電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

新倉瞳(Vc)、飯森範親・山響でエルガー「チェロ協奏曲」他を聴く

2016年01月11日 06時04分36秒 | -協奏曲
昨年5月の山形交響楽団第245回定期演奏会で、新倉瞳さんのチェロで、エルガーのチェロ協奏曲とブルッフの「コル・ニドライ」等を聴きました。このときの録音がCDになりましたので、ここしばらく通勤の音楽として繰り返し聴いておりました。このたび、ようやく車から自室へ移し、ステレオ装置で、また簡易なPC-audioで聴いているところです。



エルガーのチェロ協奏曲は、当ブログで取り上げた(*1)のが2006年の12月ですから、近年になって、というよりもブログがきっかけとなって聴くようになった曲です。その点からいうと、かなり遅く親しんだ曲なのでした。ところが、エルガーの「チェロ協奏曲」の魅力にはまり、フルニエ盤、デュ・プレ盤、そして今度の新倉瞳さんの新録音と、私としては短期間にかなり顕著な集中ぶりです。

新倉瞳さんと飯森/山響盤は、とくに後半にやや速めのテンポをとり、音楽が豊かに流れて行きます。ここでは、表現の巨大さを求めるあまり音楽が停滞するようなことはありません。オーケストラの響きが澄んでいて、純度の高い音になっています。残響が豊かな、あまり大きくない規模のホールのせいもあり、速い技巧的パッセージも見事な独奏チェロが、オーケストラの中でしっかりと存在感を示します。この特徴は、最後に収められたオーケストラ伴奏版の「鳥の歌」によく示され、実に魅力的な音楽になっています。ご本人のサインをいただけなかったのは残念ですが、良いCDを入手できたと喜んでいるところです。

他にブルッフの「コル・ニドライ」も収録されており、録音がたいへん鮮明なのもありがたい。2015年10月8日~10日に収録されたデジタル録音で、企画制作はソニー・ミュージックダイレクト、発売は(株)ミューズエンターテインメント社となっています。型番は MECO-1032 と読み取れますが、老眼鏡をかけても O なのか D なのか判別が難しい書体です。もしかしたら、MECD-1032 かもしれません。このあたり、デザイナーさんにはもう少しユニバーサルデザインを心がけていただきたいところです。

■新倉瞳(Vc)、飯森範親・山響 盤
I=7'42" II=4'36" III=4'24" IV=11'08" total=27'50"

(*1):エルガー「チェロ協奏曲」を聴く~「電網郊外散歩道」2006年12月
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