夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『女の穴』

2014年07月14日 | 映画(あ行)
『女の穴』
監督:吉田浩太
出演:市橋直歩,石川優実,小林ユウキチ,布施紀行,青木佳音,酒井敏也他

7月の第1週に1週間限定でナナゲイにて上映。
『オチキ』(2012)の監督ということで気になってはいたものの、
観に行くにはスケジュールが合わないし、DVD化されてからでいいかと思っていたら、
上映期間とかぶって7月5日にレンタル開始、さっそく借りましたがな。

『オチキ』は私の苦手なう○こネタで終わりましたが、それを抜きにしても作品の印象は強く。
その後、DVDで観た同監督の『うそつきパラドクス』(2013)は同名漫画が原作で、
八日堂(ヨーカドー)くんとか栖佑(西友)さんとか大桑(オークワ)くんとか、
登場人物の名前がすべてスーパーの名前。
わりと最近観たのに、その点しかおぼえていないという、これ如何に。(^^;

ついでに最新作は『ちょっとかわいいアイアンメイデン』(2014)だそうで、
他監督にも『メタルカ METALCA』(2014)というタイトルの作品があったりして、
なぜにみんなヘヴィメタ系なの。そんな流れが来ているのでしょうか。

さて、本作は女流漫画家ふみふみこのデビュー短編集の映画化。
“女の”シリーズ3本のうちの2本、“女の穴”と“女の豚”を併せて1本の映画に。
セルDVDはR-18指定、レンタルDVDはR-15ですと。
いずれにせよ、このぶっ飛びぶり、誰かに薦めたら変態と思われることでしょう。

卒業アルバム製作委員会の打ち合わせに参加中の幸子(市橋直歩)。
美人だが極度におとなしい彼女は日頃存在感なし。
しかし、委員会の担当教師・福田(小林ユウキチ)が委員長立候補者を募ったところ、
ほかの生徒はまるでやる気なし、幸子ひとりが手を挙げる。

福田と幸子、ふたりきりになったとき、幸子が突然言い出す。
「私と子どもをつくってください」。
幸子が言うには、自分は異星人
地球人との間に子どもをつくって星に還らなければならない。
私は子どもがほしい、先生は性交がしたいでしょ、
卒業式は半年後、おなかが目立つ前に私は還るから、誰にもバレないよと。
それはマズイよと言いつつも、福田はみかん畑で幸子と密会。
ふたりで一緒にいるところを元カノのめぐみ(青木佳音)に見られるのだが……。

これが“女の穴”。“女の豚”はと言いますと、次のようなお話。

冴えない男性教師の村田(酒井敏也)はゲイであることをカミングアウトできない。
やんちゃな美形男子生徒・取手(布施紀行)に密かに想いを寄せ、
放課後の誰もいなくなった教室で取手の机相手に身もだえしている。
その現場を押さえた女子生徒・小鳩(石川優実)は、
みんなにバラされたくなかったら、自分の豚になれと村田に言い放つ。

実は小鳩は村田のことが好き。
伝わらない自分の気持ちにイライラして、歪んだ形で愛情を村田にぶつける。
もうこんなことは止めようと思うが、
もうひとりの自分が徹底的に村田をいじめようと囁きかけ……。

一見別の話ですが、同じ高校での出来事だという設定です。

R-15とかR-18の基準って興味深いです。
私が観たのがR-15だとすれば、R-18はいったいどんなことに?
けれどもヤラシイというよりはキモいんです。(^^;

幸子役の市橋直歩はスカートを穿いたまま村田に跨がるだけで脱がないし、
なにせ異星人ですから、動いている間、ひたすら無表情。
めぐみ役の青木佳音はグラビアアイドルらしくかわいいですが、
いちばん脱ぎっぷりのいい小鳩役の石川優実は今年27歳。
なんぼお下げ髪にしたところで、女子高生役をやられてもコスプレにしか見えず。
脱いだら凄いんですということもなく、痛々しい。
痛々しい役柄なんだから、ピッタリということもできますが。(--;

唯一、観る前から知っていたのは村田役の酒井敏也。
このところ大久保佳代子と熱愛かヤラセかと噂されているようで、
熱愛が本当だとしても、こんな出演作を観たら引くやろなぁ。
だけど、チビでハゲでゲイで、そんな悩みを彼が吐露する場面は悲哀に満ちていて、
ちょっと放っておけない雰囲気……でもないけど。

監督作が増えて、もっとお金をつぎ込めるようになったら、
出演陣も一気に華やかになるのかもしれません。
変態度が高いので、好きとは言えないけれど、これからも気になる監督さんかと。

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