超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

<span itemprop="headline">画廊で聞いたシベリウス全集の燃焼度</span>

2012-08-04 08:30:08 | 無題


昨日はアシュケナージのフィルハーモニア管とのシベリウス交響曲全集を聞いた。
前に画廊で掛かっていた時に気に入って買ったのだが、この全集なぜか安い。5枚組2300円ぐらい。
交響曲第二番とフィンランディア、第一番と第四番を聞いたのだが、意外に凄い。
盛り上がる時の起爆力が圧巻である。低音が轟きわたる。
アシュケナージはクラシックのツボという本のなかで優秀なツアーコンダクターだと言われていて、初心者も安心して聞けるし、聞きどころも教えてくれるが、上級者には物足りないというような主旨だったと記憶している。
だが私の聞く所、このシベリウス交響曲全集に関して言えば燃焼系指揮者だと言って間違いない。
アシュケナージはピアニストとしてもひじょうに印象的で、ラフマニノフの前奏曲を鎮魂歌のように弾いていたのが心に残る。吉田秀和のラジオで聞いた。

私はこのアシュケナージのシベリウス交響曲全集を高く評価する。
鬱蒼とした森に立ち込めるもっさりとした空気感のなかから、とんでもない起爆力の演奏が立ち昇る。
アシュケナージは妻の母国のアイスランド国籍だという。
北欧系指揮者ではないというハンディはあるが、こんなシベリウス交響曲全集なら何度も聞きたい。
シベリウス交響曲全集といえばザンデルリンクやセーゲルスタムの名演奏があるが、アシュケナージは顔に似合わず燃えるのである。
丁寧に旋律を歌いながら白銀の輝きを放ち、爆発に持って行く演奏。
交響曲の他に交響詩も収録されていてお得である。
シベリウス交響曲全集では他に渡邊暁雄の名全集が素晴らしい。
初めてアシュケナージのシベリウス交響曲全集を画廊で聞いた時の芸術的な雰囲気が忘れられない。
改めて聞くとその燃焼度に感嘆の情を隠せない。
 
温厚な紳士が時に豹変し燃焼度ある音を聞かせる



コメント
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