超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

<span itemprop="headline">橋を渡った喫茶で叔父と語らう</span>

2018-02-10 16:04:57 | 無題

近郊の段差の斜面の橋を渡ったところにある素敵な喫茶で叔父と歓談して帰ってきた。
午前中は心理学の本を読んで、ミトロプーロスのマーラー3番を聞いて快速でいいと思った。
12時半に叔父と待ち合わせ、3分ぐらい遅れて到着した。パイ生地のキッシュと珈琲を頂く。
仕事の近況の話、法事の話のほか大体読書の話をしていた。
叔父は森鴎外がかつて訳した『即興詩人』という恋愛と遍歴の物語を安野光雅訳で読んでいた、情景描写が詳しくていい、〇 〇 的という言葉が現代語には多いが本来口語にも文語にもそういう言い回しはなかった、そこに注意して訳したらしい、挿絵を模写しながら読んだ、と喋る。
また円空は北海道の秘境にまで入って行って仏像を彫って歩いているけど、あれは一種の修行だ、『円空と木喰』も読んだ、家で叔母さんが作った黒ナナカマドのジャムを瓶に詰めて持ってきた、ガルシア・ロルカ・巨匠のデッサンという本も持ってきたという有難いお心遣い。君は音楽聞きながら本読んでるの、読書に身が入ると音楽が聞こえなくなるのか、と仰る。
私は石寒太の『尾崎放哉』という自由律俳句詩人の句と人生の本を注文した、石寒太の『山頭火』という文春文庫がよかったのでその延長で注文した、叔父さんはちくま文庫で放哉の句集を持っているのですか、山頭火は死ねる薬を前に座っている、とか生と死を突きつける自由律俳句が多いけど、放哉は表向きには、もっと、飄々としている、結核で孤独死したのだから内面は深刻だ、心理学のシャドウについては思い当たる節がある、叔父さんも影の現象学読んだんですか、自分の目を背けたい一面とどう付き合うかという厳しい問題ですね、
叔父さんは一杯目はアサヒ生を飲み、二杯目は私とサントリー・オールフリーを分け合った。伊藤整の小説にちなんだ雪明りの夜のかまくらの祭りを小樽でやっているけど幻想的で結構だ、小樽はニトリが美術館を旧い煉瓦造りの建物を利用して経営していて美術の街になっている、古い民家も一方で残っていて絵の題材として風情がある、と喋る。
2時間興味の赴くまま、美術や文学について喋り、黒ナナカマドのジャムを頂いて帰ってきた。充実した。

里山の麓に建った喫茶にて心の機微を叔父と語らう



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