いつもの冬だと畑に野菜の姿がないはずだった。それが今年は畑の野菜がますます元気になっている。遅く撒いたホウレンソウや大根は、霜でやられてしまうのではないかと思っていたが、なんとぐいぐい背を伸ばしているではないか。おかげで、毎日ほうれん草とロメインレタスのサラダをラーメンのどんぶりでバリバリたいらげている。
娘が教えてくれたという大根サラダにも挑戦。生の大根を細く切ってそこに鰹節・醤油・きざみのり・ゴマ油を投入してかき混ぜていただく。なるほど、シンプルながら大根の旨みが直接に飛び込んでくる。
今年は珍しくカリフラワーがうまく成長した。ブロッコリーより先輩だったカリフラワーは1個しかできないのは確かに物足りない。されど、貴重なので鶏がらスープの素・肉団子・タマネギを入れてスープをいただく。最後の1個になったカリフラワーは寒い夜の体をじわっと暖めてくれた。
つい野菜を食べないで、間食やパン・肉・果物などに嗜好が向かいがちのふしだらな日々だったが、おかげでこの冬はそれをしのぐ野菜攻勢に追われている。さらに、野菜を腐らせてはいけないと近隣にせっせとお裾分けしている。
地球の温暖化は阻止しなければならないが、暖冬はありがたいというジレンマにはまってしまう。そんな矛盾に満ちた人生を野菜は軽やかなステップで口中に侵入し踊りだすのだった。