夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈な行〉

2006年12月29日 | 映画(な行)
《な》
『南極物語』(原題:Eight Below)
ご存じ、高倉健主演の『南極物語』(1983)のリメイク、ハリウッド版。
米科学財団南極基地のガイドを務めるジェリー。
8頭の犬ぞり犬たちが彼のかけがえの仲間。
ある日、長期間に渡る大荒れの天候が予測され、
基地のスタッフに避難命令が出される。
ヘリコプターに犬たちまで乗せることはできず、
ジェリーは必ず迎えに来ると約束して基地を後にする。
予告編のほうが泣かされました。
泣く気満々で観たものだから、ちょっと肩すかし。
でも、犬たちは文句なく愛らしい。
あの犬たちを見て泣けないと、自分が非情な人間のような気が。

《に》
『ニコラス・ケイジのウェザーマン』(原題:The Weather Man)
シカゴのローカルテレビ局のお天気キャスター、デイヴ。
夢はニューヨークの人気番組『ハロー・アメリカ』のお天気キャスターになること。
しかし、著名な作家である父親を持つ彼は劣等感のかたまり。
別れた妻には未練たらたら、娘は肥満をネタに学校でからかわれ、
息子は警察の世話になり、世の中うまく行かない。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』と同監督の作品。
こんなに芸風(?)がちがうのは意外です。
天気予報が外れるたびに街角でファストフードを投げつけられるデイヴのファストフード評が痛快。
ハンバーガーはもちろん、チキンナゲット、ポテトといろいろぶつけられて嘆きます。
安価でお手軽、栄養価はないに等しい。自分もそんな存在なのかと。
でも、いくら安価でお手軽でも、食べ物を粗末にしないで。

《ぬ》
なし。この日記を始めた2002年以来、
「ぬ」で始まる映画って観てませんね。

《ね》
『寝ずの番』

《の》
『ノエル 星降る夜の奇跡』(原題:Noel)
クリスマス・イヴのニューヨーク。
入院中の母の看護に疲れたバツイチのローズは
ロマンティックな話からは遠ざかり、もう恋に望みを持てないでいる。
ニーナとマイクは熱々のカップルに見えたが、
マイクのあまりの嫉妬ぶりにニーナは逃げ出す。
追いかけたマイクがぶつかったのはカフェの初老のウェイター。
以前、初対面のマイクにまるで旧知の間柄かのように声をかけてきたのが彼だった。
やがて、マイクは、アーティが死別した妻を自分の中に見取っていることを知る。
前述の『天使』の舞台を東京からニューヨークに移したような群像劇。
「みんなどこかでつながっている」という群像劇には皮肉な話が多いけれど、
これは優しく温かい。小粒ながらオススメ。

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今年観た映画50音順〈た行〉

2006年12月28日 | 映画(た行)
《た》
『ターネーション』(原題:Tarnation)
ジョナサン・カウエットという、31歳の無名の俳優が、
超低予算で撮影して話題になったドキュメンタリー。
ジョナサンの母は精神不安定なモデル。
彼は里子に出され、そこで虐待を受ける。
やがて彼は同性愛と音楽と映像の世界へ。
ラリラリのストーリーと映像に、こっちの頭もラリラリ。

《ち》
『チアガールVSテキサスコップ』(原題:Man of the House)
チアガール5人組が殺人事件を目撃、彼女たちも狙われる。
テキサス・レンジャーのシャープは彼女たちを護衛するため、
女子寮で共同生活を送ることに。
トミー・リー・ジョーンズ主演ながら日本では未公開。
堅物の中年男のシャープとイマドキの女子大生が最初は険悪ムード。
彼女たちがシャープのデートに力を貸したりして、
信頼関係の築かれてゆく過程がめちゃ楽し。

《つ》
『綴り字のシーズン』(原題:Bee Season)
スペリング・コンテストってご存じでしたか。
ややこしいスペリングの英単語をどれだけ綴れるかを競うもの。
リチャード・ギア演じるソールは、
自分の娘に優れたスペリングの能力を見いだす。
いままで息子に向けられていたソールの関心は娘へ。
娘を全国大会で優勝させるべく、ソールの特訓が始まる。
それをきっかけに家族は崩壊の危機へ。
スペリング・コンテストの模様を描いたドキュメンタリー、
『チャレンジ・キッズ 未来に架ける子どもたち』(2002)と併せて観ると面白い。

《て》
『天使』
恋に腰が引けているコンビニ店員。
幼い娘と恋人の間で思い悩むシングルファーザー。
学校でいじめに遭っている女子中学生。
そんな人びとのもとへ天使が舞い降りて、そっと力を与える。
ジンライムに目がない天使に深田恭子。
好きだったのは、シングルファーザー(永瀬正敏)とその恋人(永作博美)のやりとり。
「今までどおり、やっていけないかな、俺たち」。「無理だよ」。
「……」。「無理だよ、今までどおりなんて。今まで以上じゃなきゃ」。
恋は「今まで以上」で。

《と》
『トレジャー・ハンターズ 進め!笑撃冒険王』(原題:Without a Paddle)
かつて仲良し4人組だったダン、ジェリー、トム、ビリー。
事故死したビリーの葬儀で残りの3人が再会。
昔、冒険ごっこをして遊んだ彼らは、ビリー追悼のため、
ビリーの残した地図を頼りに宝探しに出かける。
副題どおり超B級。しかし、めちゃめちゃ笑えます。
ジャングルに迷い込んだ彼らが、男同士でくっつきたくないと思いつつ、
寒さに負けてハダカで抱き合って眠るシーンは笑い泣き。

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今年観た映画50音順〈さ行〉

2006年12月26日 | 映画(さ行)
《さ》
『サマリア』(英題:Samaria)
大の仲良しの女子高生ヨジンとチェヨンが、
旅行資金を貯めるために援助交際を始める。
ヨジンはホテルの外で見張り役、チェヨンが客を取る。
ある日、警官の取り締まりから逃れようとしたチェヨンが転落死。
ふたりで旅行する夢も絶たれ、ヨジンが罪滅ぼしにと考えたのは
チェヨンの顧客に連絡を取り、金を返すこと。
ヨジンはチェヨンの顧客と寝ては金を返し始める。
刑事であるヨジンの父親が娘の行動に気づき……。
キム・ギドク監督の作品はいつもテーマが強烈で、目が離せません。
が、毎回、衝撃が大きすぎて、しばし呆然。

《し》
『疾走』
「沖」と「浜」、そう呼ばれるふたつの地域に分かれる干拓地。
双方の住人はお互いを忌み嫌い、近寄ろうとしない。
浜の少年、シュウジも沖には近寄らずに暮らしてきた。
しかし、あるとき沖のヤクザに助けられ、
それをきっかけに沖に出入りするようになる。
やがてシュウジにこれでもかというぐらい降りかかる不幸。
優秀だったはずの兄が放火、両親は心中、ひとり残されたシュウジは……。
『POSTMAN BLUES ポストマン・ブルース』(1997)のSABU監督による、
重松清の同名小説の映画化。
ヤクザに寺島進、そのオンナに中谷美紀、沖の教会の神父に豊川悦司。
みんないい味、出してます。
どの作品でも登場人物がひた走るSABU監督作。
これも走ってますけど、その先には死。暗い。

《す》
『スクラップ・ヘブン』
ある日、路線バスが乗っ取られる。
乗客は警官のシンゴ、普通の若者テツ、義眼の女サキだけ。
警官でありながら怖じ気づいたシンゴは
犯人が自殺するまで何の抵抗もできないままだった。
3カ月後、街で偶然再会したシンゴとテツ。
テツから復讐請負人に誘われたシンゴは
誰かを痛めつけることに快感を覚えていく。
『疾走』とは異なる暗さと絶望感。
相変わらずいいです、オダギリジョー。

《せ》
『セブンソード』(原題:七劍)
香港のアクション映画の巨匠、ツイ・ハーク監督作。
17世紀後半、清王朝建国後の中国。
漢族の滅亡を図る清朝は、武術に長けた民衆を次々と殺す。
そんな清軍に立ち向かうため、立ち上がった7人の剣士。
ややこしい歴史的背景はさっぱり頭に入らないけど、
それなりに派手な戦いのシーンは飽きません。

《そ》
毎年順調にこなしてきた「そ」で今年は撃沈。
『ソウ3』も未見なので書けません。

なんで「さ行」って暗いのん?

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今年観た映画50音順〈か行〉

2006年12月21日 | 映画(か行)
《か》
『カレの嘘と彼女のヒミツ』(原題:Little Black Book)
テレビ局に勤めるステーシーは運命の恋人デレクと同棲中。
幸せいっぱいのはずが、ふと覗いてしまった彼の電子手帳。
そこには彼の過去の恋人のことが事細かに記されていた。
気になって仕方のないステーシーは取材と偽り、
彼の元カノに片っ端から会いに行くが……。
彼のことが大好きで、信じたいけど確証がほしい。
自己嫌悪に陥りつつ、彼の過去を調べずにはいられないステーシーを
ブリタニー・マーフィが可愛らしく好演。最後は泣けます。
原題は“The Little Black Book”、つまり電子手帳のこと。
このヒドイ邦題には目をつむって。

《き》
『キャプテン・ウルフ』(原題:The Pacifier)
アメリカ海軍特殊部隊に所属するウルフは、
ある秘密を隠し通して殺害された研究者の家族の護衛を命ぜられる。
訪れた研究者宅にはクソ生意気な5人の子どもが。
オムツを穿いた赤ん坊にナメられてはコワモテのウルフも形無し。
スキンヘッドのヴィン・ディーゼルの悪戦苦闘ぶりが笑えます。
お決まりですが、最後はホロリ。

《く》
『クラッシュ』(原題:Crash)
人種差別と銃が氾濫する国ならではの群像劇。
差別主義者の白人警官と、その姿に疑問を持つ若い同僚。
白人を信用できない黒人青年たち。ペルシャ人の雑貨店経営者。
表向きは黒人に理解を示す地方検事と、神経症的なその妻。
さまざまな階層のさまざまな人びとの人生が絡み合います。
硫黄島二部作の脚本家、ポール・ハギスの監督作であることにもご注目。

《け》
『県庁の星』
県庁のキャリア公務員が民間企業との人事交流研修のメンバーに。
研修を無事終えれば出世が確約されている。
意気揚々と出向いた先はド田舎のスーパー。
しかも自分の教育担当となったのはパートの女店員。
常にマニュアル最重視、態度ばかり大きい彼の言うことには
誰も耳を傾けず……。
こっそり織田裕二の出演作ファンです。
TVドラマで十分という感は否めませんが、やっぱり楽しい。

《こ》
『恋人はゴースト』(原題:Just Like Heaven)
女医のエリザベスは、帰宅途中の事故で昏睡状態に。
彼女の住居であったマンションの新しい借り手は
妻を亡くしたばかりのデヴィッド。
ところが、引っ越してきてみると、部屋の中にひとりの女性が。
どうやら彼女は病院から抜け出してきたエリザベスの魂で、
デヴィッドにしか見えないらしい。
奇妙な共同生活を送るうち、かけがえのない存在になるという
ありがちな展開だからこそ落ち着けます。

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今年観た映画50音順〈あ行〉

2006年12月20日 | 映画(あ行)
念願の年間300本の壁を破りました。
毎年、280本は可能でも、あと20本が困難に思えていたので、
達成できて脱力。だけど、来年はもう無理!

人生最初で最後になるかもしれない300本越えの中から、
良くも悪くも印象に残った映画を五十音順に1本ずつ。
できるだけ今年封切orレンタル開始を選んでいます。
ネタバレ御免。

《あ》
『愛についてのキンゼイ・レポート』(原題:Kinsey)
2万人近い一般人に、性についてのインタビューをおこない、
その実態の解明に取り組み続けた実在の研究者、
キンゼイ博士の生涯を描いています。
SEXレポートなんて御法度だった1940~50年代、
大ベストセラーとなったキンゼイ・レポート。
「愛って何?」。そう問われる、めっちゃ硬派な作品。

《い》
『インサイド・マン』(原題:Inside Man)
マンハッタンの銀行で繰り広げられるサスペンス。
人質を取って立てこもる強盗団のリーダーに
宇梶剛士のそっくりさん、クライブ・オーウェン。
そのリーダーとの交渉役を務める刑事にデンゼル・ワシントン。
さらには、ワケありの銀行のオーナーが雇った、
凄腕の女性弁護士にジョディ・フォスター。
ちと難解ですが、これだけ役者が揃えばおもしろいに決まってる。

《う》
『ウィークエンド・ブルース』
失恋したばかりのサラリーマンが、
気休めに友人がくれた怪しい薬を飲んだところ、失神。
気づいたときには丸一日経過、知らない土地の路上で倒れていた。
空白の週末に何が?
今年観た映画の中で、確実に私のベスト3に入る、
『運命じゃない人』(2004)と同監督のデビュー作。
これもよく出来てます。それにしても女ってコワイ。

《え》
『エリザベスタウン』(原題:Elizabethtown)
大手靴メーカーのデザイナー、ドリューが手がけた新商品。
自信を持って売り出したはずだったが、見事にスベる。
巨額の損失に会社は倒産寸前、ドリューはクビに。
自殺を決意したところへ、父の訃報が。
故郷へ帰る飛行機で、ある客室乗務員に出会って……。
大好きな監督の作品です。
ひと晩中、ふたりが話すシーンが特に好き。眠気も吹っ飛ぶ。

《お》
『夫以外の選択肢』(原題:We Don't Live Here Anymore)
アンマリなこの邦題。
おそらく、ナオミ・ワッツの人気が出たから
昔の未公開作もDVD化しとこか~てなノリ。
夫の同僚と関係を持った主婦のドロドロ不倫劇。
不倫相手から実は愛されていたと知ったときの彼女の表情が印象的。
結局夫とも不倫相手とも別れる道を選ぶんですけどね、彼女。

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