カンチャン狂騒曲

日々の事をあれこれと、大山鳴動してネズミ1匹がコンセプト。趣味さまざまなどを際限なく・・。

腰痛と台風対策は読書です

2018-07-31 09:33:48 | 本と雑誌
 腰は痛いは、台風はウロウロして居続けているはでもっぱら家の中でゴロゴロしている。

 腰が痛いので椅子に長く座るとよろしくない。

 椅子に座ったり、室内でのストレッチ用に購入したマットに横になったりしながら、何冊かの本を読んだりしている。

 
 「日の名残り」カズオ・イシグロ(著) 土屋政雄(訳)2018.4早川書房(刊)

 作品は1989年に発表されブッカー賞を受賞しているが、ノーベル賞記念版として発刊されたものである。

 名前は聞いたことがあるが、読んだことはない作家だが折角ノーベル賞記念版として新刊図書のコーナーに並んでいたので手に取った。

 主人公の執事の語り口調で進む物語は、独特の雰囲気が漂っていて、面白い。

 執事の品格というものにこだわった主人公の生き方は、日本の武士道を彷彿とさせ日本人なら違和感なく読める。

 多分ヨーロッパの中でも、とりわけ騎士道を重んじるイギリスの気風にはピタッと収まる文体なのだろう。

 主人公の思考は前後に自由に飛び、内容もその都度前後するが語りに矛盾はなく、一貫して「品格」について語られる。

 一日の終わりの名残の明るさが、老いを自覚しつつもそれを楽しむというシーンがいい。

 多分カズオ・イシグロの若い時期の作品だと思うが、この心境を語らせる作者の感性に脱帽。

 あと1冊は俳句の練習心得帳。

 
 「俳句特訓塾」ひらのこぼ(著)2017.7草思社(刊)

 読んでいて思いだした、以前に一度借りて読んでいた。

 二冊目の俳句入門書という位置づけの本と紹介されているが、確かに1ランクアップを目指す特訓塾の本。

 句会も吟行も二の足を踏む入口モタモタ組の背中を押す仕組みになっている。

 川柳的読み方で読んでもとても参考になる。

 著名人に何かをさせてみる、という設定で。

 「ルノアルの女に毛糸編ませたし(青畝)」に対し「信長にさせたきものに盆踊り(こぼ)」と返す。

 間違えて2度も図書館から借りてしまったが、この分では3度目は確信犯的に借りることになりそうだ。

 「本物の腰抜けになり湿布薬」

 
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変な台風12号

2018-07-30 10:15:13 | 日常あれこれ
 目が覚めるとカーテン越しに日の光を感じた。

 台風はどうなった?

 夕べは雨も降ったりしていたが、風はさほどのこともなかった。

 ところが朝食を食べ終わる頃になると、薄暗くなってきた。

 表に出てみると何とも奇妙な空模様。

 
 (午前9時頃の東の空)

 高くて白い雲、低くて黒い雲、所々に青い空。

 それにしても黒い雲の下の方が青い空というのは見慣れていないので妙な気分である。

 台風は九州の南西海上で停滞するという予報。

 海水温で燃料を補充し再度北西方向に北上するというから驚いた。

 通常のコースならとっくに温帯低気圧などという名前になっている筈なのにまだ台風で頑張っている。

 台風12号は異例ずくめの台風として、多分記録と記憶に残るだろう。

 台風一過には、また猛烈な暑さの第二弾が襲ってくるかと思うと、ほどほどの弱さなら、被害を与えない程度なら、居てもいいよ、と、小声で言ってしまいそうな昨日からの涼しさなのである。

 
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気づかない被害

2018-07-29 09:44:02 | 日常あれこれ
 なんとも妙なコースを台風が進んでいる。

 東海から西日本に向かって通常のコースを逆進している。

 最近の豪雨などの災害多発で、気象庁発表やNHKの報道の仕方も「過去に経験したことのない」という文言が使用される頻度が高くなった。

 
 (今の空)

 確かに今回のコースは過去に経験したことのない人が大半だろう。

 逆コースだから風の向きも違ってくるし・・・。

 北から北西~南西と西進に従って風向が変わると自分では予想して台風対策をした。

 先日設置したばかりの日除けのスダレも、取り外し・巻き上げ・窓に密着させて固定と対応の方法を実験的に変えてみた。

 以前の軒に立て掛ける葦簀と違って、風で飛ばされても大した被害はない。

 網戸との関係があるので、雨戸を閉めて接触を防ぐつもりだ。

 被害と言えば、よくよく点検しないと見過ごすことが多い。

 実は先日、久々に震度4の地震があって、家がドンという音と共に揺れた。

 ところが極めて短時間で、それこそグラっと一揺れしただけで終わって、多少拍子抜けの感じもした。

 朝食の最中だったが、物はなに一つ落ちたりしなかった。

 ところが昨日デジカメを充電しようと2階の部屋のコンセントに手を伸ばしたら、コンセントの横に鉛筆削り器が落ちていた。

 

 前回の地震で壊れた食器棚を改造して本棚を作ったのだが、その上に乗っていた息子譲りの鉛筆削り器が、地震の揺れで落ちたのである。

 削りクズ満杯の状態たっだらしく、木の削りクズと芯の黒い粉が付近一帯に散乱していた。

 つまり震度4はなんの影響もなくではなく、我が家では鉛筆削りが落下し、ゴミが散乱するというささやかな被害があったのだ。

 台風一過や地震の後など、よく点検しないと被害を見落とすことがある。

 先般は、2年前の大地震のあと一応家の外回り、内部など点検し補修を終わったつもりだったのに、普通の状態では見つけることの困難な、基礎と外壁の接合部分の亀裂を鉢植えの植物の枝先の妙な伸び方から発見する事が出来、2年ぶりに補修をした。

 嵐の前の静けさ、いつもと違う方向から吹いてくる緩い風に、クマゼミの鳴き声が一段と響く今日の朝である。

 「昼夕とメニューは決めて妻は留守」

 
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霞がかかって蒸し暑くて

2018-07-28 10:54:18 | 日常あれこれ
 とにかく、暑い!

 混じりっけ無しの、正真正銘の夏がやって来た、と言いたいところだが余分なやつが混じっている。

 台風である。

 それも、よりによって既に災害を受け復旧の途上にあるところを縫うように進む進路予想に腹まで立ってきた。

 

 見上げた空は様々な種類の雲が薄ボンヤリと入り乱れ、山の端も霞みがかかって、遠くの山は見えない。

 湿度の高い、湿った熱風ともいうべき不快な風が吹いている。

 さて、2年後の東京オリンピックもまさしく今の時期に行われるが、暑さ対策が心配である。

 この時期に開催する目的などを真剣に考えると、頭の中がよけい熱くなるので招致委員会並みに能天気の方がいい。

 ぼ~っとしていないと、この夏は乗り切れない。

 
 
 道路の向こう側の敷地の雑草が、生い茂って道路に溢れ落ちて繁殖するので、時々除草をしたりしていたがクソ熱いし腹は立つしで、放置していたら管理者が除草剤をまいたのだろうか、全体に枯れ始めた。

 一番青々としている時期に、突然の秋の訪れと見紛う枯れた雑草の群生をみると季節感が狂う。

 時々吹く強い風に、枯れた雑草の穂先が車庫の中に吹きだまり状態になる。

 道路とアスファルトの駐車場の間にある幅1m長さ20m程の土の空間は雑草を栽培するためのものではなかった筈なのだが、その意図するところがさっぱり分からない。

 すっきりしない空模様、迷走する台風、突然の秋景色、わたしの頭は春模様。

 「解体の進まぬ屋根の名なし草」

 
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菊池渓谷の草花

2018-07-27 19:45:35 | おでかけ
 先日でかけた菊池渓谷で見た花や珍しい植物などを撮したので遅ればせながらUPする。

 
 (芙蓉?)

 花が似ているが真っ白だし違うかも知れないが渓谷の駐車場から道路脇を登り始めると直ぐに頭上に見えていた。

 青空、木々の深緑に真っ白の花が一際冴えていた。

 
 (キツネノカミソリ)

 彼岸花に似た花であるが、横向きで花弁も少ない。

 名前は知らなかったが、調べたらキツネノカミソリだという、かなり切れ味の良さそうな名前の花とわかった。

 ヒガンバナ科とあったから、似ていて当然なのだった。

 この花は河原の近くでも自然の状態で沢山咲いていた。

 
 
 (コケ類)

 水辺一帯の木の枝からぶら下がった状態だったので、最初は先日の豪雨で流されてきたものが岸辺の枝に引っ掛かったものだと思っていたのだが、良く観ると着生していて川面の霧などで水分を補給しながら生きているようだ。

 深山幽谷というか、もののけ姫の背景画というか、なんとなく日頃見慣れた草木とは様相が異なる。

 この他にも真っ直ぐに上を向いた開花前の百合のようなものを沢山見た。

 多分今週末あたりには百合の花が咲き誇っていることだろう。

 次に来るのは秋だね、と相方は言ったが、この暑さじゃ又々ミニ避暑ということになるかも・・。

 
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心も体も熱い一日だった

2018-07-25 23:43:39 | おでかけ
 今日は系統の違ったイベントで忙しかった。

 午前中は10時から同人誌の校正作業を手伝うことになっていて、9時過ぎには家を出たのだが眼鏡を忘れて取りに帰った。

 道路は混むし忘れ物はするし、朝から震度4の地震はあるしでやや慌てたが、汗を拭き拭き事務所に向かった。

 例の江津湖の亀も一匹だけ甲羅干しをしていたが、とてもカメラに収めるほどの余裕はなかった。

 校正の作業は比較的順調に流れて、取り敢えず次のイベントに急いだ。

 そのため、帰り際にもらっていた各地の川柳大会などの案内書や投句用紙などは、すっかり忘れて置いてきてしまった。

 相方に夕食も要らないからと断って、一目散にうまかな・よかなスタジアムへ直行。

 

 平日ということもあって、観客は休日開催日に比べると少ないようだ。

 今日はJ2第25節、ロアッソ熊本Vsレノファ山口のホーム戦。

 

 スタジアムグルメの各売店も山口のサポーターの方が目立つほど多い。

 夕食はここのロアッソ弁当で済まそうという目論見だったが、過去に「勝つカレー」で負け、「ロアッソ弁当」で負けているので、験が悪いからとおにぎり弁当にした。

 暑くて食欲もないし、小さなおにぎりが2個と唐揚げとか卵焼きなんかがついている。

 相方には勝ったら乾杯、負けたら残念会だからビールのつまみだけ準備をしてもらうことになっている。

 
 (レノファ山口のサポーター席)
 
 (ロアッソ熊本のサポーター席)

 ホーム戦というのに、何となくアウエーの山口の方が元気が良い。

 ロアッソは20位で降格圏争いの中に引きずり込まれそうな感じなのに、山口は5位で昇格のプレーオフ圏にいるわけだから、鼻息の荒さが違う。

 試合内容はこちらが先制して、逆転されさらに同点になって引き分け、お互い勝ち点1で終わった。

 

 そりゃ色々ある、あと2点くらいは取れそうなチャンスの場面もあったし、あと2点くらいは失点しそうなピンチの場面もあった。

 まあ早い話が、足して2で割ったような試合だった。

 勝って勝利のダンス「カモン!ロッソ」をと思うのだが、勝ったのはいつだったか忘れそうになる。

 家に帰り着いたら相方は既に結果を知っている。

 聞けばな~んとテレビで実況中継をやったのだとか。

 「おにぎり2個の弁当なんか食べるから2:2のドローになるんだよ」なんて、軽くおちょくられてしまった。

 
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菊池渓谷へミニ避暑

2018-07-24 20:15:48 | おでかけ
 連日の35度超え猛暑にうんざりして、菊池川の上流の菊池渓谷に涼を求めた。

 敷物を1枚だけもって、途中でおにぎりとお茶を買って目的地へ一目散。

 普通は渓谷入口から、左手にある吊り橋を渡って川の右岸を上るのだが、最終目的地が「広河原」と呼ばれている場所なので、途中の幾つかある滝などの名所は飛ばして一気に左岸の道路を進んだ。

 
 (発電用取水口の堰)

 この菊池川沿いには、あまり大きくはないが幾つかの水力発電所がある。

 これは一番上流に位置する発電所の取水口である。

 この取水口の上を渡る吊り橋を渡るといきなり、川面から涼しい風が吹き付けて歓迎してくれる。

 その歓迎をあえて断って、少々暑いが一気に「広河原」へ向かう。

 その遊歩道は帰りの人達が選ぶルートなので、皆さんと挨拶しながら逆行することとなる。

 下界に比べたら気温は低いものの、上り坂なので結構汗をかいたが、どうにか目的の場所に到着。

 
 (菊池渓谷:広河原)

 阿蘇の伏流水が湧き出し、集まりながら流れ下るので水温はとても冷たい。

 折からの気圧配置でちょっとしたフェーン現象のようになっているが、その高温の空気が水面に当たって、霧状になる。

 何人かのカメラマンが盛んに撮影していたが私の古いデジカメでも、それなりに映っている。

 

 広河原と呼ばれる所以は、深いところが少なくほぼ30センチ程度の水深で一枚岩の川原だからである。

 浅いところを選んで、注意しながら向こう岸まで渡るのだが、普通は途中で止めたくなる。

 冷たすぎて足が痺れたようになるからである。

 しばらく我慢するとある程度は馴れてくるから、勇気と元気とバランス感覚があれば何とかなる。

 私も子供達がまだ小さかった頃、大変な悲鳴の中一家揃って向こう岸まで渡って、西瓜を食べた思い出がある。

 その後も相方とは何度も訪れているが、向こう岸に渡ったのはその時以来で少し怖かった。

 行きは良かったが、帰りは光線の具合で川底の様子が見え辛い場所があった。

 岸に上がるとすっかり冷えてしまって、時折吹いてくる生暖かい風がかえって心地良かったりした。

 やはり菊池渓谷は夏場の別世界である。

 
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一枚の写真

2018-07-23 11:00:32 | 日常あれこれ
 サッカーの試合で前半戦が終わると、後半戦の開始までの時間にピッチの整備などが行われる。

 大人の担当者が勿論立ち会うが、沢山の子供達がゴミ袋やバケツをもってピッチ上を駆け回る。

 とても小さな幼稚園の子供達もいれば中学生くらいの子供まで様々である。

 そんな様々の子供達の中で一風変わった子供がいた。

 

 左足にグルグル包帯を巻いて、片足でぴょんぴょんと跳びながら移動し、作業をするときはそっと包帯の足を芝の上に降ろす。

 この動作をずっと続けているのである。

 遠いスタンドから見れば、ユーモラスな動きだった。

 推測だが、同じサッカー仲間で今日の試合のボランティアとして参加しているのだろう。

 その際、参加が決まった後で片足を痛めてしまったのかも。

 靴も履けないくらいだから、ギブスで固定されているのかも知れない。

 楽しいサッカー観戦のドキュメントしてUPしようと思ったのだが、そのままにしておいて今頃になって同じ写真を眺めていると微妙に心境が変化している。

 いわゆる仲間内だの、忖度だのというとりわけ体育系に求められやすい力学が働いていやしまいか等と、余計なことを考えてしまったからだ。

 当然子供のうちから、世の中の不条理とも思えることも一つ一つ心の整理をしながら成長していくのだろう。

 同じ写真を見ながら、違った感情が湧くのは受け手としての私自身の心の揺らぎに過ぎないのだが・・。

 
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蜘蛛と蓑虫

2018-07-22 21:50:03 | 日常あれこれ
 蜘蛛の巣を撮した写真を見せて貰ったら、なかなか特徴のある巣のかけ方で面白かった。

 真似して自分でも写してみたが、被写体に焦点が合わなくて変な写真になった。

 

 撮った写真を説明しないと判らないというのでは情けない話ではある。

 云うならば、蜘蛛の巣の中心から上下方向に、X型の模様が綺麗に織り込まれているのである。

 他の場所に比べて、模様を出すため何倍も大きな糸を使っていることが判る。

 ネットで調べたら、かくれ帯(白帯)というそうで、コガネグモの仲間などが様々な模様を作るそうである。

 理由は諸説有るようで本当のところは蜘蛛に聞いてみるしかない。

 蜘蛛の巣が問題なのだから、もっと蜘蛛とその巣の特徴が判る撮り方を練習する必要がある。

 この蜘蛛の巣は「モミジ」にかけられているのだが、ついでに小さな蓑虫を沢山見つけた。

 

 これまた背景に焦点が合って肝心の蓑虫がぼやけている。

 この極めて小さい蓑虫が沢山、それこそ無数にと表現した方がいいくらいにぶら下がっている。

 しかも見ている目の前で蓑をつけたまま動いているのである。

 私はまた蓑虫は、木の枝先などでただひたすらぶら下がって喜んでいるものだと思っていた。

 なんと結構な早さで枝や葉っぱを移動している。

 植えて5年目くらいの小さなモミジだが、4分の1くらいは葉っぱが網の目状になっていて、どうやら犯人は蓑虫らしい。

 身体にまっとった蓑も、この葉っぱを活用したらしい形跡がある。

 蜘蛛といい蓑虫と云い、なかなか手強い自然の芸術家である。

 
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同姓同名この不思議な関係

2018-07-21 15:05:17 | 日常あれこれ
 「〇〇さん、△△神社に相当寄進しましたね。」という会話で始まる話には、ああ又かと思う。

 この町に引っ越して来て間もない頃に、近くの神社の改修のため町内で寄付を集めたが、我が家も家を建てたばかりだし、お世話になる町内なのでそれなりに寄付をしたことがる。

 寄付をした後で、その額が来たばかりの我々若輩者には多すぎる、もう少し少額でも良かったのにと年寄りから言われた。

 つまり相場観というものが、地域にはあったのだということを思い知らされた。

 私には生まれ故郷に先祖の墓もあり、故郷の神社にも何かある度に今も寄進を続けている。

 故郷といっても、今となっては現在の町の方が住んでいる期間はずっと長くなってしまったのだが。

 そして、数年前に付近の道路の拡張工事のため、神社の土地が少し削られ新しく玉垣を造ることになって寄付が募られた。

 前回の教訓もあって、やや抑え気味に寄付をした。

 

 新しい玉垣が出来上がり、高額の寄付者などの名前が刻まれた石の柵が、入口から鳥居を経てグルリと神社を一周した。

 名前を刻んであるのはある一定の額を寄付した人で、その他大勢は名前は刻まれていない。

 私は今回はその他大勢に加わって名前は表にでない方向を選択した。

 ところが、町内に全くの同姓同名がいて、その人の名前が(私の名前が)入口から3番目に鎮座してしまった。

 友人や知人はては、他所の街に住む知人が通りすがりに見たとか言って、冒頭のパターンで私に話しかけて来るのである。

 初めのうちは、「いやいや同姓同名が町内にいて・・・云々」といちいち説明していたが、だんだん面倒臭くなってきた。

 同姓同名の人は、借家など不動産を沢山持っていてかなり裕福らしい。

 かなり以前の話だが、転勤の都合で5年ばかり自分の家を人に貸していたことがあるが、振り込まれるべき家賃がさっぱり入金されないので銀行にたずねたら、同姓同名の方に振り込まれていたことがある。

 転勤から帰ってしばらくは、郵便物が間違って届いたり、大家さんと間違えられて若い夫婦が挨拶に来たりと色々あった。

 私は川柳を地元の新聞に投稿して楽しんでいるが、ひょっとしたら先方も「川柳見ましたよ」などと言われて首を傾げている姿を想像すると可笑しくなる。

 この頃は、間違い電話も・郵便物も・大家さんへの挨拶もすっかり無くなってしまった。

 私より年上なのか年下なのか、さっぱり判らないが、どちらかが亡くなるまでこの関係は続くのだろう。

 
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