超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

<span itemprop="headline">バーンスタインのグラモフォンのシベリウス選集の驚愕</span>

2014-10-24 18:04:53 | 無題

バーンスタインのドイツグラモフォンのシベリウス選集を聞く。例によってグラモフォンお得意のライヴ収録録音。
シベリウスの1番からして異様に遅く、はち切れんばかりにたっぷりと歌い上げる。テンションがマックスで、疾風怒濤の爆演。
バーンスタインはマーラーで鍛えた祈りのように遅くじっくりと演奏し、歌い上げる手法を、シベリウスにも持ち込んでいる。
第四楽章を聞き終えた頃には感涙の渦で、神様ありがとうと思わず叫んでしまう名演である。
シベリウスの有名な第2番も聞き慣れたのとはまるで別の曲。第二楽章と最終楽章は異様に遅い。
これでもかと言わんばかりに神や運命へ渾身の祈りを歌い上げる。ライヴ録音というところがまた凄い。
悪演すれすれのところで感動的な名演に仕立て上げているとyamagishikenichi氏が書いていたが言いえて妙。これまた熱気冷めやらぬ名演である。
ウィーンフィルにこれだけ際どい演奏を敢えてさせるバーンスタインの手腕は並大抵のものではない。
バーンスタインはまず演奏者の心を鷲掴みにして虜にする天才だったという。
シベリウス5番と7番は一枚にまとまっているが、これも異様に遅い。
聞きなれた旋律が巨大な空間に解き放たれて、はち切れんばかりに鳴り響くのである。
グラモフォンのライヴ録音の耽美的な遅さは語り草である。
マーラーを筆頭に、シベリウス1・2・5・7番の選集、後期チャイコフスキー集など驚愕のスローテンポ
の美の洪水である。
シベリウスの7番は本来は短いのに堂々とした一大交響曲として歌い上げている。
シベリウス1・2・5・7番を2枚にまとめた廉価盤も出ているが、曲が2枚にまたがっているのではないかと推測する。バーンスタインのマーラー復活を聞いて銅鑼や鐘で終わる最後に感涙しているが、同種の感動を違う作曲家に持ち込むところ、バーンスタインは確信犯の名指揮者である。
遅いシベリウス演奏にはベルグルンドの旧全集、セーゲルスタムの2つの全集など数々あるが、北欧的ではないところでこれほど思い入れの強い録音を私は知らない。並録のエニグマ変奏曲も耽美的でよい。
バーンスタイン恐るべしである。

感涙ではち切れそうな名演をライヴで録った驚愕の音



コメント
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