糸満市真壁の「 萬華之塔 」の中に建つ 「 馬魂碑 」
コバテイシの中にひっそりとたたずむ慰霊の場所「 萬華之塔 」
嘉手志川 ( カデシガー ) がある大里馬場跡から次に向かったのが、
沖縄戦で多くの馬が犠牲になった馬魂碑である。
糸満市の真壁グスクを過ぎて右カーブになった左側に
「 萬華之塔 」 などの慰霊塔があり、
その広場の中に「 馬魂碑 」 が建っている。
コバテイシの大樹の下にある 「 馬魂碑 」 と彫られた横には、
/ 愛馬よ安らかに眠れ / と刻まれている。
そして、さらに 「 兵第四二聯隊 山三四八〇部隊 戦友有志 」 刻まれていた。
沖縄戦では人間のみならず、馬もかなり過酷な戦いを強いられていたという。
そんな愛馬の戦死を痛み、こうして碑が建てられたわけである。
軍馬・・・
そう、軍馬といえば、グスクを探訪し始めてすぐの頃に
南部の知名埼のにある知名グスクから安座真グスク、知念グスクなどをめぐり、
夜は賑やかな国際通りで一杯飲もうと国際通りの駐車場に車を預けた。
心は居酒屋気分で、「 おいちゃん、ハイ! 」って持ってた鍵を渡そうとすると、
「 一人ね? 」 って訊いたので、
自分の顔に指をさして、 「 そう。俺ひとり 」 って言うと、
「 今日、南部に行ったろ?
そこで軍馬に乗って軍刀を差した若い将校に会ったろ? 」 って訊くので、
「 南部には行ったけど、軍馬に乗った若い将校なんかに会っていない。 」 というと、
「 一緒に付いて来てるさ~、そして部下たちもいっぱい車に乗ってるさ~ 」 って言われた。
そう言えば・・・
知名崎で知名グスクから出るとき、足首に蔓が絡まって何度も転んだ。
今まで色んな所を探訪をして来たが、こんなことは初めてだった。
で、「 背中に憑いているから、落とさないとね 」 と言って、
背中をパン!パン!パン!と三度叩いて落としてくれた。
「 もう大丈夫だけどね、これから山に入る時は塩と守り刀と持って、
俺に憑いて来るなよ、俺に憑いても何も出来ないぞ! 」 って声に出して言わないと、
「 男気を出すと頼って憑いて来るよ 」 って言われた。
それ以来、必ず塩や守り刀、それにお守りを持って、声に出して山に入っている。
もちろん山から出る時も、振り返らず 「 憑いて来るな 」 と・・・
グスクは聖域であるため神に障らぬよう、
そして戦地でもあるため霊に憑かれぬよう、
さらに山の中なのでハブに噛まれぬように気をつけているのは言うまでもない。