ夢
かくれんぼ取り残されてまだ子ども
完全な死体になると言い遺し

司町寺町山町修町嘘を縫う町あらずやひばりよ
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生誕俳句15句を書く

2019-06-25 09:18:53 | 無題
紫陽花が町にほころぶ誕生日
アポロンの地獄の定め夢に見る
生きている謎に向き合いまた一年
ぬいぐるみ祝いの歌で目が覚める
数々の痛みを越えて年を取る
老年の青さ眩しい後半生
CDの店に負けない箱の山
重荷置き弦楽奏で生き直し
気がつけば日記の数が20冊
ふと見れば忘れた望み今叶う
冥界の便り配達夫から届く
あきらめた数と同じく得た笑顔
人生の残りを見据え生き急ぐ
遠景に青い山並み道に蟻
夢の町歩いて行けば傷が癒え

気がつけば日記の数が20冊記憶の粒は友のあの顔


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哲学書を読んでモヤモヤを抜ける

2019-06-24 22:32:45 | 無題
超解哲学名著事典を昨日に引き続き読む。
著者の小川仁志さんは哲学の要約が得意で、その種の本を50冊ぐらい書いている。
この哲学名著事典も哲学書47冊を文庫で要約的に紹介した本で、やたらにお得である。

よく読むと判らなくなることも多く、初心者の読破はきついかも。

フッサールでは「イデーン」が紹介されていて、現象学の知識が要約されている。
そのあと「ヨーロッパの諸学の危機と超越論的現象学」では、
初期の純粋意識を離れて現象学の場を「生活世界」に置くという修正をしたとある。
では、有名な与えられた世界に対する判断停止=エポケーはどうなってしまったのか。
疑問に感じることになってしまう。

フッサールがいわゆる「諸学の危機」で、生活世界を出してきたのは、
ひとつには数学や科学の網目でおおわれてしまう前の世界へ戻れ、と言うことだ。
二つ目は現象学の言う相互主観性、他人にも意識があり、
私の意識と同じく、他人の意識にも眼の前の机が机であることをお互いに
確かめ合うことができるということが、生活世界を保証していることを足場としよう
ということだ。

だから、生活世界へ立ち返れと言ったのは純粋意識を諦めろとか、
与えられた世界を受け入れる自然的態度に後戻りしろ、と言う意味では全くない。
短い要約ではその辺の補足がないので、混乱するおそれがある。

そういうモヤモヤも含めて、楽しめる好著である。

他人にも意識があって現実が共有できる生活世界で
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