電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

システムの複線化を~ウィルス対策ソフトが原因のシステム障害

2005年04月24日 09時25分06秒 | コンピュータ
共同通信社など報道を含む各社で発生した、コンピュータのCPU使用率が100%になり事実上使えなくなるという障害は、ウィルス対策のため導入していたトレンドマイクロ社の製品のパターンデータが原因とのことだが、ここにはいくつかの興味深い問題が見られる。

(1)忠実にWinXPにSP2パッチをあて、最新のパターンデータを自動更新していた、模範的・優良な企業が被害を受けた。ウィルス対策ソフトを導入しているから安心とは言えなくなった。
(2)ウィルス対策ソフト各社は、最新のウィルスに対抗するため、激しい競争のさなかにある。そのため、パターンデータの動作確認の手順を怠ったミスが原因らしい。人為的なミスなのか社内ルールの運用に問題があったのかわからないが、一つのミスがこれほど広範な影響を及ぼしてしまう。
(3)素人の個人だけでなく、専門家のアドバイスを受けているはずの企業も大きな影響を受けている。

企業の立場ではもっと厳密に考える必要があるだろうが、この事件を個人の立場で見るとき、システムの複線化を必要としているのではないか、と考える。たとえば自宅(社)にWindowsのパソコンしかなく、それがトレンドマイクロ社の製品しか使っていなかったら、アウトである。ウィルス対策ソフトをトレンドマイクロ社から他社に切替えるなどの方法では、根本的な解決にはならない。自宅(社)の1台がWindowsパソコンであるなら、もう1台はそもそもWindowsをねらうウィルスが動作しない、Linux/Macなど、非Windowsパソコンにすべきだろう。仮に片方がやられたとしても、片肺飛行でシステムの最低限の機能は保たれる。
遺伝子の単一化が絶滅を招くことを防ぐために、生物が有性生殖を行い、微妙に違いのある遺伝子を交換するしくみを維持しているように、システムにも複線化が必要なのではないか。
少なくとも、LinuxとWindowsが混在するわが家のLAN(*)では、Windowsの更新やウィルス対策ソフトの更新に伴う経費は半分以下に減少しており、システムの安定性も維持できている。

(*): CPU切替器でWindowsとLinuxの2台のパソコンを切替え使用
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