夜な夜なシネマ

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『どんずまり便器』

2013年04月18日 | 映画(た行)
『どんずまり便器』
監督:小栗はるひ
出演:菜葉菜,中村邦晃,菅原佳子,宇野祥平,玄覺悠子,菅田俊他

2012年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭で評判を呼んだ作品で、
関西では秋ごろ第七藝術劇場で上映されました。
強烈なタイトルが気にはなったものの、観に行くタイミングは逃し、
このほどDVD化されたので、先週のレンタル開始初日に借りました。

監督はENBUゼミナールの卒業生で、熊切和嘉監督のクラスだったそうな。
熊切監督といえば、私がよう観んかった『鬼畜大宴会』(1998)でデビュー、
『青春☆金属バット』(2006)、『ノン子36歳(家事手伝い)』(2008)、
最近の作品では『莫逆家族 バクギャクファミーリア』(2012)と、
好き嫌いは別にして、暴力的で生々しいシーンにインパクトがあります。
桜庭一樹原作の『私の男』も熊切監督によって映画化、来年の公開が決まっていて楽しみなところ。
そんな監督の授業を受けてきた小栗はるひ監督からは、やはり同じ匂いが。

幼い頃に両親を亡くした姉弟、ナルミと圭は、
ふたりだけのある秘密を抱えたまま大人になる。

事件を起こして服役していたナルミが出所、圭が待つはずの実家へと帰るが、
圭はいつのまにかできた恋人のカナと一緒に暮らしていた。
仲睦まじい圭とカナの姿はナルミにとっては拷問。どうにも耐えられない。
行き場のない怒りをカナへと向け、圭を取り戻そうと必死になるのだが……。

ナルミの高校生時代で始まるシーンは生々しくて不快。
いとも簡単に同級生にからだを投げだし、
気になる理科教師の精液をこっそり盗み出すと(それを置いておく教師もどうかと思うけど)、
持ち帰って弟の圭の面前で自分に注入。ゲロゲロ~。

徹頭徹尾「性」を描く映画にしたかった、
家族愛を思い出してもらえたら……と監督は語っていますが、う~ん、難しい。

だけど、タイトルも内容も、絶対に忘れることはないでしょう。
これ、観たっけ?なんて思うことは決してない。
良くも悪くも印象に残る作品であることはまちがいありません。

こういう作品を観て思うことは、出演陣のルックスは観る者にとって大事だということ
圭と教師がイケメンだったら、不快度は下がった気がします。すみません。(^^;

ちなみに、こんなに生々しくても女優が脱いでるシーンは皆無です。
R指定もないようですが、子役たち、特に幼少期の圭役の男の子、
こんな演技をさせられたらトラウマにならないか心配してしまうのでした。

「どんずまり」じゃなくて「どんづまり」じゃないのか?
と、しょうもないところでまず引っかかってしまう私。
でもこうして字面を見ると、「ず」のほうが強烈ですね。

今後どんな作品を撮るのか、ちょっと注目したいと思います。

後日談ですが、『舟を編む』を観たら、理科教師役の俳優さんが!
という話は『舟を編む』のときに。

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