夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『天国でまた会おう』

2019年03月29日 | 映画(た行)
『天国でまた会おう』(原題:Au Revoir La-Haut)
監督:アルベール・デュポンテル
出演:ナウエル・ペレス・ビスカヤール,アルベール・デュポンテル,ロラン・ラフィット,
   ニエル・アレストリュプ,メラニー・ティエリー,エロイーズ・バルステ他
 
『君は月夜に光り輝く』を観に行ったさい、
箕面で飲み友だちの兄さん夫婦とばったり会ったと思ったら、
翌日は梅田で本作を観たさい、飲み友だちの姉さんとばったり。
上映前のトイレの行列に並んでいた姉さんが、
個室から出てきた私を見つけて肩をポンッと。2日続けての偶然にビックリ。
両日共、私はまったく気づいておらず、向こうから見つけてもらいました。
日頃からいかにボーッと歩いているかということですね。(^^;
 
どうしても観たかった作品なのに、前日に西宮での上映が終了、
私の行動範囲内で上映しているのはもうここだけ。
大阪ステーションシティシネマへ最終日に滑り込み。
良い作品でした。もう少し上映を延長してくれてもよさそうなところ。
 
あんなえげつない(好きだったけど)小説を書く人がこんな小説も書くなんて。
 
1918年第一次世界大戦中、休戦目前の西部戦線。
身を潜めてじっとしていればすぐに休戦だというのに、
プラデル中尉から見回りを命じられた兵士。
命令に背くこともできずに従った瞬間、撃たれて死亡する。
 
撃ったのは敵ではなく、プラデル中尉であることに気づいたために、
自分も殺されそうになった兵士アルベールは、
生き埋めになりかけたところを若い兵士エドゥアールに救出される。
ところがその直後に爆撃に遭い、エドゥアールは顔に重傷を負う。
 
休戦を迎えたパリでは、戦没者が称えられ、帰還兵には冷淡。
エドゥアールは退院しても父親や姉が待つ家に戻りたくないと言い張る。
アルベールも勤めていた銀行への復帰は叶わず、恋人も去ってしまう。
そこで、腹を括ったアルベールはエドゥアールの死を偽装。
名前も身分も偽って、ふたりで新しい生活を始める。
 
顔の下半分を失ったエドゥアールは、もともと絵が得意。
慰めになればとアルベールが用意した画材を用い、仮面を作り上げる。
 
穏やかともいえる毎日だが、ふたりの生活は困窮。
そこで、エドゥアールが大がかりな詐欺を思いつき、
大家の娘で孤児だった少女ルイーズの協力を得て実行に移すのだが……。
 
ルメートルがこんな話を?へ~っ!と驚きましたが、
エドゥアールが負った傷のえぐさを想像すると(画面には映りません)納得(笑)。
でもそれ以外は悲しくて、切なくて、あったかい。
仮面やスケッチのおかげでファンタジーのようでもあります。
 
実話が基だといって感動を煽り気味の作品も多いなか、
こんな素敵なフィクションを見せてもらえると嬉しくなる。
しかし、こうして愚かな戦争には終止符が打たれたはずなのに、
この後に第二次世界大戦が起こったという現実がやるせない。
 
本作の鑑賞後、上映前にトイレで会った姉さんと1杯飲みに行きました。
映画の後の1杯、楽しい!

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