夜な夜なシネマ

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『サムライマラソン』

2019年03月08日 | 映画(さ行)
『サムライマラソン』
監督:バーナード・ローズ
出演:佐藤健,小松菜奈,森山未來,染谷将太,青木崇高,木幡竜,
   竹中直人,筒井真理子,門脇麦,豊川悦司,長谷川博己他

TOHOシネマズ梅田で、2本ハシゴの2本目。
『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』の次に。

前日に5本ハシゴした後に飲んで食べて深夜帰りした疲れが残っています。
本作の予告編上映中に睡魔に襲われ、本編開始となったときも眠い眠い。
果たして最後まで眠らずに耐えられるかどうか心配でしたが、
期待していたよりも面白かったおかげで寝ずに済みました。

日本初のマラソン大会といわれる「安政遠足(とおあし)」をモチーフにした、
土橋章宏の時代小説『幕末まらそん侍』を映画化。
監督は『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』(2013)のバーナード・ローズ。
日本作品にこうしてイギリス人監督を迎えることになったのは何故? 親日派?

1855(安政2)年、ペリー提督(ダニー・ヒューストン)が来航し、
日本は開国の圧力に抵抗しがたくなっていた。
ペリーから幕府大老・五百鬼祐虎(豊川悦司)に銃が届けられたとの話を
安中藩主・板倉勝明(長谷川博己)は聞いて大いに焦る。
西洋の武器を手に攻め込まれたら敵わない。この藩は一溜まりもないだろう。
外国の侵略から藩を守るためには藩士たちが強くあらねば。

そう考えた勝明は、藩士の心と体を鍛練するために遠足(とおあし)をおこなうと宣言。
50歳以下の藩士は全員強制参加を命じられて戸惑うが、
勝者はどんな願いも叶えてもらえると知り、色めき立つ。

そんななか、勝明の娘・雪姫(小松菜奈)が城から脱走。
絵を得意とする雪姫は、江戸に行ってもっと絵を学びたい。
それを勝明に反対されたせいで、なんとか江戸に行くべしと城を飛び出したのだ。
雪姫の婿の座を狙っていた藩士・辻村平九郎(森山未來)を含め、城内は大騒ぎ。

安中藩の勘定方・唐沢甚内(佐藤健)は、実は祐虎に仕える隠密。
勝明が藩士らに招集をかけた時点で、不穏な動きがあることを祐虎に報告済み。
その後、単なる遠足であることがわかって報告を撤回しようとするが、
かねてから勝明を警戒していた祐虎は、今こそ勝明の潰し時だと判断。
遠足を謀反の動きとみなして刺客を送り込むのだが……。

キャストが楽しい。
甚内が隠密だというのは早くから明かされることなのでネタバレにならないはずですが、
ほかにも隠密ぞろぞろ。それは書かずにおきますね(笑)。

遠足前日に歳を理由にしてクビにされた栗田又衛門に竹中直人
50歳以上でも参加してはならぬとの決まりはなさそうだからと、
立派な侍になりたいという少年と一緒に走ります。
そのふるまいはやっぱり竹中直人で、『シコふんじゃった。』(1991)を思い出させる演技。
同じく藩士の植木義邦に青木崇高。この人、優香と結婚してから肥えてません?
足軽役の染谷将太がいい味を出しています。

低評価のレビューが多いようですけれど、私は結構楽しめました。
隠密ではあっても、藩主を貶めるようなことはしない、
正しいことをしたいという信念のもとに動いているのはいい。
ただ、こんな隠密は隠密として信頼はされないでしょうけれど。(^^;

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