夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈は行〉

2006年12月29日 | 映画(は行)
《は》
『初恋』
1968年、日本中が驚いた「三億円事件」。
真相はこんなふうだったのではという思いつきから生まれた同名小説の映画化。
宮崎あおい演じる高校生のみすずは幼いころ母親に捨てられ、
叔母一家のもとへ身を寄せているが、
悪意に満ちた言動を浴びせられ、誰にも心を開けない。
ある日、母が連れて行ったはずの兄を名乗る男がみすずに会いにくる。
彼から受け取ったマッチを頼りに学校をさぼって訪れたジャズ喫茶。
そこには世間に不満を持つ若者たちが集まっていた。
自分の居場所を見つけたみすずはそこに顔を出すようになり、
常連の東大生、岸に想いを寄せるようになる。
岸は世間をあっと言わせてやろうと三億円強奪事件を計画、
みすずを呼び出すと、「おまえにしか頼めない」と協力を求める。
あり得ね~と思いつつ、恋する相手の力になろうと懸命なみすずの姿にはジーン。
「あなたとなら、時代を変えられると信じていた」、このコピーも好き。

《ひ》
『火火』
滋賀県信楽町、焼物の里。
夫が女を連れて逃げ、女手ひとつでふたりの子どもを育てた陶芸家、
神山清子を描いた実話。食べる物にも困るような生活を続けながら、
自分の信じた方法によって焼物を作ることを諦めず、やがてそれが実を結ぶ。
そんな矢先、同じく陶芸家を目指すことを決意した息子が白血病で倒れる。
金策に駆けずり回り、それでもどんな夢もあきらめない姿には
めちゃくちゃパワーをもらいました。
骨髄バンクの設立に尽力した彼女の生き方は必見。

《ふ》
『ふたりの5つの分かれ路』(原題:5X2)
フランスの作品。ストーリーは常に説明しにくい作品ばかり、
でも目が離せないフランソワ・オゾン監督。
ある夫婦の恋愛の奇跡を離婚から順にさかのぼる手法を取っています。
離婚、特別なディナー、出産、結婚式、出会い。
それぞれが分かれ路になっているんですね。
キャッチコピーは「出会わなければ よかったの?」。
でも、出会わなきゃ何もないし。何もないほうがよかったの?

《へ》
『ヘレンとフランクと18人の子供たち』

《ほ》
『ホテル・ルワンダ』(原題:Hotel Rwanda)
未見のときに書いたこちら参照。
こういう民族紛争の歴史は知っておきたいです。
内容が良いとか悪いとかは別にして、
私たちが平和に暮らしている間に、
こんなことの起きている地があるんだということを。
ちょっと偽善的かなぁ、このコメント。

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今年観た映画50音順〈な行〉

2006年12月29日 | 映画(な行)
《な》
『南極物語』(原題:Eight Below)
ご存じ、高倉健主演の『南極物語』(1983)のリメイク、ハリウッド版。
米科学財団南極基地のガイドを務めるジェリー。
8頭の犬ぞり犬たちが彼のかけがえの仲間。
ある日、長期間に渡る大荒れの天候が予測され、
基地のスタッフに避難命令が出される。
ヘリコプターに犬たちまで乗せることはできず、
ジェリーは必ず迎えに来ると約束して基地を後にする。
予告編のほうが泣かされました。
泣く気満々で観たものだから、ちょっと肩すかし。
でも、犬たちは文句なく愛らしい。
あの犬たちを見て泣けないと、自分が非情な人間のような気が。

《に》
『ニコラス・ケイジのウェザーマン』(原題:The Weather Man)
シカゴのローカルテレビ局のお天気キャスター、デイヴ。
夢はニューヨークの人気番組『ハロー・アメリカ』のお天気キャスターになること。
しかし、著名な作家である父親を持つ彼は劣等感のかたまり。
別れた妻には未練たらたら、娘は肥満をネタに学校でからかわれ、
息子は警察の世話になり、世の中うまく行かない。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』と同監督の作品。
こんなに芸風(?)がちがうのは意外です。
天気予報が外れるたびに街角でファストフードを投げつけられるデイヴのファストフード評が痛快。
ハンバーガーはもちろん、チキンナゲット、ポテトといろいろぶつけられて嘆きます。
安価でお手軽、栄養価はないに等しい。自分もそんな存在なのかと。
でも、いくら安価でお手軽でも、食べ物を粗末にしないで。

《ぬ》
なし。この日記を始めた2002年以来、
「ぬ」で始まる映画って観てませんね。

《ね》
『寝ずの番』

《の》
『ノエル 星降る夜の奇跡』(原題:Noel)
クリスマス・イヴのニューヨーク。
入院中の母の看護に疲れたバツイチのローズは
ロマンティックな話からは遠ざかり、もう恋に望みを持てないでいる。
ニーナとマイクは熱々のカップルに見えたが、
マイクのあまりの嫉妬ぶりにニーナは逃げ出す。
追いかけたマイクがぶつかったのはカフェの初老のウェイター。
以前、初対面のマイクにまるで旧知の間柄かのように声をかけてきたのが彼だった。
やがて、マイクは、アーティが死別した妻を自分の中に見取っていることを知る。
前述の『天使』の舞台を東京からニューヨークに移したような群像劇。
「みんなどこかでつながっている」という群像劇には皮肉な話が多いけれど、
これは優しく温かい。小粒ながらオススメ。

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