ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

家族の季節

2017-11-10 | アメリカ事情

日の出寸前に家を出て、いつものトレイルへ向かう途中、こんな物が、あるお宅の前庭に座っていた。ピルグリムハットを被った七面鳥。え?!そうか、もうそんな季節なんだった。最近ウェアハウスストア(コスコやサムズクラブなど)では、真夏からハロウィーン商品、10月31日過ぎた途端、一気にクリスマス商品だから、その間にある感謝祭が霞んでいる。


新聞の漫画に、ジャックオーランタンとサンタクロースに囲まれた七面鳥が「私を忘れないで~!」と叫んでいるのがあったっけ。合衆国の感謝祭は、ピルグリム植民地人がアメリカ原住民のワンパノアグ族から教えられた農耕方法で、最初の収穫を祝ったことが始まりだが、日本では、新嘗祭が勤労感謝の日となったそうだ。ちょっとニュアンスが違うが、収穫を祝うのは楽しい。


http://www.joyfulheart.com/thanksgiving/images/ferris-the-first-thanksgiving-1600x1025.jpg


この頃は、オフィスでも、歯医者でも、図書館のカウンターでも、家族の歴史センターでも、「それで、あなたは、感謝祭どうするの?」という話題になる。それは私が食事を用意して、皆が来るのか、それとも私が他所を訪問するのか、はたまた、七面鳥にするの、ハム?というメインディッシュの話まで。「メリーに食事は用意させるわ」は、Mary Callendar's レストランの Thanksgiving dinnerセットをオーダーするという意味である。このサーヴィスは、本当に便利。Boston Marketレストランでも同じようなディナーセットが売られる。つまり日本のお節セットをデパートなどで売り出すのと同じである。


食事の話題の他には、「みんな(子供達)帰ってくるの?」だ。感謝祭は11月の第4木曜日だが、その週末が休みになるだけで短い。そしてクリスマス休暇がすぐそこであるから、遠くの子供達はそれまで「待機」している。海の向こう、とか、大陸のあっちかた、とか、離れているため、感謝祭にやってくるのは、例年なら、近隣に住む長女一家と、長男一家である。今年は長男が、研修医師(レジデント)で、現在はICU集中治療室で24時間勤務が、この先4週間で幾度かあるそうだから、来るのは無理。ひと様の命をお預かりする身、時間を見つけて少しでも休んで万全に診察・治療ができることを願う。


これからの時期は、家族が再び集まる、家族と共に祝う祝日が多い。クリスマスは、日本では、恋人と二人で都市ホテルでディナーだのを共にすることが盛んに言われるが、ここでは、むしろ家族と一緒に過ごし、恋人さえ、それぞれの家族を訪問することが多い。どうしてもこの時期は、「家庭」「家族」が中心になる。隣人のイスラエル人家族も、今年は12月12日から12月20日までHanukkah(Chanukah)(ハヌカ祭)を家族で祝う。


https://thumbs.dreamstime.com/t/happy-hanukkah-greeting-26697045.jpg


グローサリーストアに足を運べば、メキシコのクリスマス料理の一つでもあるTamalesを作るための大きなお鍋、コーンハスク、カリフォルニア産ミルパスチリ、マサ・ハリナ(トウモロコシの穀粒粉)などがアイルに並ぶ。これは普通母親が中心となって家族が手伝う大仕事である。12月に入ると、メキシコ人はよく戸別に家族で作ったTamlesを売りに来る。知っている人からは、一ダース単位で買うが、これがおいしい。食べながら、家族みんなで作ったのだ、と買った時、話していたのを思い出し、これも家族の季節の一つの行事、と思う。

 

 

Tamales材料とお鍋のアイルを過ぎると、今度はジンジャーブレッドハウスのキットが売られている。子供達が小さな頃は、ジンジャーブレッドの「建築材料」の型紙をドウから切り抜いて焼き、冷ましてから家を作っていき、飾りつけはカラフルなキャンデイを使って、アイシングを糊として、子供達にやらせたものだ。今はこんな風にあらかじめ焼かれて、アイシングが付いて、飾るセットになっている。便利。ジンジャーブレッドハウスのコンテストもあったりして、友人は素晴らしい作りで優勝したことがある。こういう作業をクリスマス音楽を聞きながら、家族でするのも、クリスマスの良き思い出になる。


 

https://pixabay.com/en/gingerbread-house-gingerbread-286157/

 

下の小さな人は、この秋初めてホットチョコレート(ココア)を試みた。泡立てたクリームをたっぶりといれてもらい、恐る恐るお試し。即時に大好物になった。泡立てたクリーム以外にもマシュマロを浮かべても楽しめる。晩秋や冬の寒い晩に、暖炉の前に座って、そんなホットチョコレートをシナモンスティックでかき回しながら、祖父母の昔の楽しかった思い出などの話を聞くファイアサイド(炉辺を囲んでの一家団欒。話を聞く会もそう呼ばれる。)は、心も温めてくれる。「おせどに木の実が落ちる夜は。。。かあさんとただ二人栗の実煮てます、いろりばた」を思い出すが、南方にいるのは息子家族。そしてそこが戦地ではないのを感謝する夜長である。


この金曜日はヴェテランズ・デイの祝日(本当は11月11日)。それが過ぎるとあっという間に感謝祭・クリスマスだ。

 

コメント (2)
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