ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2021.9.1 長月スタート 採血後腫瘍内科診察、エンハーツ19クール目 さらに6割に減量15回目 治療続行!

2021-09-01 23:11:53 | 治療日記

 昨日は午前中の仕事を終え、午後は在宅勤務に切り替えた。
 バリウムと下剤を飲んだ後、5時間ほどして急に腹痛が始まり、30分で4回お手洗いを往復。酷い下痢に見舞われ、脂汗タラタラ。在宅勤務にしてよかった。下剤が効き過ぎたのだけれど、飲まないで、もしきちんとバリウムが排出されないと翌日の治療日からさらに便秘が酷くなることを恐れたのだ。
 勤務終了後は夕飯の支度をして夫の帰りを待つ。蒸し暑い。

 ぱぱっと夕食を終え、夫が最寄り駅まで送ってくれて病院近くのホテルへ前泊のために移動する。普段より1時間ほど早い出発だったけれど、タイミングよく始発電車に乗れたので、しっかり良い席を確保出来た。読みかけだった文庫の残りを読んでしまい、本を買うために宿泊するホテルに隣接するショッピングセンターに行くつもりだったのだけれど、緊急事態宣言中で1時間早いクローズになっており、間に合わなかった。
 何も読む本がないととても長い病院滞在時間をやり過ごせないので、諦め切れず何軒かコンビニを廻ったけれど、残念ながら紙の文庫本を置いている店舗は全くなかった。もはや皆電子書籍かスマホなのだろうか。しょぼくれて部屋に戻る。

 12階のシングルルーム。先週のホテルと違って20度に部屋が冷えており、ちょっと寒いくらいで、慌てて温度を上げた。母にDuoでご機嫌伺い。早くもお風呂に入るところだということで、そそくさと切って明朝再度連絡することに。
 視るべき番組もなく、早々と入浴し、お友達に連絡した後、早めの就寝。

 今日から9月、長月。
 朝は目覚ましが鳴る前に自然に目が覚める。浴槽足湯を済ませ、身支度を整えてレストランに降りる。1月に宿泊した時は、客よりスタッフの方が断然多かったけれど、今日は窓側のテーブルは半分ほど埋まっている感じだった。一人客が皆4人テーブルを使わせてもらっている。こんなに空いていたらホテルは本当にあがったり、だろう。オムレツを焼いて頂き、スープを盛り付けて頂き、その他冷たいお料理は一つずつ小皿にラップをかけて用意してあるものを自分で取るビュッフェだ。ちょっとずつ色々頂けるのが嬉しい。果物も少量多品種、ヨーグルトのソースも充実していてハーブティーを頂き、新聞を持って満足して部屋に戻った。

 母にご機嫌伺いのDuo通話をかけたが、いつもながらなかなか出ない。3回延々と鳴らし続けて出ないので諦めたら、向こうからかかってきた。美容院のお迎えが来るのでその支度をしていたとのこと。朝の連続テレビ小説を視、チェックアウトして荷物を預けて病院に向かった。

 曇天だ。いつ雨が落ちてくるかわからないようなお天気。ぐっと気温が下がって肌寒い。あの暑かった日はどこへやら、と言った感じ。今日は採血後、腫瘍内科の診察で先日の検査結果を聞くことになっている。
 病院に到着し、若干並んで受付でIDカードを通す。受付表には60歳2か月とプリントされている。うーん、当たり前だが60歳越えも着実に進んでいる。採血受付へ移動して、ピンク色の受付番号表を取る。電子掲示板を見ると、数人待ちで待ち時間は7分と出ているが、もう私の番号が採血室に入って良いことになっている。急いで部屋に入る。

 ほぼ時間通りに番号を呼ばれた。今日はベテランのYさん。紙テープを黙って出してくださる。今月は4週間後に通院するので2本の採取だ。刺す時、いつもとちょっと違う場所だった感じでちょっぴりチリリとした。抜く時もしかり。

 お礼を言って席を立ち、止血をしながら向かいの腫瘍内科へ移動した。まだ受付が始まっていないのか、紙の番号札を取って待つように言われる。いつもと違うので、番号札に気づかず並んで待ってしまう人もいて、患者同士で声をかける。
 それほど待たずにいつものクラークさんから番号を呼ばれる。今日は一人でてんてこ舞いで、札を出す形式にしているそうで恐縮されていた。月初めなので保険証もお見せして、いつものように問診票の追加を頂く。今回も息切れ以外全て「ない」に〇をして、息切れ「ある」の前に“たまに”を追加した。
 
 今日のお供の本がない。新聞も読み終わってしまい、急いで院内売店に本を買いに行くと、シャッターが閉まっている。ここもコロナ禍で閉店か、と焦る。コンビニは営業中。そこの店員さんに訊くと、9時オープンとのこと。フライングだった。
 10分ほどして再び売店へ。開いていた。紙の文庫本も扱っていてほっとした。新刊は殆どなかったけれど、今年になって発行のものを1冊見つけたので、それを購入。カードも使えるようになっていた。

 選んだのは大島真寿美さんの「モモコとうさぎ」(角川文庫)。
 可愛いイラストの表紙だ。帯には「何も持たないモモコが自分の手で世界を変えてゆく 生きづらい日常に風穴をあける、わたしたちの人生応援歌!」とある。大島さんの作品もいくつか拝読しており、ハートウオーミングなものが多いので手に取った。後ろ表紙には「モモコ、22歳。終活に失敗して、バイトもクビ。やりたいこともわからず部屋にこもってちくちくちくちく縫い物に没頭する日々を送っていた。だが、家を出なくてはならない日がやってきて・・・。たゆたうように歩くモモコが背負うリュックの中にはうさぎが1匹、じっと彼女を見守っている。外国人労働者、格差社会、限界集落、超長寿社会、地方の共同体・・・よるべない私たちの現実と憂鬱、そして希望を描く」とあるとおり、実はとても社会派の物語だった。カバーなしで読んでいたら表紙を見た化学療法室の看護師さん複数から「可愛い」と言われた。確かにパステルカラーの癒し系だ。

 採血から1時間ほど経過して、本の切の良いところで血圧測定。104-66、脈拍が94。
 ”中待合いへどうぞ”に番号が出たのは受付終了から2時間近く経ってからのこと。待合い椅子はそれほど混んでいないが、一人一人の患者さんに時間がかかっているようだ。そこから20分ほど待って、先生がお顔を出された。今日は病院チェックインから先生にお目に罹れるまでにたっぷり2時間半近く。

 「おはようございます。」と挨拶して、荷物を籠に、自分の体調管理ノートやエンハーツダイアリー等を出して席に着いた。
 「さて、3週間、いえ4週間ですね、どうでしたか・・・。」と訊かれ、「1週間元気な時間が延びるのはとても大きかったです。復調はカイトリル、エルカルチンを飲み終わる治療翌週末までかかります。」と返事をする。

 「採血の結果は問題ありません。データはプリントアウトします」とのこと。なるほど白血球は4,100、好中球は1,250ほどある。十分だ。今日は簡易検査だったが、HとLの項目も少な目。相変わらずアルブミンはLだけれど。診察室での検温は6度7分。

 「検査の結果は微妙なんですよ・・・」と仰る。8月と5月のCTの画像がPC画面に並んでいる。右上の腫瘍が少し大きくなっている。けれど、右下と左側のものはあまり変化していない。効いているところと効いていないところがあるということだ。ただあっちもこっちも効いていないというわけでもないし、新しく出現したものもない。

 8年ぶりの骨シンチで自分の全身骸骨像を見ると、胸骨の辺りはT字状に真っ黒。その他真っ黒なのは鼻の辺りと膀胱の部分。それ以外に右肋骨の上方と下方に2か所濃いグレーになっている部分がある。それよりもうちょっと濃いのが左右の腸骨のラインに沿った部分と両肩。
 先生が仰るには、胸骨の濃い集結は良くも悪くももうこのまま変わらないだろうとのこと。そして肋骨の2か所(1か所だと思っていた)は転移に間違いないが、肩や腸骨、鼻は正常な濃い色(薬の集結)なのだそうだ。素人が見たところで全然わからないが、あまりにあちこちが黒くなっていたのでぎょっとしてしまった。

 ということで、エンハーツを今すぐ止める積極的な理由はないという判断になった。今後、3週に1度から4週に1度の投与になるが、そもそも2段階までの減量規定はあれど、間隔については定めがないので、個々の患者の体調に合わせ長く続けられる方がよいので、そのようにしたいとのこと。
 治療続行である。4週に1度の投与の方が予定を入れやすいので有難い。出来れば定年まではこのペースで効いていて欲しいと今の気持ちを正直に伝える。

 先生は「5月のCTを見た時は、これはそろそろエンハーツ中止、治療変更かと思ったけれど、今回うんと悪くなっていない。粘れているので良いと思う。」と仰った。そうだったんだ、と胸をなでおろす。
 早くも年末まで化学療法室の予約が入った。あと4回である。口腔外科の予約がズレて入ってしまっているので、治療後外来に寄って変更をお願いすることになった。

 次回まで4週間分の薬が処方される。「エルカルチンは、気持ちが悪い間は食事がコンスタントに摂れないので、1日4回は飲めません。3回飲むのがやっとです。夕食後、寝るまでに4時間も時間が採れないので、余っています。」と申告して減らして頂いた。タリージェの眠気の酷さについても報告した。肝心の痺れの方は相変わらずだが、少し痛みが軽減されているようだとお話しする。

 お礼を言って、診察室を出、化学療法室へ移動。お一人待っている。受付番号を取り、待合い椅子に座って夫やお友達にライン連絡。すぐにOkさんがイメンドを持ってきてくださってその場で飲み、お手洗いを済ませる。ほどなくしてOkさんに窓側の通路寄りのリクライニングシートに案内された。
 
 環境整備をして読書を再開。40分ほどしてSさんが針刺しに見えた。もうお昼近い。前回より1時間近い遅れ。それなりに痛んでちょっと仏頂面。ここでアクシデント。隣の席の方が食事中に咽て嘔吐してしまったようだ。看護師さんたちがバタバタとフォローに駆け付ける。漏れ聞こえる話によれば、午後3時からのCT検査が予約されており(先週の私と同じ)、12時迄なら食事OKと言われて、急いでおにぎりを頬張っていたようだ。
 リクライニングを倒していたので誤嚥した模様。

 声から察すると結構年配の女性で、自宅ではなく施設に戻るとのこと。娘さんが迎えに来るらしかった。「落ち着いてもまた咽たら困るからもう食べないでね。」と言われていたのに、残すのが嫌だったのかまた食べ始めていて、看護師さんたちはほとほとお困りの様子だった。それにしてもカーテン一枚の隣で嘔吐されるのはなかなかきつい。

 そんなわけで針刺しの後15分以上経ってからKrさんが薬を持っていらした。アロキシ、デキサートミックスからスタートし、ブドウ糖、エンハーツ、ブドウ糖、生食である。始まったら順調。
 本を読んでいると、初めましての薬剤師Kさんがヒアリングに見えたので、状況をお話しする。
 投与後血圧測定もOkさんで、110―70、脈拍は70。小学生のお嬢ちゃんは今日から二学期スタートで元気に登校されたとのことだけれど、感染拡大が心配ですね、という話になる。
 抜針はSさん。やはりそれなりに痛んだ。今日はちょっと外れな針刺しデー。お手洗いを済ませ、お礼を言って化学療法室を出た。

 腫瘍内科で受付表を出し、処方箋のデータをFAXで薬局に送ってから2階の口腔外科の受付で、10月最初の週の予約を最終週に変更して頂いた。
 再び1階の待合いに戻り15分ほど待って自動支払機でお支払い。カードで11万円ほど。

 外に出ると、まだ雨は落ちてきていないが、太陽は全く出ておらずうすら寒い。
 薬局の待合い椅子はそれほど混んでおらず、FAXは無事に届いていたけれど、相変わらず後の番号の方たちにどんどん抜かされる。それでも30分ちょっとの待ち時間だっただろうか。今日の薬剤師さんは初めましての男性だった。エルカルチンが減った以外は前回通りの処方だったので、飲み切れなくて・・・と減量の説明をした。会計が1,000円ほど安かったので、エルカルチンはそれなりの値段なのだなと改めて思う。今日の病院と薬局の滞在時間は合計で6時間強。

 ホテルに荷物を預けて出かけていたので病院往復が身軽で楽だった。荷物を取りにホテルに寄らなければならないので、隣接ショッピングセンターで文庫を数冊買ってからイタリアンレストランで遅いランチにした。ほとんどおやつのような時間だったので、空いていると踏んだのだけれど、ママ友やら若い女子たちのランチ会が複数で開かれていた感じで、笑い声やお喋りの声がそれは賑やかだった。

 見れば黙食とは程遠く、マスクを付けずにお喋り全開のお食事中。私は持病も抱えているし、罹患したくないので1年半以上お友達との会食は徹底的に避けているけれど、世の中の人全てがそうしているわけではないのだな、と改めて思う。長丁場になっているから段々我慢できなくなっているのかもしれない。

 本を読むにはちょっと辛かったかな、と後悔したけれど、1人で4人テーブル席に座らせて頂いたし、以前から気になっていたレストランだったので、前菜3種、クワトロフォルマッジのピザ、イチジクのタルトとレモンティーのちょっと贅沢なコースにした。
 ピザにはイタリア産のアカシア蜂蜜が添えられていて、味を替えて楽しめて美味だった。朝も昼もきちんと頂けば、夜ろくに食べなくても今日の食事はOkである。
 フロントで預けた荷物を受け取り、態勢を立て直して帰路についた。なんとか席を確保して本の残りを読み切った。

 自宅最寄り駅に戻ってきたのは普段より1時間ほど遅かった。文庫本を買い込んでしまったので荷物も重いし、雨が降っていたらタクシーで帰ろうかと乗り場を見たら、長蛇の列。これでは先日の二の舞だし、ポツポツ程度の降り方だったので、諦めてのろのろと歩いた。
 帰宅後は生協のお届け品を取り込み、収納。食洗器やら薬の整理やらの片付けが終わらないうちに夫が帰宅した。

 なかなかお腹が空かないので、頑張れるうちにこのブログを書いている。
 夕飯の支度は端から諦めていて、生協で冷やしきしめんや蕎麦、お寿司等すぐに食べられるものを注文していた。夫にはそれを食べてもらった。
 明日は通常出勤。なんとか乗り切らなくては。
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