電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」

2005年04月10日 15時07分17秒 | -協奏曲
今朝は、早起きして地区の道路清掃に参加、午前中職場に顔を出し、午後からゆっくり休息、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番を聞いている。
この曲、もともとアルゲリッチ(Pf)とアバド指揮のベルリンフィルの演奏するLP(MG-2128)で親しんだ。
LPは、1967年にベルリンのイエス・キリスト教会で録音されたもので、ジャケット写真のアルゲリッチもアバドも、とても若々しい。演奏も素晴らしいもので、アルゲリッチの豪快なピアノをサポートしながら、第二楽章のノスタルジックな表情づけなど、アバドの指揮ぶりは聞きやすく親しみやすいものだ。
一方、N響アワーで放送された、2001年のN響ヨーロッパ楽旅におけるロンドンのロイヤル・アルバートホールでの演奏をビデオで楽しんでいる。このときは、アルゲリッチ(Pf)とデュトワ指揮N響の演奏で、武満徹の「セレモニアル」(宮田まゆみの笙)とプロコフィエフの「ピアノ協奏曲第3番」が放送された。34年の後、映像で見るアルゲリッチは、あいかわらず素晴らしいエネルギッシュな演奏を堪能させてくれるが、演奏の途中で指揮者に文句を言っているように見え、こわいおばさんになったなぁ、という印象を持った。
2003年の真冬、ゲイリー・グラフマン(Pf)とジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団のCD(CBS MYK 37806)を入手した。1966年にクリーヴランドのセヴァランス・ホールにて録音されたもので、このコンビ、1970年の来日時にも同じピアノ協奏曲第3番を演奏しているが、それまで実際に聞いたことはなかった。当時は単身赴任の夜間勤務だったので、週末の吹雪の夜、家に帰る途中カーステレオで聞きながら車を運転した。冒頭のクラリネット・ソロが一本に聞こえ、やがてハーモニーとなる。視界にはヘッドライトに照らされた粉雪が舞うばかりで、情緒性を排したようなセルのクールな演奏が実によくマッチする。ハンドル操作を誤れば雪の路面で大きな事故に直結する緊張感の中で、プロコフィエフの硬質の叙情、疾駆する厳寒のロマン性がよく理解できたように思えた。
以来、セルのプロコフィエフがお気に入りである。そういえば、セル指揮クリーヴランド管弦楽団には、「キージェ中尉」という素晴らしい録音も残されており、CD(SONY SRCR-2557)でも親しんでいる。あとは「交響曲第5番」をぜひ入手したいものだ。
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