ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

アーリントンで

2017-11-11 | アメリカ事情

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墓地でのBugle CallあるいはTapsと言われる儀式



11月11日はVeterans' Day(退役・復員軍人の日)で、英国では同日をRemebrance Dayと呼ぶ。第一次世界大戦の主要な戦闘全てが、休戦協定にドイツが調印したことによって、1918年11月11日11時に公式に終了したことによる。一方ドイツでも11月の第三日曜日を国民哀悼(戦没者慰霊)の日として、儀式が行われる。

 

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合衆国では連邦政府と州政府の両方で制定された休日である。学校、公官庁、銀行、金融機関は閉まるが、企業によっては11月には感謝祭休日があるため、仕事をするところもある。この日合衆国大統領は、ヴァージニア州のアーリントン国立墓地の、全戦没将兵の無名戦士の墓に花輪を供えるのが慣習となっている。



 アーリントン国立墓地



合衆国の国立墓地は多州にあり、全部で147ある。サンデイエゴでも見たが、白い墓石が兵列を作っているかのように並んでいるのは、壮観だが、それだけ戦死者が6フィートの地下に眠っているのだと思うと、悲しい気持ちになる。もちろん無事に復員して病死・事故死で埋葬されてもいる。


 

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無名戦士の墓を護る衛兵



アーリントン国立墓地にある無名戦士の墓とは、身元不明の遺骨を埋葬し納めた墳墓である。10月1日から3月31日までは一時間交代で護衛兵士が替わり、4月1日から9月30日までは30分づつで交代する。この儀式は荘厳で規律正しく、ステップ数も時間もきっちり守られ、見ていてすっと胸がすくようなきびきびした態度で行われる。最初にアーリントン墓地で見た時は、胸を打たれた。ここには、年配の友人、スーの夫、合衆国海軍でUSS Midwayのキャプテンを務めた人も、私自身の叔父と叔母夫婦も眠る。




私の叔父・叔母

 

先年私の友人が亡くなった父親のトランクを整理していて、たくさんの方々の署名の入った日章旗が出てきた。彼女はそれをどうしていいのかわからず、私に持ってきた。彼女の父親は第二次大戦には若過ぎて、入隊したのは、朝鮮動乱あたりだったらしいが、南方の島に寄港した際、入手した“戦利品”だったらしい。

 

私は彼女の系図を調査したことから、その時彼女の父親の軍隊記録も調べた。そしてどの艦隊に所属するどの船に乗っていたのか突き止め、その船がどこに拠点を置き、どこに航海したか調べた。その日章旗を日本の姉夫婦にどこで入手したのかメモをつけて渡した。姉夫婦は靖国神社へそれを奉納した。

 

そうした米兵の“戦利品”となった日章旗などの日本兵の遺留品返還はよくニュースで見るが、まさか自分のところへも来るとは思わなかった。その旗の持ち主が安らかに眠られていることを祈る。戦争はどこの国でも辛く凄惨だが、その日本兵は護国を信じて戦い、命を燃やしたのだろう。その犠牲を有難く思い、感謝し、そのご遺族に思いを馳せたVeteran's Dayの私は、花を生ける。



コメント (2)
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